映画評「栄光のランナー/ベルリン1936」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2015年アメリカ=イギリス=ドイツ=カナダ=フランス合作映画 監督スティーヴン・ホプキンズ ネタバレあり 小学校に上がる前にあった1964年の東京オリンピックは記憶がないが、68年のメキシコは多少憶えている部分があり、ここから僕のオリンピック狂が始まる。  2020年(実施は21年)のオリン…
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映画評「市子」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・戸田彬弘 ネタバレあり 演劇でも映画でも活躍しているらしい戸田彬弘が自作の戯曲を映画化した作品。 同棲中の恋人・長谷川(若葉竜也)から求婚された市子(杉咲花)は、嬉しそうに反応するものの、その後すぐに家を出て行方をくらます。捜索願いのせいか、自らの捜査の為か、彼の…
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映画評「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」

☆☆★(5点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・武内英樹 ネタバレあり 河崎実監督の作る映画並みのくだらなさながら、スケールだけはメジャー映画らしさを発揮していた前作は、時代を超えた無茶な設定に一応興味をそそられた。  続編だから二番煎じになってつまらなくなっているであろうと予想して観始めたが、主な舞台を滋賀県を中心…
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映画評「カラオケ行こ!」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2024年日本映画 監督・山下敦弘 ネタバレあり 和山やまという漫画家の手になるコミックを山下敦弘が映画化した青春映画である。 中学の合唱部部長をしている3年生男児・岡聡実(齋藤潤)が、ヤクザの若頭補佐成田狂児(綾野剛)にカラオケを教授することになる。組長が誕生日のカラオケ大会に最下位と見な…
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映画評「南風」(1933年)

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1933年アメリカ映画 監督キング・ヴィダー ネタバレあり 「南風」という題名の映画は3本の邦画(一つは台湾との合作)があるが、いずれとも関係がない。 本作は、現在の日本で全く無名に近く、戦前の映画に少なからぬ興味を持つ僕もさほど関心を持っていなかったくらい。最近プライムビデオにあることを…
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映画評「スイート・マイホーム」

☆☆★(5点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・齊藤工 ネタバレあり 神津凛子のサスペンス小説を、先日観た「シン・仮面ライダー」にも出演していた男優齊藤工が映像に移した作品。  「スイート・マイホーム」というのは英語ではありえないが、日本語ではマイホームが一語となっているので成り立つ。マイホームの間に・を入れて台無し…
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映画評「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」

☆☆★(5点/10点満点中) 2023年イギリス=アメリカ合作映画 監督ポール・キング ネタバレあり 「シックス・センス」以降10年間くらいサスペンス映画の画面が信じられない時代が続いたが、現在はアカデミー賞の雇用機会均等宣言以来顕著になったオーパーツ的配役(今から思うと、とりわけ英国の映画やTVにおいて、実際にはそれ以前から…
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映画評「夢のチョコレート工場」

☆☆★(5点/10点満点中) 1971年イギリス=アメリカ合作映画 監督メル・スチュワート ネタバレあり ロアルド・ダールの児童文学「チョコレート工場の秘密」の最初の映画化。日本劇場未公開作。 原作が Charlie and the Chocolate Factory なのに対し、こちらは Willy Wonka and…
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映画評「PERFECT DAYS」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2023年ドイツ=日本合作映画 監督ヴィム・ヴェンダース ネタバレあり ヴィム・ヴェンダースの新作は、日本語以外の台詞が一か所以外に出てこない、日本との合作映画。【キネマ旬報】は日本映画扱いをして、ベスト選出では日本映画の第2位になった。 ヴェンダースの小津安二郎マニアぶりは有名だが、スケ…
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映画評「ブルックリンでオペラを」

☆☆★(5点/10点満点中) 2023年アメリカ映画 監督レベッカ・ミラー ネタバレあり 現在の欧米映画は、就業機会均等の名目の下に異なる人種・民族起用を前提に話をこしらえるから妙につまらないものばかりとなる。  それでも、現在を描く映画では、その為に白人役に有色人種を使ったり(鑑賞者全員がその事実を理解できれば問題ないがそ…
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映画評「水は海に向かって流れる」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・前田哲 ネタバレあり 純真そのものだった「海街diary」の頃と違って、最近の日本映画界は、広瀬すずを豪放でつかみどころのない妙齢美人というキャラクターに固定しつつあるように思う。この間観た「キリエのうた」は正にそのもので、本作は寧ろクール・ビューティーだが何をしでかすか…
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映画評「砂漠の生霊」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1929年アメリカ映画 監督ウィリアム・ワイラー ネタバレあり ピーター・B・カインの小説「三人の名付親」は映画界でもてはやされた。  サイレント時代に2度映画化された後、初のトーキー版としてウィリアム・ワイラー監督による本作が出た。ジョン・フォードが1948年に発表した同名作がよく知られて…
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映画評「ヴァージニアン」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1929年アメリカ映画 監督ヴィクター・フレミング ネタバレあり 学生時代にTVで観て大いに気に入った「落日の決闘」(1946年)は、この「ヴァージニアン」のリメイクである。というよりオーウェン・ウィスターの人気小説の3度目の映画化が本作であり、4度目が「落日の決闘」であったという次第。  …
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映画評「シン・仮面ライダー」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・庵野秀明 ネタバレあり 「ヱヴァンゲリオン」でお馴染み庵野秀明が絡む「シン」の付くかつての特撮もののニューバージョン・シリーズは僕となかなか相性が良い。  というのも、「ヱヴァンゲリオン」はまるで観たことがない(ブログを始めて日の浅い頃、あるサイトが炎上してつぶされてし…
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映画評「美と殺戮のすべて」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2022年アメリカ映画 監督ローラ・ポイトラス ネタバレあり ナン・ゴールディンという女性写真家の半生と、彼女が創設したP.A.I.N.(苦痛という意味になる)というオキシコンチンという鎮痛剤による薬害に関する活動とを捉える二層構造のドキュメンタリーである。 二層構造ではあるが、彼女が写真…
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映画評「人間の境界」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2023年ポーランド=アメリカ=チェコ=フランス=ベルギー=ドイツ=トルコ合作映画 監督アグニェシュカ・ホランド ネタバレあり ロシアによるウクライナ侵略が始まった頃、ベラルーシがEUを混乱させようとポーランドへ難民を送り込む親切ごかし政策が一部で話題になっていた。それをテーマにアグニェシュカ・…
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映画評「熊は、いない」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年イラン映画 監督ジャファル・パナヒ ネタバレあり イランの映画監督ジャファル・パナヒはメタフィクションの監督である。「人生タクシー」「ある女優の不在」のどちらもメタフィクションの傑作で、続く本作はもっと手が込んでいる。 しかし、監督がメタフィクションを作るのは、ドラマ映画作りをイ…
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映画評「蟻の王」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年イタリア映画 監督ジャンニ・アメリオ ネタバレあり 同性愛が精神病とされていた半世紀以上前にイタリアに実際にあった裁判を基にした実話ものの類である。 詩人で劇作家であるアルド・ブライバンディ(ルイジ・ロ・カーショ)が、詩や劇を研究する芸術サークルを創設し、そこには男女を問わず、若…
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映画評「サントメール ある被告」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年フランス映画 監督アリス・ディオップ ネタバレあり セネガル系フランス女性監督アリス・ディオップが作った長編劇映画第1作とのこと。 若い女性作家カイジ・カガメが、15か月の娘を殺した罪で訴えられたセネガル出身の女性グスラジ・マランダの審議の傍聴人となる。夫への怒りの余り息子二人を殺…
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映画評「ヌードの映画史~黎明期から現代へ~」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年アメリカ映画 監督ダニー・ウルフ ネタバレあり 映画鑑賞が趣味になってから暫くして、アメリカ映画にはヌードが出てこず、欧州映画や日本映画に見られる事実に気づいた。  僕が映画を観始めた1970年頃に出て来るアメリカ映画は1965年より前の映画が多く、従ってハリウッドの自主的な映画倫理規…
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