映画評「エピデミック~伝染病」

☆☆★(5点/10点満点中) 1987年デンマーク映画 監督ラース・フォン・トリアー ネタバレあり ラース・フォン・トリアーの長編第2作。  第1作の「エレメント・オブ・クライム」でもドイツ表現主義という印象の中に、ポーランド時代のイエジー・スコリモフスキーを思い出させる画面感覚を感じたが、それはこの映画にもある。彼ほど前衛…
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映画評「エレメント・オブ・クライム」

☆☆★(5点/10点満点中) 1984年デンマーク映画 監督ラース・フォン・トリアー ネタバレあり 僕が観た一番古いラース・フォン・トリアー作は1996年の「奇跡の海」なので、1984年発表の本作は初見である。長編第一作との由。 刑事フィッシャー(マイケル・エルフィック)は、自国での仕事で精神的ショックを受け、戻ったカイ…
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映画評「グリーン・ナイト」

☆☆★(5点/10点満点中) 2021年アメリカ=カナダ=アイルランド合作映画 監督デーヴィッド・ロウリー ネタバレあり “緑の夜”って何だ? と思っていたら、Knight でした。14世紀に書かれた作者不明の長編叙事詩「ガウェイン卿と緑の騎士」の映画化。昔の文学に関しては人後に落ちないと自負していながら、僕は知らなかった。不…
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映画評「ノック 終末の訪問者」

☆☆★(5点/10点満点中) 2023年アメリカ=日本=中国合作映画 監督M・ナイト・シャマラン ネタバレあり 先日の「バビロン」もそうであったように、キリスト教や聖書を一通り知っていた方が楽しめるという洋画は少なくない。M・ナイト・シャマランのサスペンスである本作もその類で、キリスト教の考えに基づく終末論映画に近いものの、そ…
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映画評「そして僕は途方に暮れる」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・三浦大輔 ネタバレあり まだFMでエアチェックをしていた40年近く前ヒットした大沢誉志幸の歌の題名をイメージ・ソースとした舞台の映画化。原作戯曲、脚色、監督は全て三浦大輔。ある種の喜劇である。 フリーター藤ヶ谷太輔は、5年も同棲している恋人・前田敦子にラインの女性…
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画像問題:Who is she/he? No. 23

昭和30年代生まれ以上の方にはお馴染みの男優です。僕らが若い頃と違って、今欧州映画を見る人は少ないでしょうから、若い人は解らないかもしれませんねえ。 あの巨匠が重用してそのうちの二本は映画史を語る時必ず出て来るものですが、大衆映画ファンには、同国(どこ?)で一番有名であろう女優と共演した少なからぬ作品群を思い起こすことであ…
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映画評「メグレと若い女の死」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年フランス=ベルギー合作映画 監督パトリス・ルコント ネタバレあり 僕より年上のミステリー・ファンには、ホームズ、ポワロに次ぐ有名探偵(公立探偵=刑事)メグレ警視の戦後作(1954年)をパトリス・ルコントが映画化した。  僕がメグレを知ったのは、45年前愛川欽也が演じた日本版によってで、…
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映画評「バビロン」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年アメリカ映画 監督デイミアン・チャゼル ネタバレあり 「イントレランス」(1916年)の製作を題材にした映画に「グッドモーニング・バビロン!」(1987年)という秀作があるが、その「イントレランス」が悪徳・退廃の町としたのが古代中東の大都市バビロンであり、それに喩えられるのが1920年…
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映画評「ペルシャン・レッスン 戦場の教室」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2020年ロシア=ドイツ=ベラルーシ合作映画 監督ヴァディム・パレルマン ネタバレあり ホロコースト関連では次々と興味深いネタが掘り起こされる。短編小説の映画化となっているが、その小説が実話を基に書かれたものらしい。 ユダヤ青年ナウエル・ペレス・ビスカヤールが、護送中のトラックの中で食料と…
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映画評「七人の秘書 THE MOVIE」

☆☆(4点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・田村直己 ネタバレあり TVドラマは十代半ばから殆ど観て来なかったので、題名すら知らないものが多い。従って、オリジナルの面白味に頼っているものほど僕には面白くないので、かつては “劇場版” 等を題名に付けた作品は回避していたが、最近は観るべき洋画が減ってきたこともあって、結…
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