映画評「アフター・ヤン」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2021年アメリカ映画 監督コゴダナ ネタバレあり 「アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド」というドイツの近未来SFを8か月前に観たばかりが、これもアンドロイドが重要の役を負っている。あちらが解りやすい西洋哲学SFであるとすれば、こちらは只管静謐で低回的な東洋哲学的映画詩という感じである。  …
コメント:0

続きを読むread more

映画評「キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年イギリス=フランス=アメリカ合作映画 監督マルジャン・サトラピ ネタバレあり ノーベル賞を物理学賞・化学賞二部門で受賞したマリー・キュリー(とその夫ピエール)の伝記は1943年にマーヴィン・ルロイが映画にしているが、80年前の映画だから美談的な扱いが目立った記憶がある。それに比すると、こ…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「オットーという男」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2022年アメリカ=スウェーデン合作映画 監督マーク・フォースター ネタバレあり 自国の作家フレドリック・バックマンの小説を映画化したスウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」をアメリカ映画界がリメイク。アメリカ映画におけるオリジナル脚本の欠乏は誠に嘆かわしい。  勿論、脚本欠乏問題と作品の価値は…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「シング・フォー・ミー、ライル」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年アメリカ=イギリス合作映画 監督ジョシュ・ゴードン、ウィル・スペック ネタバレあり 児童文学には甚だ疎いので当然知らない米国の児童文学作家バーナード・ウェーバーのシリーズの実写映画化。CGに頼ったこういう映画を実写というのは未だに抵抗があるが。 NY。売れないマジシャンのヴァレンテ…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「マーベリックの黄金」

☆☆★(5点/10点満点中) 1971年アメリカ=イギリス合作映画 監督サム・ワナメイカー ネタバレあり 「マッケンナの黄金」(1969年)「マタクンベの黄金」(1976年)という邦題の映画があって、いずれも西部劇であるし、当時から本作とよく混同したが、今となっては益々どれがどれだか解らないようになった。大昔に多分吹替版で観た…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「真珠」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1946年メキシコ=アメリカ合作映画 監督エミリオ・フェルナンデス ネタバレあり 大学の第二語学に選んだ英語の教材がジョン・スタインベックの中編「真珠」だった。確かこれは文庫本が出ている筈と本屋で買って来たが、講師は学生の行動を見越して、角川文庫の大門一男の訳のミスを早々に指摘した。それでも、僕…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「東は東」

☆☆(4点/10点満点中) 1951年アメリカ映画 監督キング・ヴィダー ネタバレあり 戦争花嫁の話は、日本では女性作家が興味を示して有吉佐和子「非色」など注目すべき小説が出ている。こちらはアメリカ人から眺めた日本人戦争花嫁のお話。 朝鮮戦争で重傷を負った軍人ドン・テイラーが、移送された日本で甲斐甲斐しく面倒を見てくれた…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2022年アメリカ=ドイツ合作映画 監督ブレット・モーゲン ネタバレあり デイヴィッド・ボウイのアルバムは、第2作『スペース・オディティ』(インディ・レーベル時代の第1作は世間では殆ど存在しないような扱い)から第14作『レッツ・ダンス』まで持っているが、やはりこの映画のタイトルに借用された「ムー…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「Winny」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・松本優作 ネタバレあり 20年程前 Winny というソフトを巡り開発者が逮捕され、7年後に最高裁で無罪になった事件を憶えている。僕も2チャンネルを興味本位で閲覧し、たまに書き込みをしていた頃だ。 東大大学院で助手をしていた天才エンジニア金子勇(東出昌大)が、実際に…
コメント:2

続きを読むread more

映画評「零落」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・竹中直人 ネタバレあり 竹中直人が出演しないで監督だけに専念した純文学映画。原作は浅野いにおなる漫画家のコミックとの由。映画化されるコミックにもこんなしんねりむっつりした作品があるんだねえ。 7年続いた人気作を終えて目的を失っている落ち目の漫画家・斎藤工は、他の売れ…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「愛なのに」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2021年日本映画 監督・城定秀夫 ネタバレあり 「猫は逃げた」に続く今泉力哉監督、城定秀夫監督による共同脚本作第2弾。実際にはこちらが第1弾で、僕が観た順番で言っているだけ。  今回の主筆は今泉力哉で、メガフォンを取っている城定監督は少しいじっている程度だろう。城定監督はカメラをかなり(余り…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「銀平町シネマブルース」

☆☆★(5点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・城定秀夫 ネタバレあり 城定秀夫シリーズ第5弾(脚本作含む)。 先日鑑賞した廣木隆一監督「月の満ち欠け」には実在の名画座・早稲田松竹が出て来たが、こちらには銀平スカラ座なる架空の名画座(撮影は川越スカラ座なので、モデルと考えらえる)が出て来る。脚本はいまおかしんじ。…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「猫は逃げた」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・今泉力哉 ネタバレあり 絶賛はしなかったものの密かに愛している映画に井口奈巳監督「犬猫」がある。人を動物に喩えることはままあるが、解る人だけに解るように喩えたところの絶妙ぶりに僕は膝を打った。惚れ惚れした。  何てことを言い出したのは、本作の猫が絡んで繰り広げられる面倒…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「放課後アングラーライフ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・城定秀夫 ネタバレあり 城定秀夫監督特集第3弾。脚本・脚色作を含めればまだまだ続く。原作は井上かえるという若手作家のライト・ノベルらしい。内容から言って女性だろう。 東京(?)の学校で虐めに遭っていた女子高生・十味(とーみ)が、幸運にも、父親の転勤によって、西日本…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「女子高生に殺されたい」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・城定秀夫 ネタバレあり 先月WOWOWで初放映された時には、青春コミックを想起させる題名故に敬遠したが、今注目株らしい城定秀夫監督特集の中にあったので、観てみることにした。原作は、古屋兎丸という漫画家のコミック。 進学校と称する男女共学校に女子高生に持てそうな青年日…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「夜、鳥たちが啼く」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・城定秀夫 ネタバレあり 以前「アルプススタンドのはしの方」という面白い映画を見せてくれた城定秀夫監督の作品。あの作品は高校生たちの作った原作が面白いと言うべきなのだろうが、今月は一気に新作がWOWOWで観られるので、ちょっと監督の指向性でも調べて行きたい。 十代で注…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「月の満ち欠け」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・廣木隆一 ネタバレあり 「鳩の撃退法」を映画で観てメタフィクションとしてなかなか面白いと思った佐藤正午の同名小説を廣木隆一が映画化したファンタジー。 1980年ジョン・レノンが死んだ頃、会社員・小山内堅(大泉洋)が大学の後輩・梢(柴咲コウ)と結婚する。1981年に生…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「コンペティション」(2021年)

☆☆☆(6点/10点満点中) 2021年スペイン=アルゼンチン合作映画 監督ガストン・ドゥプラット、マリアーノ・コーン ネタバレあり 1980年にクラシック・コンクールを描いた同名邦題のアメリカ映画が作られたが、全く関係ない。こちらは、近年目立つスペインとアルゼンチン合作の、映画俳優同士の激しいライバル意識を描いた喜劇である。…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「秘密指令」

☆☆★(5点/10点満点中) 1949年アメリカ映画 監督アンソニー・マン ネタバレあり 1950年代以降アンソニー・マンがほぼ西部劇監督に専念する前の一種のフィルム・ノワール。一種のというのは、フランス革命後の恐怖政治をテーマにしているからである。「恐怖時代」という別邦題がある。 「紅はこべ」の続編のような感じだが、あ…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「ジェラール・フィリップ 最後の冬」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2022年フランス映画 監督パトリック・ジュディ ネタバレあり 僕はジェラール・フィリップの作品は、あるいは全部観ているかもしれない。とにかく大好きな俳優である為、本作に対する星の数が多くなってしまったかもしれない。悪しからず。 構成がめちゃめちゃと言う意見がかなり多いものの、僕はその構成…
コメント:0

続きを読むread more