映画評「東京2020オリンピック SIDE:A」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・河瀬直美 ネタバレあり コロナ感染拡大の影響で2020年開催予定の東京オリンピックが2021年に延期された。コロナ禍を理由に中止を訴える人が多かったが、僕は無観客を条件に“断然やるべし”と言った。 何故なら無観客にするのであればオリンピックそのものが感染者を増やすことが…
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映画評「沈黙のパレード」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・西谷弘 ネタバレあり 東野圭吾は「ガリレオ」シリーズがご贔屓だ。尤も読んだ東野作品は「容疑者Xの献身」一作に過ぎず、映画版で判断しているのだが。  「ガリレオ」シリーズの良い点は、松本清張以降の人間存在自体の原罪にも接近する社会派の要素に、本格ミステリーの要件である警察…
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映画評「ドリーム・ホース」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年イギリス映画 監督ユーロス・リン ネタバレあり またもグループが偉業を成し遂げるお話。英国映画を中心にこの手の実話ものが最近多く、やや食傷気味である。 英国と言ってもウェールズで、両親(特に父親)との仲が上手く行っていない中年女性トニ・コレットは、無気力にしか見えない夫オーウェン・…
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映画評「娼婦マヤ」

☆☆★(5点/10点満点中) 1949年フランス映画 監督レイモン・ベルナール ネタバレあり 原作となったシモン・ガンチョンの戯曲は数年前に読んだことがある。1950年前後日本でもかなり話題になった作品である。映画でも、内容は大きく変えられていない。この時代のフランス映画にしては珍しく初鑑賞(プライム・ビデオにて)。 船…
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映画評「ぜんぶ、ボクのせい」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・松本優作 ネタバレあり 川崎の施設に暮らす中学1年生くらいの白鳥晴都君が、施設を抜け出して、千葉の海岸沿いの街いずみ市に暮らす母親・松本まりかに会いに行く。水商売をしているらしい彼女は恋人と暮らしていて、少し面倒を見た後施設に帰るように告げる。  少年は施設に帰る代わり…
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映画評「身体を売ったらサヨウナラ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年日本映画 監督・内田英治 ネタバレあり 題名が一ノ瀬泰三のノンフィクション「地雷を踏んだらサヨウナラ」のパロディーになっているので面白いかもしれないと思い、観てみた。原作は実に変わった人生を送って来た作家・鈴木涼美の同名エッセイもしくはノンフィクション。 著者をモデルとする涼子(柴…
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映画評「L.A.コールドケース」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年イギリス=アメリカ合作映画 監督ブラッド・ファーマン ネタバレあり 僕も名前だけは知っていた2パックの暗殺は「オール・アイズ・オン・ミー」という伝記映画で描かれていた。  ノトーリアスB.I.G.の暗殺については知らなかったが、 本作はこの二つの事件とその後に続く、白人警官による黒人警…
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映画評「天間荘の三姉妹」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2021年日本映画 監督・北村龍平 ネタバレあり いつも通り内容を全く知らずに観た。現実に立脚したファンタジーである。 ところで、イルカが絡む映画が偶然にも3本続く。しかも、イルカは最近新聞を賑わしている。 父親に去られた後事故にあった少女のんが、タクシーで天間荘というホテルに連れて来…
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映画評「チケット・トゥ・パラダイス」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年アメリカ=イギリス=日本合作映画 監督オル・パーカー ネタバレあり 甘い感じがするので日本独自のタイトルと思いきや、原題由来である。 法学部を卒業したばかりの美人ケイトリン・デヴァーが親友ビリー・ロードとインドネシアのバリ島へ卒業旅行。ところが、現地青年マクシム・ブティエと恋に落ち…
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映画評「オルカ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1977年アメリカ=イタリア=オランダ=カナダ合作映画 監督マイケル・アンダースン ネタバレあり 「ジョーズ」(1975年)の大ヒットに目を付けたイタリアのディノ・デ・ラウレンティスが製作した動物パニックもの。サメの代りにイルカ類の中では哺乳類を襲う凶暴なイメージのあるシャチをサメの代りに繰り出し…
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映画評「マデリーン 愛の旅路」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1950年イギリス映画 監督デーヴィッド・リーン 重要なネタバレあり 19世紀英国(厳密にはスコットランド)であった事件の映画化。日本公開は製作からおよそ四半世紀後の1976年。『スクリーン』の封切紹介に載っていたのをよく憶えている。 グラスゴー。フランスからの流れ者エミール(アイヴァン・…
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映画評「はだかの女王」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1934年フランス映画 監督マルク・アレグレ ネタバレあり 一昨年ジョゼフィン・ベイカーがフランスのパンテオンの霊廟されることになったというニュースは、今では知る人が少ないであろう日本のTVニュースでも報道された。50年近く前に亡くなった偉人に “さん” 付けするのに相当違和感を持ったが。最近は…
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映画評「ユーモレスク」(1946年版)

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1946年アメリカ映画 監督ジーン・ネグレスコ ネタバレあり 日本では余り知られていないが、アメリカでは人気作家で映画界も重用した女流作家ファニー・ハーストの同名小説の二度目の映画化。一回目はサイレント。どういう風にこの音楽家の人生を表現したものだろうか。 11歳の誕生日に、母親(ルース・…
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映画評「マイ・ブロークン・マリコ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年日本映画 監督タナダユキ ネタバレあり タナダユキは女性監督の中でご贔屓。このところ抜け切れていなかったが、平庫ワカという漫画家の手になるコミックを映画化したこの変則的ロード・ムービーは初期の頃の感覚が戻って来た感じで気に入った。 ブラック企業の営業社員シイノトモヨことシイちゃん…
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映画評「異動辞令は音楽隊!」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・内田英治 ネタバレあり 解散に程近いオーケストラなり音楽隊なりが奮闘するというのはちょっとしたジャンルを形成しつつあるほどで、先月観た英国映画「シング・ア・ソング!~笑顔を咲かす歌声」はそのヴァリエーションであるし、昨年観た水谷豊監督・主演「太陽とボレロ」は典型だろう。今…
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映画評「信虎」

☆☆★(5点/10点満点中) 2021年日本映画 監督・金子修介 ネタバレあり 戦国時代も幕末も大して興味がないので、中学生の常識程度の知識しかない。しかし、見られるチャンスがあれば、作られたばかりの時代劇映画は必ず観るようにしている。まして監督が金子修介だけに興味津々。 本作は、戦国時代の甲斐国をテーマにしながら武田信…
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映画評「女狐」(1950年)

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1950年イギリス=アメリカ合作映画 監督マイケル・パウエル、エメリック・プレスバーガー ネタバレあり 英国のマイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガーの脚本・監督コンビ作品だが、アメリカのデーヴィッド・O・セルズニックが製作に絡んでいる。原作は英国の女流小説家メアリー・ウェッブの小説。 …
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映画評「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・竹林亮 ネタバレあり 日本の時間SFは、大昔に戻る作品が尽く凡作・愚作なのに対し、市井をウロウロするものには佳作・秀作が多い。本作は同じ時間を繰り返すタイム・ループ型だが、純SF的に捉えないほうが楽しめる。 小さな広告代理店に勤めるOL円井わんは、大手の広告代理店か…
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映画評「イントロダクション」

☆☆★(5点/10点満点中) 2021年韓国映画 監督ホン・サンス ネタバレあり 「アバンチュールはパリで」という作品ではエリック・ロメールみたいだと興味深く見たホン・サンスは、「夜の浜辺でひとり」では一人合点に失望し、「逃げた女」も似たり寄ったりだった。  かつてのイタリア映画みたいな変なズームにも感心しない監督だが、その…
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映画評「あちらにいる鬼」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・廣木隆一 ネタバレあり 不倫はここへ来て再び大悪徳扱いになってきた。男性が支配する家を守るための儒教的観念が戻って来たかのようだ。  コンプライアンスの問題が絡んでいることは確かであるが、自由や権利が伸張している現在だからこそ、僕には理解できない現象である。かつて不倫…
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