映画評「神々の山嶺」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2021年フランス=ルクセンブルク合作映画 監督パトリック・インベール ネタバレあり 夢枕獏の小説を谷口ジローがコミック化。それをフランス映画人がアニメ化したというのが異色だが、僕は2017年の実写版も見ている。企画自体はアニメの方が早かったようでもあり、もしそれが正しいのであれば、近頃最近流行…
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映画評「トイレの花子さん」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1995年日本映画 監督・松岡錠司 ネタバレあり 学校怪談ブームに乗って松竹が学校を舞台に作ったホラー映画だが、怪談は一種のダシである。「学校の怪談」同様リアル・タイムで観ている。それ以来の再鑑賞。 世に“トイレの花子さん”の都市伝説が流布している頃、 二件の女子児童連続殺人事件が世間を騒が…
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映画評「犯罪都市」(2017年)

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2017年韓国映画 監督カン・ユンソン ネタバレあり マ・ドンソク演ずる刑事が笑いたくなるほど強くてなかなか気に入った「犯罪都市 THE ROUNDUP」の正編である。 いかにも劇画的な構図で展開した続編に比べて、2004年ソウルで実際にあった捕物をベースにしているだけに大分実録風ではある…
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映画評「整形水」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年韓国映画 監督チョ・ギョンフン ネタバレあり 整形をする人が多いと言われる韓国で作られたアニメだが、近ごろ世界的に沙汰されることが増えて来たルッキズム問題を提起した作品と言える。 バレエが上手だったのに見た目により低い評価しかされず今は撮影用のメイク係をしている妙齢肥満女性イェジ(…
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映画評「学校の怪談」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1995年日本映画 監督・平山秀幸 ネタバレあり つい先日観た「ゴーストブック おばけずかん」は、本作の影響下にある作品ではないかと、四半世紀ぶりに再鑑賞して思わされた。かの作品は原作ものではあるが、かなりの確率で監督の山崎貴は意識している。撮影監督が同じ柴崎幸三。誰がお呼びしたのでしょう?  …
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映画評「犯罪都市 THE ROUNDUP」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年韓国映画 監督イ・サンヨン ネタバレあり 戦前に「犯罪都市」(1931年)というアメリカ映画があったが、全く関係ない。韓国版「犯罪都市」(2017年)の続編との由。第一作は未見(後日鑑賞する)。 お話の構図は以下のように単純。 ヴェトナムである犯罪者が自首する。彼を調べる為に…
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映画評「ハケンアニメ!」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・吉野耕平 ネタバレあり 名前は知っているが読んだことのない女流作家・辻村深月の小説を吉野耕平監督が映画化。 12歳をもってTVアニメを卒業したが、一昨日の「キャメラを止めるな!」同様に映像作品作りの厳しさ・面白さが楽しめるだろうと思い、観てみた。結果的には大正解。…
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映画評「カラミティ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年フランス=デンマーク合作映画 監督レミ・シャイエ ネタバレあり 実写映画ではドリス・デイも演じた、西部の女傑カラミティ・ジェーンの少女時代を描くアニメ。 フランス製につきフランス語で進行する為西部の気分は出にくいが、本作に当てはまるかどうかはどもかく、開拓民の仲にはフランス人やドイ…
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映画評「キャメラを止めるな!」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年フランス=アメリカ=イギリス=日本合作映画 監督ミシェル・アザナヴィシウス ネタバレあり 一字違いの邦題から想像がつくように、30分(実際には32,3分あったと思う)のTV映画を生放送でワン・カットで撮るという方針で進行中の映画とそのメイキングを描く(映画)という、三重構造のワン・アイデ…
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映画評「白蛇:縁起」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年中国=アメリカ合作映画 監督ウォン・カホン、チャオ・ジー ネタバレあり 中国の有名な伝説に「白蛇伝」というのがあり、日本でも大人気で、実写で「白夫人の恋」「白蛇抄」やアニメで「白蛇伝」など幾つも関連映画が作られた。アニメは記憶がはっきりしないが、上記の実写二作はTVではあるものの、観てい…
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映画評「憎しみ」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1995年フランス映画 監督マチュー・カソヴィッツ ネタバレあり この映画を発表した頃のマチュー・カソヴィッツはまだ若手俳優だったが、監督の長編二作目として発表したこのモノクロ映画はなかなか大変な作品である。 かつての植民地からやって来た移民たちが暮らすパリのゲットー地区で暴動が起きる。 …
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映画評「シチリアを征服したクマ王国の物語」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年フランス=イタリア合作映画 監督ロレンツォ・マットッティ ネタバレあり イタリアの児童小説(原作:ディーノ・プッツァーティ)をフランス在住のイタリア人監督ロレンツォ・マットッティがアニメ映画化。僕が観たWOWOW放映版はフランス語だが、フランスとイタリアの合作なので、吹替ではない公式のイ…
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映画評「FLEE フリー」

☆☆★(5点/10点満点中) 2021年デンマーク=スウェーデン=ノルウェー=フランス合作 監督ジョナス・ポエール・ラスムッセン ネタバレあり 珍しくもアニメのドキュメンタリーである。 アフガニスタン生まれのアミンが、社会主義政権の樹立の時に父親を失い(生きているのか死んでいるのかもわからない状態)、時をほぼ同じくしてム…
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映画評「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年アメリカ=中国=マルタ合作映画 監督コリン・トレヴォロウ ネタバレあり 「ジュラシック・パーク」に始まるシリーズも第6作、今回で一応の完結を見るようである。 しかし、年寄りになると、TVのようにお話が続くシリアルは辛いものがあり、暫く “何のこっちゃ” と思いつつ観ていたが、子役イ…
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映画評「春の序曲」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1943年アメリカ映画 監督フランク・ボーゼイギ ネタバレあり 「オーケストラの少女」(1937年)に主演したディアナ・ダービンの歌が楽しめる音楽ドラマである。あの時は16歳、今回は22歳で大分大人っぽくなった。 田舎娘の彼女は歌手志願で、金持ちと信じる兄パット・オブライエンのいるニューヨー…
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映画評「ルパン三世VSキャッツ・アイ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・瀬下寛之、静野礼文 ネタバレあり 配信用の作品らしいが、「ルパン三世」をベースに語ると、劇場用映画「VS名探偵コナン」に続くコラボレーション作品である。前回は泥棒と探偵の組み合わせであるから文字通りVS(と言っても実際には喧嘩友達状態であった)であるが、今回は泥棒と泥棒な…
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映画評「PIG/ピッグ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2021年アメリカ映画 監督マイケル・サルノスキ ネタバレあり ニコラス・ケイジの主演で、しかも豚を奪還するお話と聞いたので、例によって例の如きアクション映画かと予想したが、ある意味変な映画ではあるものの、想像とは全く違う作品であった。 トリュフを探す為に牝豚を活用している元シェフのケイジが…
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映画評「裸足で鳴らしてみせろ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・工藤梨穂 ネタバレあり 工藤梨穂という若手女性監督は、恐らく青山真治監督「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」(2005年)に着想のヒントを得たか、極めて解りにくいオマージュを捧げている。聞くところによると、青山監督の教え子らしい。さもありなん。 大学卒業後に父・甲本雅裕…
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映画評「秘密の森の、その向こう」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2021年フランス映画 監督セリーヌ・シアマ ネタバレあり セリーヌ・シアマは今世紀に台頭した映画作家の中でも屈指の画面感覚を持っていると思うが、内容面においてLGBTQ絡みの説教を聞かされるようなところで少々苦手な部分もある。LGBTQが悪いのではないが、今現在はどんなに上手に作ってもキャンペ…
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映画評「マイスモールランド」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・川和田恵真 ネタバレあり 欧米特に欧州の人権意識を基準にして語ると、日本の保守層は怒るが、しかし日本国の人権に対する態度は決して褒められたものではない。しかし、これを怒る保守層は保守の中でも絶対的多数ではなく、日本全体の7%くらいと僕は見ている。しかし、その7%の為に岸…
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