映画評「ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2021年イギリス映画 監督ウィル・シャープ ネタバレあり ルイス・ウェインという画家についてはこの映画で知ったのみ。猫ばかり書いていたらしい。 19世紀後半の英国。既に絵を描いていた紳士階級(ジェントリー)のウェイン(ベネディクト・カンバーバッチ)は、4人の妹を養育する為に頑張らねばならな…
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映画評「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」

☆☆★(5点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・内田英治、片山慎三 内田英治は「身体を売ったらサヨウナラ」を作っているので風俗産業への興味があるだろうから、基本アイデアは彼から出たのではないか。共同監督の片山慎三は「岬の二人」「さがす」で世間の片隅で生きているような人間を扱って来た。  この二人の新鋭監督が、スナック兼…
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映画評「アシスタント」(2019年)

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督キティ・グリーン ネタバレあり MeToo運動に発展したミラマックスの製作者ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラを元ネタにしたフィクション。日本版ウィキペディアのストーリー解釈は正鵠を射ていないと思われる。 早朝、大映画会社製作者(会長)のアシスタントである妙齢…
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映画評「それでも私は生きていく」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年フランス=イギリス=ドイツ合作映画 監督ミア・ハンセン=ラヴ ネタバレあり 夫と死に別れた後9歳くらいの娘カミール・ルバン・マルタンを独りで懸命に育てている母親レア・セドゥは、同時に頻繁に積極的に、認知症に陥った元哲学教授の父親パスカル・グレゴリーを訪問し甲斐甲斐しく世話をしている。 …
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映画評「湯道」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・鈴木雅之 ネタバレあり 「おくりびと」という僕がかなり感心した小山薫堂が脚本を書いていると知ったのは、エンディング・ロールでよってである。なるほどマニュアル映画的なところに共通点があるが、通俗に傾き過ぎている分だけ、かの秀作に及ばない印象が残る。 若手建築家の生田斗…
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映画評「離ればなれになっても」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年イタリア映画 監督ガブリエレ・ムッチーノ ネタバレあり ガブリエレ・ムッチーノは、アメリカで作った「幸せのちから」「7つの贈り物」でなかなかの力を見せたが、近年はイタリアに戻っているようである。 1982年。高校生リッカルドが過激デモに巻き込まれて銃撃されたところをパオロとジュリオ…
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映画評「対峙」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2021年アメリカ映画 監督フラン・クランツ ネタバレあり アメリカでは相変わらず銃規制が進まず、一年間に何度も学校などの施設で複数が死傷する銃撃事件が起きる。全米ライフル協会が圧力団体として機能している為その支持政党である共和党が全く動こうとしないからである。どこの国でも似たようなもので、議員…
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映画評「小さき麦の花」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2022年中国映画 監督リー・ルイジュン ネタバレあり 昨年思いがけず中国少数民族の一家が我が姻族になった。 その出身地より北西部にある乾燥地帯が舞台。  農家の中年次男坊ヨワティエ(ウー・レンリン)が独りぼっちになり、義兄らの媒酌により、パーキンソン病で尿失禁をするので疎まれている内気…
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映画評「モリコーネ 映画が恋した音楽家」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2021年イタリア=ベルギー=オランダ=日本合作映画 監督ジュゼッペ・トルナトーレ ネタバレあり ニーノ・ロータ、フランシス・レイと共に僕がご贔屓にする映画音楽作曲家がモリコーネである。  20年近く前になるだろうか、BMGビクターがカタログ通販でエンニオ・モリコーネの映画音楽を集めた集大成を…
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映画評「新源氏物語」

☆☆★(5点/10点満点中) 1961年日本映画 監督・森一生 ネタバレあり NHKが本年の大河ドラマで「源氏物語」を扱う関係で、BSで本作を取り上げたらしい。西部劇以外の古い映画に冷たい最近のNHKにもそういう色気はある模様。  紫式部のご本家ではなく、それを基に書かれた川口松太郎の同名小説の映画化である。しかし、結果的に…
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映画評「夜明けまでバス停で」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・高橋伴明 ネタバレあり コロナ禍下(かか)の2020年11月に実際に起きたホームレス女性殺害事件にインスパイアされたと聞いたので、もっとセミ・ドキュメンタリーの社会派映画になっているかと思いきや、前半はともかく、後半は大分予想に反する展開になっている。 コロナ禍に…
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映画評「劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~」

☆☆★(5点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・松木彩 ネタバレあり 2021年に放映されたTVドラマ・シリーズの続編的位置にある映画版。  簡単に言えば、「タワーリング・インフェルノ」と「ダイ・ハード」を合わせて「ダイ・ハード」の刑事を救急救命医にした感じの作品である。 逆恨み型の一種の愉快犯が横浜のランドマ…
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映画評「ガンズ・アンド・キラーズ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2023年アメリカ映画 監督ブレット・ドノフー ネタバレあり ニコラス・ケイジのロー・バジェット映画でも西部劇という新機軸なら行けそうだ。 ガンマンのケイジが、吊るし首になるところを危く助かった中年男を息子の目前で撃ち殺す。  20年後、今は愛妻と結ばれ静かに雑貨商を営むケイジは仕事を終え…
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映画評「マッシブ・タレント」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年アメリカ映画 監督トム・ゴーミカン ネタバレあり ニコラス・ケイジが借金を背負って、来るものを拒まずの精神で大量のB級映画に出演し続けている(借金のその後は知らないが、B級映画出演は続いている)半生をケイジの立場からすれば自虐的な立場で作られた、半伝記映画とでも言うべきアクション・コメ…
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映画評「1秒先の彼」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・山下敦弘 ネタバレあり 1年半前に台湾製のオリジナルを観た時は、日本版リメイクが決定していて、僕はワン・アイデアで勝負するタイプの作品ゆえにリメイクは見ないだろうと述べた。  が、主人公か女性から男性に変わったこと以上に、監督がオフビートなリズムの為にご贔屓にしている山…
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映画評「夜のピクニック」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2006年日本映画 監督・長澤雅彦 ネタバレあり 去年の秋に恩田陸の同名小説を読み、十何年前にWOWOWで放映した映画版を無視したのを悔やんだ。映画化向きではないと感じたので敢えて観たいと思ったのだ。今年になってひょいと思い付いて調べたところ、幸運にもプライムビデオの会員無償枠のところにあったので…
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映画評「ブラックライト」

☆☆(4点/10点満点中) 2021年オーストラリア=アメリカ=中国合作 監督マーク・ウィリアムズ ネタバレあり リーアム・ニースンは一般ドラマで観たい俳優だが、「96時間」以降ある特定の人(大体家族、血族)の為に頑張るおじさんという役柄ばかりになって、少々お気の毒。  1ヶ月前に「MEMORY メモリー」というのを観たばか…
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映画評「近江商人、走る!」

☆☆(4点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・三野龍一 ネタバレあり 経済的な側面から江戸時代を捉えた作品にはなかなか興味深いものが多いので観てみたが。これは僕の映画観からは認めがたい作品である.。梗概の後、その辺りを映画論的に簡単に論じる。 母親を早くに失い父親と一緒に畑仕事をしていた少年・銀次が父親の死を受け…
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映画評「007/ワールド・イズ・ノット・イナフ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1999年イギリス=アメリカ合作映画 監督マイケル・アプテッド ネタバレあり 「007」シリーズ第19作。  前回ブログで取り上げていない007は本作だけと述べたが、次の第20作も取り上げていなかった。訂正してお詫び致します。 MI6の構内でイギリスの石油王(その名もキング)が特殊工作で…
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映画評「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」

☆☆★(5点/10点満点中) 2023年アメリカ=日本合作映画 監督アーロン・ホーバス、マイケル・イェレニック ネタバレあり 遅くなったが2024年第一回鑑賞作品。言わずと知れた、日本製の有名アクション・ゲームの映画化である。 1993年に作られた実写版「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」を観たが、誠に詰まらなかった。この…
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