映画評「破局」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1950年アメリカ映画 監督マイケル・カーティス ネタバレあり アーネスト・ヘミングウェイの長編小説「持つと持たぬと」の再映画化で、ハワード・ホークス監督「脱出」(1944年)のリメイク。  「脱出」が、奇しくも本作同様マイケル・カーティスが監督した「カサブランカ」(1942年)の作り直しみた…
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映画評「ナイルの宝石」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1985年アメリカ映画 監督ルイス・ティーグ ネタバレあり 1980年代ヒットした「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」の続編で、二番煎じのそしりを免れず、実際の出来栄えも落ちるが、その昔二番館(名画座)で見た僕はそれなりに楽しんだ。 前作の冒険で結ばれて世界一周中の山師マイケル・ダグラスと閨…
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映画評「ミラクル・ニール!」

☆☆★(5点/10点満点中) 2015年イギリス映画 監督テリー・ジョーンズ ネタバレあり テリー・ジョーンズ監督のSFコメディー。 宇宙の彼方で地球を壊滅させるかどうかを有力エイリアンたちが議論している。彼らは無作為に選んだ、英国でしがない小学教師をしているサイモン・ペッグの行動により判断しようと彼に全能を授け、10日…
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映画評「ブルーサンダー」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1983年アメリカ映画 監督ジョン・バダム ネタバレあり 再鑑賞作品。3回目かもしれない。 ロサンゼルス市警ヘリコプター隊のベテラン警官ロイ・シャイダーが新人のダニエル・スターンと巡邏中に、中年女性が強盗団と思われる二人組に襲われる事件に遭遇、連中をやっつける活躍する。 ここは、単な…
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映画評「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2022年アメリカ=日本合作映画 監督マリア・シュラーダー ネタバレあり “Me Too”運動のきっかけとなった映画製作者ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラに関して調査を続けたニューヨークタイムズ紙の二人の女性記者ミーガン・トゥーイー(キャリー・マリガン)とジョディ・カンター(ゾーイ・カザン)…
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映画評「砦のガンベルト」

☆☆★(5点/10点満点中) 1967年アメリカ映画 監督ゴードン・ダグラス ネタバレあり 西部劇の砦ものではあるが、良くも悪くも典型的とは言えない。NHK-BSから録画したものを鑑賞。 1876年。クレンデニン砦で軍人たちが壊滅し、拳銃一丁が残されているのが発見される。という謎めいた始まりは、有名な冒険映画「ボー・ジェ…
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映画評「抜き射ち二挺拳銃」

☆☆★(5点/10点満点中) 1952年アメリカ映画 監督ドン・シーゲル ネタバレあり 高校野球に続き世界陸上が始まり、色々と忙しいので、90分を切る映画を探してこのB級西部劇に至る。観たことがあるような気もするが、少なくともブログに上げていないのは確実なので、観ることにした。 カリフォルニア。砂金採掘場の権利を強奪し、…
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映画評「桜色の風が咲く」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・松本准平 ネタバレあり 世界で初めて大学常勤教員となった盲聾者である福島智教授の伝記映画。内容はヘレン・ケラーと野口英世を足して2で割ったような感じである。 教授は1962年生まれ。生まれつき高い眼圧の為に3歳で右目、9歳で左目の視力を失った智君は、聾学校在学中(田…
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映画評「紅はこべ」(1934年版)

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1934年イギリス映画 監督ハロルド・ヤング ネタバレあり オルツィ男爵夫人のお馴染みの同名小説は腐るほど映像化されているが、僕が観たのは1950年の映画「怪傑紅はこべ」と1999年のTVミニシリーズだけで、後者はブログにもアップしてある。アルセーヌ・ルパンが好きな僕にはたまらない一編である。 …
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映画評「島守の塔」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・五十嵐匠 ネタバレあり 沖縄に詳しい方は、このタイトルである程度内容が予測できるのであろう。僕は灯台守のイメージが勝手に浮かび上がって困った(笑)。 1971年に発表された岡本喜八監督「激動の昭和史 沖縄決戦」と同工異曲の実話もの。軍部の描写が少なくなかった同作と比…
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映画評「ONODA 一万夜を越えて」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2021年フランス=日本=ベルギー=イタリア=カンボジア合作映画 監督アルチュール・アラリ ネタバレあり 1970年代前半中学生から高校生にかけての時代、かつての戦地の島に潜伏していた横井庄一と小野田寛郎(ひろお)が発見されて帰国し、大きく報道されていた。僕が終戦〇〇年を意識したのは横井庄一の事…
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映画評「長崎の郵便配達」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・川瀬美香 ネタバレあり ピート・タウンゼンド(ザ・フー)ならぬピーター・タウンゼンドなる英国空軍の英雄は、マーガレット王女の恋人と噂された人物である(「ローマの休日」のモデルとなったお話との由)という。 彼はその後、世界に目を向けて、かつての敵国である日本を訪れ、…
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映画評「ラーゲリより愛を込めて」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・瀬々敬久 ネタバレあり 角川春樹の姉さん辺見じゅんのノンフィクションの映画化。 戦争末期の満州からソ連の急襲を知って妻子を日本に帰したインテリ青年・山本幡男(二宮和也)は、結局シベリアの収容所(ラーゲリ)に送られる。  ここを何とか生き抜いた彼は、仲間たちと共に…
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映画評「男性都市」

☆☆(4点/10点満点中) 1942年アメリカ映画 監督ルイス・セイラー ネタバレあり ジョン・ウェイン主演の未鑑賞作品は少ないので、プライム・ビデオで観る。 鉄鋼の町ピッツバーグに近い鉱山で働く炭鉱夫ウェインと親友ランドルフ・スコットが、ボクシング興行師の情婦マレーネ・ディートリッヒと親しくなり、恋の鞘当てを演ずるうち…
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映画評「火祭り」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2006年イラン映画 監督アスガー・ファルハディ ネタバレあり NHKだけでなくWOWOWも僕を失望させ続けているが、今回のアスガー・ファルハディの未公開作3本の連続放映はなかなか嬉しい企画である。一本ごとに次第に深化していく様子を見せ、なかなか興味深い。 後年の「別離」の原形のようなとこ…
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映画評「ひゃくはち」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2008年日本映画 監督・森義隆 ネタバレあり 一昨日の「野球部に花束を」は部そのものを描くのが主眼で、野球映画ファンとして決して楽しめる内容ではなかったが、こちらは正攻法ではない正統派野球映画。 背番号を付けられるかどうかの際にいる野球強豪高野球部内野手の2年生、斎藤嘉樹と中村蒼は、今日も…
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映画評「かがみの孤城」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・原恵一 ネタバレあり 本屋大賞を受賞した辻村深月の同名小説を、原恵一がアニメ映画化。 いじめっ子グループに色々嫌がらせを受けた中学生こころ(声:當真あみ)は不登校になるが、勇気を振り絞ってやっと出かけたフリースクールの担当喜多嶋先生(声:宮崎あおい)には多少安堵でき…
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映画評「野球部に花束を」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・飯塚健 ネタバレあり 野球が絡む映画なら何でも観てしまう。クロマツテツロウという漫画家のコミックを実写映画化した本作は、まして【W座からの招待状】が取り上げているのだから何かあるだろうと期待して観たが、野球用語で例えるならば、これはワイルドピッチ(暴投)ですよ。 中…
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映画評「美しい都市」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2004年イラン映画 監督アスガー・ファルハディ ネタバレあり アスガー・ファルハディ長編第2作。日本劇場未公開。【都市】は “まち” と読ませる。 先日観た「英雄の証明」の原型が見られるが、こちらのほうが人命に関してはぐっと深刻。 少年院から出た若者アーラ(ババク・アンサリ)が、1…
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映画評「砂塵にさまよう」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2003年イラン映画 監督アスガー・ファルハディ ネタバレあり アスガー・ファルハディの監督デビュー作。日本劇場未公開。 ユダヤ教から派生した各宗教圏ではかつて民事でも逮捕されることがあった。ディケンズの半自伝小説「デイヴィッド・カパフィールド」にもそんな場面が出て来る。イスラム教のイラン…
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