映画評「ヒポクラテスたち」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1980年日本映画 監督・大森一樹 ネタバレあり 大森一樹監督が京都の医大時代の経験を踏まえて作った青春群像劇。大学在学中に観た。四十数年ぶりの再鑑賞だ。 6回生になってもどの科に進むか決まらない医科大生・古尾谷雅人は、他の五人即ち産婦人科の息子・光田昌弘、医療に情念を燃やす狩場勉、既に妻…
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映画評「裸足になって」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年フランス=ベルギー合作映画 監督ムーニア・メドゥール ネタバレあり 監督はムニア・メドゥールという女性で、女性を主人公にした一種の青春映画であることを考えると、映画サイトにあったソフィア・コッポラのような映画という表現は言い得ているかもしれない。 アルジェリア。バレリーナのフーリア…
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映画評「オリ・マキの人生で最も幸せな日」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2016年フィンランド=スウェーデン=ドイツ合作映画 監督ユホ・クオスマネン ネタバレあり 偶然にも16mmで撮った映画が続く(結果的に一日おくことになった)。先日観た「コンパートメントNo.6」のユホ・クオスマネン監督の旧作でモノクロ。フィルムはやはり良いねえ。 オリ・マキなるは、196…
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映画評「ミッション:インポッシブル2」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2000年アメリカ=ドイツ合作映画 監督ジョン・ウー ネタバレあり 第3作以降は初見時にブログにアップして来た人気シリーズの第2作で、第1作は数年前に再鑑賞して書いているので、これにて公開済み映画は全てアップしたことになる。 偶然にも今夜吹替版放映(TV欄にある「M:I-2」というのはビデオ…
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映画評「怪異談 生きてゐる小平次」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1982年日本映画 監督・中川信夫 ネタバレあり 架空の歌舞伎役者小幡(こばた)小平次は江戸時代に山東京伝が実在の役者をモデルに生み出した。それを大正時代の劇作家・鈴木泉三郎が新歌舞伎として戯曲化した「生きてゐる小平次」二度目の映画化。怪談や妖艶な作品を得意とした中川信夫監督の遺作である。再鑑賞。…
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映画評「十字路の夜」

☆☆★(5点/10点満点中) 1932年フランス映画 監督ジャン・ルノワール ネタバレあり ジョルジュ・シムノンの生んだ名探偵メグレ警視の映画版第一作だそうである。監督がジャン・ルノワールというのが少々意外で、結局日本では公開されなかった。  翌年にジュリアン・デュヴィヴィエが「男の首」を映画化して、日本では「モンパルナスの…
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映画評「聖地には蜘蛛が巣を張る」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年デンマーク=ドイツ=スウェーデン=フランス合作映画 監督アリ・アッバシ ネタバレあり 今世紀の初めにイランで起きた事件を基に作られたフィクション。 イラン東北部の宗教都市マシュハドで、売春婦が連続して絞殺されて遺棄される事件が起こる。犯人は男性記者シャリフィ(アラシュ・アシュティ…
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映画評「もう頬づえはつかない」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1979年日本映画 監督・東陽一 ネタバレあり 40余年ぶりの鑑賞。僕が大学生活に悪戦苦闘していた時代がそのまま画面にあって涙が出てきた。 ヒロインまり子(桃井かおり)は、僕が国立大学に受からなければ行った可能性もある早大第一文学部に通う女子大生で、同校の卒業論文に小説創作を選んだ見延典子…
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映画評「TATTOO [刺青] あり」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1982年日本映画 監督・高橋伴明 ネタバレあり ウィキペディアの解説を読んで、本作の基になった実際の事件を思い出した。1979年1月に起きた三菱銀行人質事件のことで、人質4人と犯人梅川昭美の計5人が死ぬという、日本の銀行強盗事件では珍しい凄惨な事件だった。 ポルノ映画監督だった高橋伴明の…
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映画評「アタラント号」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1933年フランス映画 監督ジャン・ヴィゴ ネタバレあり 1934年に29歳で夭折したジャン・ヴィゴの遺作。多分前回も「新学期 操行ゼロ」と同時に衛星放送で観たと思う。30余年前だろう。 お話は極めて他愛ない。 アタラント号なるはセーヌ川を往来する艀(はしけ)である。  アタラント…
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映画評「逆転のトライアングル」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年スウェーデン=イギリス=デンマーク=ドイツ=メキシコ=フランス=スイス=トルコ=ギリシャ合作映画 監督リュ―ベン・オストルンド ネタバレあり 「フレンチアルプスで起きたこと」や「ザ・スクエア 思いやりの聖域」で人間風刺をしてみせたスウェーデンの異才リューベン・オストルンド監督の新作。 …
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映画評「怪物」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・是枝裕和 ネタバレあり 是枝裕和監督はご贔屓だ。初期のセミ・ドキュメンタリーから徐々に良い意味で作り物めいた要素を増やし、脚本を坂元裕二に任せた本作では遂に完全なドラマになっている。 安藤サクラのシングル・マザーが、夫を失った後一人で頑張って育ててきた小学5年生の…
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画像問題:Who is she/he? No. 30

危ない、危ない。朝の畑仕事から帰って来ていつものように映画評を書こうと思い用意を始めて暫くして、今日は5日と気付きました。早速問題の俳優を探さなくてはいけないと頭を捻り、まだまだ現役の比較的新しいスターでも良いや、ということで、この女優に。 若い映画ファンでも名前くらいは知っているであろうデビューから30年を優に超える大ベ…
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映画評「母の聖戦」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2021年ルーマニア=メキシコ=ベルギー合作映画 監督テオドラ・ミハイ ネタバレあり メキシコが舞台であるが、ルーマニア出身でベルギーに移民した女性監督テオドラ・ミハイが作劇・監督を担当しているので、ベルギーを中心にしたメキシコ・ルーマニアとの合作映画という扱いにする。 ハイティーンの娘ラ…
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映画評「トリとロキタ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年ベルギー=フランス合作映画 監督リュック・ダルデンヌ、ジャン=ピエール・ダルデンヌ ネタバレあり リュックとジャン=ピエールのダルデンヌ兄弟のセミ・ドキュメンタリー。 先日バイデン大統領が “日本は外国人嫌い” と述べたのは満更間違いではない。少なくとも難民認定率(数ではなく率。…
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映画評「青いカフタンの仕立て屋」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 2022年モロッコ=フランス=ベルギー=デンマーク合作映画 監督マリヤム・トゥザニ ネタバレあり 「モロッコ、彼女たちの朝」に感心したモロッコの女性監督マリヤム・トゥザニの新作で、今回もまた鮮烈だ。 モロッコ。仕立て屋を営む中年紳士ハリム(サレ・バクリ)は妻ミナ(ルブナ・アザバル)が病弱…
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映画評「EO イーオー」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2022年ポーランド=イタリア=イギリス合作映画 監督イエジー・スコリモフスキ ネタバレあり ロベール・ブレッソンの宗教寓話の傑作「バルタザールどこへ行く」(1966年)に似た図式の作品である。監督はイエジー・スコリモフスキで、同作にインスパイアされたらしい。 ポーランド。コンビを組むサー…
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映画評「コンパートメントNo.6」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2021年フィンランド=ロシア=エストニア=ドイツ合作映画 監督ユホ・クオスマネン ネタバレあり ニール・ヤングの名曲 Heart of Gold の邦題は原題から遠い「孤独の旅路」となったが、 本作は正に孤独の旅路をするフィンランド女性とロシア男性の交流を描くロード・ムービー。 開巻後い…
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映画評「帰れない山」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年ベルギー=イタリア=フランス=イギリス合作映画 監督フェリックス・ヴァン・ヒュールニンゲン、シャルロッテ・ファンデルメーシュ ネタバレあり 近年のアスペクト比4:3のイタリア映画では「プッチーニの愛人」という凄味のある映像美を誇る傑作があるが、美しい画面という意味で同作に迫る。但し、か…
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映画評「我等の仲間」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1936年フランス映画 監督ジュリアン・デュヴィヴィエ ネタバレあり 1930年代のジュリアン・デュヴィヴィエは当たりに当たっていた。本作の後「舞踏会の手帖」「望郷」という傑作を放っている。本作は上記二作に比べると一般的な人気はなさそうだが、十分比肩できる傑作だ。 因みに僕は40年以上前…
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