映画評「理想郷」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年スペイン=フランス合作映画 監督ロドリゴ・ソロゴイェン ネタバレあり 「おもかげ」という、少し舌足らずだが注目すべき児童拉致を主題にした映画を作ったスペインの監督ロドリゴ・ソロゴイェンのサスペンス風ドラマ。不明の家族を探す中年女性の執念が主題になっていく辺りに共通点がある。 フラ…
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映画評「THE WITCH/魔女 -増殖-」

☆☆(4点/10点満点中) 2022年韓国映画 監督パク・フンジョン ネタバレあり 昨日の第1作がそこそこ行けたので期待したが、これはいけません。とりあえずお話。 前作のヒロインだった超人ジャユン(キム・ダミ)に双子の妹がいたという設定で、この名無しの少女(シンシア)がこれまた超人=人工的エスパー=で、 彼女を生み出した…
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映画評「The Witch 魔女」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年韓国映画 監督パク・フンジョン ネタバレあり 韓国のサスペンス映画はWOWOWが大量に放映している。  韓国映画ファンの少ない当ブログでは取り上げても反応はないし、僕は韓国映画が邦画より上などと思ったことはない(平均的に、アイデアは良く馬力はあるが、洗練度で日本映画に劣る)ので避けるこ…
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映画評「処刑遊戯」

☆☆★(5点/10点満点中) 1979年日本映画 監督・村川透 ネタバレあり 松田優作主演の “遊戯” もしくは “鳴海昌平” シリーズの 第3作にして最終作。 監督は一貫して村川透で、脚本はこれが第一作となる丸山昇一。  第2作「殺人遊戯」と似た構図のお話ながら、お笑いは一切なく終始シリアスな本格ハードボイルド・タッチであ…
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映画評「殺人遊戯」

☆☆(4点/10点満点中) 1978年日本映画 監督・村川透 ネタバレあり 村川透監督=松田優作主演の“遊戯”または“鳴海昌平”シリーズ第2弾。  お話としては風呂敷を広げ過ぎた感のある第1作より作品スケールにふさわしい内容になっているが、第1作のめちゃくちゃぶりのほうが映画としては楽しめる。同じようにめちゃくちゃならば寧ろ…
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映画評「最も危険な遊戯」

☆☆★(5点/10点満点中) 1978年日本映画 監督・村川透 ネタバレあり 松田優作の単独主演映画第1作だろうか? 「遊戯」シリーズとして結局3本作られることになる、シリーズ第一弾。昔観た時も大したことないと思ったが、今回もやはり大したことがないと思いつつ、今の品が良いだけで面白味の薄い映画よりは全然楽しめる。  …
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映画評「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2023年アメリカ映画 監督クリストファー・マッカリー ネタバレあり シリーズ第7作。「ハリー・ポッター」で流行り始めたシリーズの中の二部作の最初の一編という扱いの作品である。  タイパなどと言って長い作品を敬遠したがる若者らへの対策なのかもしれないが、当然二本にすることで配収が増える。そして…
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映画評「宇宙探索編集部」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2021年中国映画 監督コン・ダーシャン ネタバレあり かつて長いこと年末にビートたけし企画の番組に、超常現象を信じる派と信じない派がバッティングする番組があった。その中で宇宙人が地球に来訪していると主張する韮澤潤一郎氏と否定派中でも物理学者の大槻義彦教授の対決が、最初から勝負になっていない感はあ…
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映画評「教祖誕生」

☆☆★(5点/10点満点中) 1993年日本映画 監督・天間敏宏 ネタバレあり そう言えばこんな映画があったなあ、と僅かに記憶に残っていた。出演もしているビートたけしの小説の映画化。 帰省の途中若者・萩原聖人が、新興宗教のインチキ奇跡場面に遭遇する。教祖・下條正巳が車椅子に乗った老婦人を治して立たす。観客の想像通り彼女は…
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映画評「午前4時にパリの夜は明ける」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年フランス映画 監督ミカエル・アース ネタバレあり 欧米人特にフランス人は討論好き。フランス映画は、1980年代以降、人間劇でも恋愛映画でも口論が多くて、結果的に面倒臭いという印象を以って終わることが多くなったが、本作の登場人物同士の関係は日本人にも程良く、特に大きな起伏のない話を心地良く…
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映画評「カード・カウンター」

☆☆★(5点/10点満点中) 2021年アメリカ=イギリス=中国=スウェーデン合作映画 監督ポール・シュレイダー ネタバレあり 題名は、カード賭博のブラックジャックで情報を記憶して勝負する人のことで、これをやるインテリ青年が主人公の「ラスベガスをぶっつぶせ」(2008年)を観たことがある。 本作の主人公は、捕虜に対する人…
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映画評「地の果てを行く」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1935年フランス映画 監督ジュリアン・デュヴィヴィエ ネタバレあり 戦前のフランス映画人は自国の植民地がある北アフリカにエキゾチズムとノスタルジーを求め、色々と秀作を作った。中でもジュリアン・デュヴィヴィエは好みであったようで、一番の代表作となる「望郷」(1936年)と本作を作っている。「望郷…
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映画評「野性の叫び」(1935年版)

☆☆☆(6点/10点満点中) 1935年アメリカ映画 監督ウィリアム・A・ウェルマン ネタバレあり ジャック・ロンドンの人気作 Call of the Wild は日本では「野性の叫び」もしくは「荒野の呼び声」として紹介され、映画版ではこの作と1972年版が「野性の叫び」、TV映画の幾つかか「荒野の呼び声」として紹介されている…
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映画評「春の珍事」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1949年アメリカ映画 監督ロイド・ベーコン ネタバレあり 梶原一騎は「巨人の星」の大リーグボール3号を考える時この映画をヒントにしたのではないか。という以前に、投手であれば皆こんなボールを考えようか。プライムビデオにて再鑑賞。 木に害虫を寄せ付けない薬剤を悪戦苦闘して開発中の化学講師レイ…
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映画評「乱れからくり」

☆☆(4点/10点満点中) 1979年日本映画 監督・児玉進 ネタバレあり 東宝としては市川崑監督=石坂浩二の金田一耕助シリーズ(角川映画として始まった)の成功に気を良くして、と言うか、柳の下の泥鰌を狙って作ったのではないかと想像される本格ミステリー。  泡坂妻夫の本格推理小説の映画化である。時代劇畑の児玉進を監督に担ぎ出し…
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映画評「リバー、流れないでよ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・山口淳太 ネタバレあり 時間SFを得意とするヨーロッパ企画はあれやこれや色々アイデアを捻出、興味の尽きない作品を作り出して、いつも僕を感心させる。 京都、貴船神社に近い旅館 “ふじや” の関係者と宿泊客が2分間のタイムループに入ってしまう。 2分間というのは前…
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映画評「グランツーリスモ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年アメリカ=日本合作映画 監督ニール・ブロンキャンプ ネタバレあり 僕はコンピューター・ゲームの類は、初期のインベーダー・ゲームも含めて、一切やった事がないので、全く解らない世界なのだが、実際に極めて近い感覚で車を操縦する形のゲームにグランツーリスモなるシミュレーション・ゲームがあるらし…
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映画評「胸に輝く星」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1957年アメリカ映画 監督アンソニー・マン ネタバレあり ブログでこのアンソニー・マンの秀作西部劇を取り上げたことはないが、梗概は書いたことがある。ミステリーでしょう?  どういうことか、と言えば、日活アクション「早射ち野郎」(1961年)というのが本作の90%がところをパクった作品で、その…
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映画評「優作について私が知っている二、三の事柄」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・崔洋一 ネタバレあり この題名は、ジャン=リュック・ゴダールの「彼女について私が知っている二、三の事柄」をなぞって恐らく崔洋一監督が自ら付けたものだろう。彼も映画好きだな。 この題名における “私” は、本ドキュメンタリーにインタビュアー(崔)/インタビュイーとして…
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映画評「SOUL RED 松田優作」 

☆☆★(5点/10点満点中) 2009年日本映画 監督・御法川修 ネタバレあり 1989年ハリウッド映画「ブラック・レイン」が公開されて大いに話題になって大して時間も経たないうちに、松田優作の訃報が届いて、吃驚した。9年前のジョン・レノンほどではないにしても信じられない思いがした。 15年前に生誕60周年、逝去20年とい…
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