映画評「ウェディング・ハイ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・大九明子 ネタバレあり 結婚披露宴を構成・指揮管理するウェディング・プランナーが大々的に取り上げられた映画はその名も「ウェディング・プランナー」(2001年)だと思う。それ以降これが重要な役目を果たす映画が増えたが主役級はなく、久しぶりに主役と言っても良い映画が現れた。あ…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「ザ・ファーム 法律事務所」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1993年アメリカ映画 監督シドニー・ポラック ネタバレあり 法曹ものを得意とするジョン・グリシャムのベストセラーの映画化。1994年WOWOWで観て以来の28年ぶりの再鑑賞でござる。 ハーバード大出身の秀才トム・クルーズが、財務に強い南部メンフィスの法律事務所に就職して、妻ジーン・トリプ…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「スパークス・ブラザーズ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2021年イギリス=アメリカ合作映画 監督エドガー・ライト ネタバレあり スパークス・ブラザーズという兄弟がいるわけでも、そういうバンドがあるわけでもない。本当はロンとラッセルのメイル兄弟がそれぞれキーボードとヴォーカルを担当するロック・ペアで、当初のザ・スパークス・ブラザーズというアイデアから…
コメント:2

続きを読むread more

映画評「写楽」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1995年日本映画 監督・篠田正浩 ネタバレあり 東洲斎写楽は化政文化が本格的に花開く前に突然現れ、1年足らずで消えた浮世絵師である。とは言え、化政文化に属しそれを代表する人物であることは間違いない。 幸か不幸か、9カ月前に観た「HOKUSAI」と主たる時代が重なるので、再鑑賞という印象が…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「兇弾」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1949年イギリス映画 監督ベイジル・ディアデン ネタバレあり 戦後世界の映画界はリアリズムに向って動き出し、イタリアにはネオ・レアリスモがあり、アメリカにはセミ・ドキュメンタリー(実際に起きた場所にロケする実話もの)と呼ばれる映画群が多数作られた。英国にもそうした流れがあり、即実的に作られる作品…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「世界で一番美しい少年」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2021年スウェーデン=ドイツ=フランス合作映画 監督クリスティアン・ペトリ、クリスティーナ・リンドストレム ネタバレあり ルキノ・ヴィスコンティ作品において、個人的に一番愛しているのは「イノセント」で、一番凄味があると思うのは「ベニスに死す」。「ベニスに死す」を実際に見たのは数年後大学へ行って…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「カモン カモン」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2021年アメリカ映画 鑑賞マイク・ミルズ ネタバレあり マイク・ミルズは人間関係の機微に非常に関心を持っている監督である。それも親子や肉親という、他人ではない人間同士を取り上げることが多い。本作はその典型と言うべし。 ラジオ・ジャーナリストのホアキン・フェニックスが、妹ギャビー・ホフマン…
コメント:2

続きを読むread more

映画評「THE BATMAN -ザ・バットマン-」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2022年アメリカ映画 監督マット・リーヴズ ネタバレあり 映画界においてDCコミックスの「バットマン」は、マーヴェル・コミックスの「スパイダーマン」化しつつあるようである。何故「スーパーマン」より人気なのかと考えるに、どちらも基本は生身の人間であり、隣のお兄さん的な存在であるからではないか。 …
コメント:0

続きを読むread more

映画評「クーパーの花婿物語」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1944年アメリカ映画 監督サム・ウッド ネタバレあり 第二次大戦中に集中して作られたサム・ウッド監督=ゲイリー・クーパー主演コンビの作品は、ヒューマンで良い後味を残ししつ、物足りなさを感じさせることが多い。一番出来が良いのはルー・ゲーリックの伝記映画「打撃王」(1942年)であろうが、他愛無さと…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「クリスマス・ウォーズ」

☆☆(4点/10点満点中) 2020年イギリス=カナダ=アメリカ合作映画 監督イアン・ネルムズ、エショム・ネルムズ ネタバレあり 余程のメル・ギブスンのファン以外は観なくてもよろしい、と最初から言っておきます。 アラスカに細君ルース(マリアンヌ・ジャン=バプティスト)と暮らすクリス・クリングル(ギブスン)は、エルフを従業…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「月はどっちに出ている」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1993年日本映画 監督・崔洋一 ネタバレあり 崔洋一死す。WOWOWが追悼として流したが、WOWOWが初期にJ・MOVIE・WARSという企画で取り上げた監督であり、縁がある。  最近は余り映画を撮っていなかったが、本作と同じく梁石日の自伝的小説を原作とする「血と骨」(2004年)までは順調…
コメント:2

続きを読むread more

映画評「アンビュランス」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年アメリカ=日本合作映画 監督マイケル・ベイ ネタバレあり 詳細は後述するが、着想的に買えるところはあるものの、マイケル・ベイの弱点も出ているので、それほど高く評価できない。 LA。アフガン帰還兵の黒人ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世が、保険会社に断られた細君の癌手術費用捻出の為、…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「ちょっと思い出しただけ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・松居大悟 ネタバレあり 松居大悟監督は「アズミ・ハルコは行方不明」も「くれなずめ」もいま一つだったが、これは相当よろしい。 序盤は、ダンサー兼振付師の池松壮亮と女性タクシー運転手・伊藤沙莉のそれぞれの様子が並行描写され、全くどういう方向に向かっていくのか解らないが…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「SING/シング:ネクスト・ステージ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年アメリカ映画 監督ガース・ジェニングズ、 ネタバレあり 前回なかなか楽しませて貰ったミュージカル・アニメの第2作でござる。  IMDbでは第1作より高い採点を得ているが、個人的には二番煎じということもあり、前回ほどは有難がれなかった。使われた既成曲の好みの差によるところが大きいだろうか…
コメント:2

続きを読むread more

映画評「パーフェクト・ノーマル・ファミリー」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年デンマーク映画 監督マルー・ライマン ネタバレあり ドラマ映画が特殊(小津安二郎や成瀬巳喜男の映画は多く普遍から)から普遍性を見せるのを使命としていると考えるならば、本作は誠に素材としてうってつけと思うが、星が余り多くないのは、僕の眼にはそれがさほど上手く行っていないからである。 …
コメント:0

続きを読むread more

映画評「この子の七つのお祝いに」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1982年日本映画 監督・増村保造 ネタバレあり ミステリー作家・斎藤澪が1981年度初回の横溝正史ミステリ&ホラー大賞を受賞した同名ミステリーを、ミステリーには縁のなさそうな増村保造が映画化。確かに横溝賞にふさわしいおどろおどろしいお話である。  1980年代に多分地上波テレビで観て以来三十数…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「ストレイ 犬が見た世界」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年アメリカ映画 監督エリザベス・ロー ネタバレあり 「GUNDA/グンダ」と同じく動物ドキュメンタリーだが、人が一人も出て来ないかの作品に対し、こちらは人間が無数に出て来る。この人間に対する扱いの違いが、即ち作者の狙いの違いであろう。  かの作品が動物に対して観客(人間)が勝手に動物の心…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「ユンヒへ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年韓国映画 監督イム・デヒョン ネタバレあり 韓国映画だが、主な舞台は北海道の小樽である。この地を舞台に選んだのは監督イム・デヒョンが、小樽を舞台に岩井俊二が作った「Love Letter」にインスパイアされたかららしい。 韓国、高校卒業を目前にした娘キム・ソヘを抱えて工場の賄い婦…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「GUNDA/グンダ」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2020年ノルウェー=アメリカ=イギリス合作映画 監督ヴィクトル・コサコフスキー ネタバレあり モノクロのドキュメンタリー映画。確かにドキュメンタリーだろうと思いつつ、そう捉え難い印象もあるのである。 映画は、ある畜産家の母豚と子豚を、何の説明もBGMもなく、延々と撮り続ける。鶏と牛も短か…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「ゴッドファーザー<最終章>:マイケル・コルレオーネの最期」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2020年(1990年)アメリカ映画 監督フランシス・フォード・コッポラ ネタバレあり そそっかしくもシリーズ第4作と思って観たら、第3作の再編集版でした。  本編自体は初鑑賞だが、オリジナルは30年前映画館で鑑賞。前回余り集中できない印象があったが、今回観直したところ、なかなか面白いではない…
コメント:0

続きを読むread more