映画評「658km、陽子の旅」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・熊切和嘉 ネタバレあり 厳しい文芸ムードの醸成に魅力を覚える熊切和嘉監督の手になるロード・ムービー。本作はオリジナル脚本だが、その特徴は見出せる。 24年前に青森から上京して結局夢を実現できずにフリーターにくすぶっている菊地凛子42歳(タイトルの陽子)が、スマホが…
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映画評「ウエスト・サイド・ストーリー」(2021年版)

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2021年アメリカ=カナダ合作映画 監督スティーヴン・スピルバーグ ネタバレあり 1961年のロバート・ワイズ監督=ジェローム・ロビンズ振付版が余りに素晴らしいので、リメイクする必要はないと思うが、古い映画への愛情が強いスティーヴン・スピルバーグとしては抑えがたい気持ちがあったのだろう。  敢…
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映画評「山女」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・福永壮志 ネタバレあり 柳田國男「遠野物語」の挿話に着想を得て新鋭・福永壮志監督が作り上げた時代劇。 18世紀末に東北地方に起きた冷害(つまり天明の大飢饉)が背景で、その為に村中で赤子の間引きが起きている。その汚い処理をするのが、祖父の罪を負わされて田畑も奪われた永…
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映画評「ロストケア」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・前田哲 ネタバレあり 吉永小百合主演「いのちの停車場」では提示だけに終わった安楽死・尊厳死の問題を、ミステリーの形で命題化している。その範囲で、現状全く認められていない日本であるだけに、力作であると言えると思う。折しもALS患者嘱託殺人を行った元医師への判決があったばかり…
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映画評「ワース 命の値段」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2021年アメリカ=イギリス=カナダ合作映画 監督サラ・コランジェロ ネタバレあり 9・11の被害者家族の経済的救済をテーマにした実話もの。日本には3・11絡みで“最後は金目でしょ”と言って謝罪に追い込まれたお坊ちゃん大臣がいたが、この映画の、台詞がある人物にそこまでひどい人間は出て来ない。被害者…
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映画評「ちひろさん」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・今泉力哉 ネタバレあり 安田弘之なる漫画家の同名コミックを、日本のエリック・ロメールこと今泉力哉が映像に映した群像劇である。 元風俗嬢のちひろさんこと本名・古澤綾(有村架純)は、現在お弁当屋さんで店員として働いているが、他人に必要以上に関心を持たず、他人からの関心に…
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画像問題:Who is she/he? No. 27

今月は、映画ファンに大人気のこの男優。当ブログを訪れる映画ファンにもお好きな方がきっと多いでしょう。ですから既に出題しているはずと思ってリストに当たったところ、見当たらなかったので今回の出題と相成りました。 耽美的な作品が多い一方、軍人役もやったりします。  それを合わせたような作品が50年前に評判になりましたね。淀川長…
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映画評「死刑にいたる病」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・白石和爾 ネタバレあり 櫛木理宇の同名サイコ・スリラーを白石和彌が映像化。タイトルは、勿論キルケゴールの哲学書「死に至る病」のパロディーである。 三流大学法学部で鬱屈していた大学生筧雅也(岡田健史)が、24人のハイティーン男女を殺した罪で死刑が確定した死刑囚榛村大和…
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映画評「ウーマン・トーキング 私たちの選択」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年アメリカ映画 監督サラ・ポーリー ネタバレあり 映画監督としてのサラ・ポーリーには「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」の演出ぶりに瞠目させられた。配給会社の人は当時「きみに読む物語」を意識してサブタイトルを加えたのではないかと思うが、ロマンス性の強いかの作品と違って、辛辣な男性批判の色…
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映画評「アダマン号に乗って」

☆☆★(5点/10点満点中) 2023年フランス=日本合作映画 監督ニコラ・フィリベール ネタバレあり 「ぼくの好きな先生」というドキュメンタリーで瞠目したニコラ・フィリベール監督の新作ドキュメンタリー。かの作品の何にびっくりしたのかもはや思い出せないが、当時はドキュメンタリーが今ほど多くなかったこともあるだろうが、先生のある…
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映画評「遺灰は語る」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年イタリア映画 監督パオロ・タヴィアーニ ネタバレあり 兄ヴィットリオを失った後パオロ・タヴィアーニが単独で作った作品。タヴィアーニ兄弟が「カオス・シチリア物語」で取り上げたことのある劇作家ルイジ・ピランデルロの遺灰を狂言回しにして展開する。この映画の面白味と美しさが解れば、大人のハリケー…
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