映画評「二つの顔」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1947年フランス映画 監督ジャン・ドレヴィル ネタバレあり フランス演劇・映画界の名優ルイ・ジューヴェが一人五役を演じ、同時に二人一役を演じる着想の面白い映画である。どういうことかって? 以下の梗概を読むべし。 イスモラ(ジューヴェ)は人気の肖像写真家であると同時に詐欺団のボスとして活躍中…
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映画評「真夜中まで」(1949年)

☆☆☆(6点/10点満点中) 1949年フランス映画 監督アンリ・ドコワン ネタバレあり 戦前の「暁に帰る」で知る人が多いにちがいないアンリ・ドコワンが1949年に作った刑事映画で、始まりがメタフィクション的に洒落ている。  本作のカレル刑事に扮するルイ・ジューヴェが少し前に出た「二つの顔」(明日アップ予定)に触れ、「チャッ…
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映画評「貴公子」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2023年韓国映画 監督パク・フンジョン ネタバレあり 韓国製犯罪アクション。 韓国人とフィリピン人の混血をコピノと言うらしい。そういう言葉が出来るくらいだからそれなりの人口を成しているということだろう。 フィリピン。コピノの青年カン・テジュは難病の母親の為に地下ボクサーとして闘ってい…
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映画評「花の降る午後」

☆☆★(5点/10点満点中) 1989年日本映画 監督・大森一樹 ネタバレあり 神戸淡路大震災30年ということでWOWOWが小特集を組んだ神戸を舞台にしたドラマ。先日の「べっぴんの町」も1989年製作なのでどういう偶然かと思ったら、神戸市制100年を記念してこの年に作られた由。 当初余り観る気がなかったのだが、大森一樹が…
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映画評「十角館の殺人」

☆☆★(5点/10点満点中) 2024年日本映画 監督・内片輝 ネタバレあり 日本のミステリー小説の中で非常に評判が良い綾辻行人のデビュー作「十角館の殺人」は昨年12月に読んだばかり。  その時ネットに当たるうちに日本テレビが年末年始に実写ドラマ化(ミニ・シリーズ)版を放映すると聞いたので忘れないように頭に叩き込んだ。 …
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映画評「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」

☆☆★(5点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・成田洋一 ネタバレあり 近年日本のマスメディア(映画に限らないということ)は非常にタイムスリップものが好きで、毎年1本くらいタイムスリップ/タイムリープものが観られる。  言葉にうるさい僕は、このところ、どの時代に行ってもコミュニケーションがすぐに取れてしまうバカバカし…
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映画評「ドライブアウェイ・ドールズ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2024年アメリカ=イギリス合作映画 監督イーサン・コーエン ネタバレあり コーエン兄弟のイーサン・コーエンが単独で作ったロードムービー風変則犯罪映画。 1999年。レズビアンを公表して憚らないマーガレット・クォーリーとジェラルディン・ヴィスワナタンが、マーガレットの同性愛の恋人で警官をする…
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映画評「ボブ・マーリー:ONE LOVE」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2024年アメリカ映画 監督レイナルド・マーカス・グリーン ネタバレあり 1974年エリック・クラプトンの「アイ・ショット・ザ・シェリフ」を聞いてレゲエなるジャンルを知り、さらにそのオリジナルを演奏したのがボブ・マーリーというジャマイカのアーティストと知った。  この頃から日本全体としてもレゲエ…
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映画評「べっぴんの町」

☆☆★(5点/10点満点中) 1989年日本映画 監督・原隆仁 ネタバレあり 原作者の軒上泊なる作家も、監督の原隆仁も知らないと思ったが、監督は忘れただけだった。  原監督は森田芳光監督の下で2本助監督をやり、森田監督からみの「バカヤロー! 私、怒ってます」で映画監督デビューしたらしい。TV「あぶない刑事」シリーズが代表作ら…
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映画評「山の郵便配達」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1999年中国映画 監督フォ・ジェンティ ネタバレあり 23年ぶりの再鑑賞。 郵便配達を主題にした作品も幾つか思い出されるが、断然の秀作たるは「イル・ポスティーノ」(1994年)と本作だ。わが姻族に重慶市に生れた少数民族トゥチャ(土家)族の女性がいるのだが、重慶より南に位置する湖南省山岳地…
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映画評「アパッチ砦」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1948年アメリカ映画 監督ジョン・フォード ネタバレあり 昨日米軍とタリバンの攻防を綴った実録風アクション「コヴェナント/約束の救出」を見てカスター将軍の出て来る西部劇を思い出し、今月は大不調のWOWOWを尻目に、ジョン・フォードのこの騎兵隊ものを観る(3回目の鑑賞)ことにした。 カスタ…
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映画評「コヴェナント/約束の救出」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2023年イギリス=アメリカ=スペイン合作映画 監督ガイ・リッチー ネタバレあり 時間軸を操作しないと面白いものを作れないと思っていたガイ・リッチーが直線型で面白いものを作った。アメリカのアフガニスタン戦略最後の時期のお話で、大体実話らしい。 2018年、大人しくなっていたと思われたタリバ…
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映画評「首」(2023年)

☆☆☆(6点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・北野武 ネタバレあり 北野武監督の戦国時代劇。合戦場面だけを見ていれば黒澤明みたいだが、予想と違ってコミカルに過ぎ、ご挨拶に困るタイプの映画だ。 傍若無人というより “暴虐無尽” という感じの織田信長(加瀬亮)の跡目を争っているのが、徳川家康(小林薫)と明智光秀(西…
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映画評「死せる恋人に捧ぐる悲歌」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1948年イギリス映画 監督ベイジル・ディアデン ネタバレあり プライムビデオにて初鑑賞もしくは再鑑賞。  1万数千本の鑑賞作品のほぼ全てを投票していた IMDb のマイ・リストへのアクセスが1か月前から不可能になってしまい、鑑賞済みか否か解らない。内容に記憶がないところを見ると初見と思うが、…
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映画評「ベッスリアの女王」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1914年アメリカ映画 監督D・W・グリフィス ネタバレあり D・W・グリフィスが旧約聖書外典を基にユダヤの女丈夫ユディットを主人公に作り上げた長編第1作。  長編と言っても現在なら中編に当たる50分(IMDbのデータでは61分だが、これは公開当時のものだろう。サイレント映画の公開当時のデータは…
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映画評「カビリア」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1914年イタリア映画 監督ジョヴァンニ・パストローネ ネタバレあり 20年程前にある人が“私は(いかに名作と言われようと)世評を考慮せずに映画を観て評価する”と言った。それは当然のことである一方、映画(音楽も同じ)の進歩を全く考慮せずに昔の名作群を評価すると不当な低評価になりかねず、やはりあ…
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映画評「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2019年カナダ=アメリカ合作映画 監督ダニエル・ロアー ネタバレあり 大学生になりたての頃初めて買ったザ・バンドのアルバムは、『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』(1968年)である。  音楽好きの間で評判が良かったからだが、ビートルズとほぼ同世代の平均年齢26歳の若者たちがやっている音…
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映画評「映画版 変な家」

☆☆(4点/10点満点中) 2024年日本映画 監督・石川淳一 ネタバレあり このタイトルの書籍が新聞の書籍売れ行きランキングで上位に入っていたのには気付いていたが、他のメディアに関しては全く知らない。映画作者は、この映画版は小説から続くものである旨述べている。 個人的な話をすると、最初の家の間取りを見て、子供部屋が真ん…
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一年遅れのベスト10~2024年私的ベスト10発表~

 群馬の山奥に住み、持病もあり、WOWOWを中心にした映画鑑賞生活ですので、僕の2024年私的ベスト10は皆様の2023年にほぼ相当する計算でございます。  スタンスとして初鑑賞なら新旧問わず何でも入れることにしていますが、昨年☆☆☆☆(8点/10点満点中)以上を進呈した作品は34本(2023年は24本)で、そのうちドキュメンタリ…
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映画評「ライド・オン」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2023年香港=中国合作映画 監督ラリー・ヤン ネタバレあり 近年のジャッキー・チェン主演作は愚作が多くてがっかりの連続だったが、これは欠点はあるものの、そう悪くない。 友人の借金のカタとして愛馬チートゥを奪われそうになっている元スタントマンのチェンが、妻と離婚して幼い時に別れ疎遠となってい…
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