映画評「ホリック xxxHOLiC」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・蜷川実花 ネタバレあり コミックの実写映画化。題材はオカルトである。 あやかしという人間の業が顕現化したものが見える高校生・四月一日君尋(わたぬききみひろ=神木隆之介)が、その能力の為に人との交流を極力避けている或る日、妖気漂う建物の中にあるミセという悩み相談所(?…
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映画評「マーベラス」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2021年イギリス=アメリカ合作映画 監督マーティン・キャンベル 重要なネタバレあり。未見の方ご注意あれ。 「007/カジノ・ロワイヤル」(2006年)で映画ファンに注目された感のあるマーティン・キャンベルは、アクション系の監督として割合ご贔屓にしている。設定自体は極めてB級映画的な本作の首尾はど…
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映画評「ブラック・フォン」

☆☆★(5点/10点満点中) 2021年アメリカ映画 監督スコット・デリクスン ネタバレあり 何と一昨日に続いてまたピンク・フロイドの名アルバム「狂気」が使われた。今回は “走り回って” On the Run だが、 純粋なインストルメントなのでまるで映画用に作ったようにさえ聞こえる。多分ホラー映画で使われるのを聞いたのは二度…
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映画評「ベルイマン島にて」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2021年フランス=ベルギー=ドイツ=スウェーデン=メキシコ=ブラジル=イギリス合作映画 監督ミア・ハンセン=ラヴ ネタバレあり 僕はイングマル・ベルイマンが好きで、初期の数本を除いて全部観ている。そういう人なら本作の設定は相当面白く感じられると思う。監督はミア・ハンセン=ラヴというフランス女性だ…
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映画評「C.R.A.Z.Y.」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2005年カナダ=モロッコ合作映画 監督ジャン=マルク・ヴァレ ネタバレあり 僕より若いのに一昨年のクリスマスに亡くなったジャン=マルク・ヴァレ監督の作品はブログで4本取り上げているが、これはそのどれよりも古い作品である。 奇しくもこの作品の主人公ザックが生まれるのは1960年のクリスマス…
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映画評「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年中国=香港合作映画 監督チャン・イーモウ ネタバレあり チャン・イーモウは、一時期「HERO<英雄>」「LOVERS」といった華麗なる大作時代劇を作っていたが、近年は再び1980~1990年代に似て小市民をテーマにした人情劇に帰って来ている。 文化大革命最中の中国北部の乾燥地帯。労…
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映画評「親愛なる同志たちへ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2020年ロシア映画 監督アンドレイ・コンチャロフスキー ネタバレあり 僕が初めてアンドレイ・コンチャロフスキーを観たのはイヴァン・ツルゲーネフの映画化「貴族の巣」(1970年)で、その後彼は扱う内容を色々と変えて来たが、今回はアスペクト比4:3のモノクロ映画で、1962年6月にロシア南部の産業…
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映画評「天使が隣で眠る夜」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1994年フランス映画 監督ジャック・オーディアール ネタバレあり 本格的な犯罪映画ではなく犯罪の絡んだドラマという印象の作品を作ることが多いフランスの監督ジャック・オーディアールのデビュー作。 米国の閨秀作家テリー・ホワイトのミステリー「真夜中の相棒」の映画化で、米国女性作家によるミステリ…
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映画評「林檎とポラロイド」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年ギリシャ映画 監督クリストフ・ニク ネタバレあり 昨日の「PLAN 75」に続いてまた緩いディストピア映画。こちらもSF的ではなく、極めてヒューマンな内容である。 記憶を失う奇病が流行る時代(未来ではなく1980年代らしい、つまりパラレル・ワールド)。その病気に罹患したらしい40代…
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映画評「PLAN 75」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・早川千絵 ネタバレあり 三年余り前に観たオムニバス映画「十年 Ten Years Japan」第一話を早川千絵監督が拡大セルフ・リメイクした作品。極めて現実的なタッチで処理されたディストピア映画である。 超高齢化社会に関わる犯罪の増加や財政逼迫の問題を抱えた日本国…
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映画評「トップガン マーヴェリック」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2022年アメリカ映画 監督ジョゼフ・コシンスキー ネタバレあり 映画館で「トップガン」(1986年)を観た時は僕も後半とは言え、まだ二十代でした。21世紀になって久しぶりの続編やシリーズ最新作というのが増えているが、何と36年ぶりの続編ですよ、驚きましたな。 数十年前に空軍パイロットを養…
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映画評「355」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年アメリカ=中国合作映画 監督サイモン・キンバーグ ネタバレあり 新映画版の「チャーリーズ・エンジェル」と「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」を併せればおよそこんな作品になる。 コロンビアで、世界のネットを中断することで第三次大戦を起こし勝利ももたらすことが…
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映画評「続・荒野の七人」

☆☆★(5点/10点満点中) 1966年アメリカ映画 監督バート・ケネディー ネタバレあり 始まったばかりの衛星放送で観た時は☆☆☆(6点/10点満点中)相当を付けたが、今回再鑑賞したらまるで面白くなかった。  その理由若しくは原因は、第一作の七人のうち四人が亡くなり、生き残ったメンバーでもリーダーのユリ・ブリンナー以外顔ぶ…
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映画評「寄席の脚光」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1950年イタリア映画 監督フェデリコ・フェリーニ、アルベルト・ラットゥアーダ ネタバレあり フェデリコ・フェリーニの傑作「8・1/2」の1/2は本作のことである。同世代のアルベルト・ラットゥアーダと共同でメガフォンを取った(監督デビュー作)ので、1/2という次第。 フェリーニは大監督になったが、…
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映画評「ゴースト/ニューヨークの幻」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1990年アメリカ映画 監督ジェリー・ザッカー ネタバレあり 同期入社の同僚がこの映画を観て“主題歌の「アンチェインド・メロディー」が気に入って、CDを買ってしまった"と言っていたのを思い出す。僕はこの映画に使われる以前からブルーアイド・ソウルでお馴染みのライチャス・ブラザーズのこの曲は知ってい…
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映画評「メジャーリーグ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1989年アメリカ映画 監督デーヴィッド・S・ウォード ネタバレあり 大リーガーも大勢参加してWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が大いに盛り上がっているので、30年以上前に観たこの野球映画を選んでみた。 30年も下位に低迷するクリーヴランド・インディアンズ(現ガーディアンズ)の女…
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映画評「耳をすませば」(2022年実写版)

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・平川雄一朗 ネタバレあり 柊あおいのコミックをスタジオジブリの近藤喜文が映画化したアニメは実に瑞々しい秀作だった。本作は、そのお話をベースにその10年後(1998年という設定)の現在を交えて進む実写映画である。 かの作品が秀作であったが故に、時間軸を二つにした二重構…
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映画評「燃えよ剣」

☆☆★(5点/10点満点中) 2021年日本映画 監督・原田眞人 ネタバレあり 時代劇で人気を二分する戦国末期(から安土桃山時代)を「関ヶ原」で扱った原田眞人監督が、今度はもう一方の維新ものを作った。今度も原作は司馬遼太郎。 最近の邦画は台詞が聞き取れないことが多くて、そうでなくても日本史の詳細に疎い僕は難儀するのだが、…
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映画評「ザ・ロストシティ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年アメリカ映画 監督アーロン・ニー、アダム・ニー ネタバレあり 「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」(1984年)を現代風に換骨奪胎したような冒険映画である。  最近はこういうメジャーの正統派冒険映画がありそうで案外なかったので、作品の傾向としては大歓迎である。但し、出来は凡作止まりで、…
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映画評「BILLIE ビリー」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年イギリス映画 監督ジェームズ・アースカイン ネタバレあり 二重構造のドキュメンタリーである。扱われるのは、64年前に44歳で亡くなったジャズ・シンガーのビリー・ホリデイ。 このドキュメンタリーの基礎の部分は、1978年に亡くなった女性ジャーナリスト、リンダ・リプナック・キュールが…
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