映画評「舞姫」
☆☆★(5点/10点満点中)
1951年日本映画 監督・成瀬巳喜男
ネタバレあり
「舞姫」と言っても森鴎外ではなく川端康成の同名小説を成瀬巳喜男が映像化したドラマだが、余り感心できず。
バレエ学校を経営している妻・高峰三枝子は、名門であった同家の書生だった過去に引け目を感じる夫・山村聡と険悪な関係になり、20年前結婚できなかった昔の恋人・二本柳寛に惹かれていく。
成瀬が得意とする分野であるが、全体的にメロドラマ的な扱いで、夫の心理が描き足りない恨みがある。それが、最後に彼女が元恋人に走るのを止めて夫の許に戻る幕切れが浮いてしまうという結果に繋がっている。
細かい点では文字通り意味のない捨てカットが目立つ。例えば、波の寄せる海辺などであるが、ヒロインの気分を象徴しているとしても、小津安二郎の廊下のように観客側に特殊な心理を引き起こす効果は殆どない。
出演陣では高峰は奮闘しているが、印象に残るのは彼女の娘に扮するこれがデビュー作となる岡田茉莉子である。日本人離れした容貌で彼女の出演している場面だけが洋画を観ているような気分になる。
1951年日本映画 監督・成瀬巳喜男
ネタバレあり
「舞姫」と言っても森鴎外ではなく川端康成の同名小説を成瀬巳喜男が映像化したドラマだが、余り感心できず。
バレエ学校を経営している妻・高峰三枝子は、名門であった同家の書生だった過去に引け目を感じる夫・山村聡と険悪な関係になり、20年前結婚できなかった昔の恋人・二本柳寛に惹かれていく。
成瀬が得意とする分野であるが、全体的にメロドラマ的な扱いで、夫の心理が描き足りない恨みがある。それが、最後に彼女が元恋人に走るのを止めて夫の許に戻る幕切れが浮いてしまうという結果に繋がっている。
細かい点では文字通り意味のない捨てカットが目立つ。例えば、波の寄せる海辺などであるが、ヒロインの気分を象徴しているとしても、小津安二郎の廊下のように観客側に特殊な心理を引き起こす効果は殆どない。
出演陣では高峰は奮闘しているが、印象に残るのは彼女の娘に扮するこれがデビュー作となる岡田茉莉子である。日本人離れした容貌で彼女の出演している場面だけが洋画を観ているような気分になる。
この記事へのコメント
体調が今一つの折に、わざわざ恐縮です。
街は暗かったですが、人々は概して明るい心を持っていたのもあの時代。今は成人男性でも一人で歩くのは大変危険な時代になってしまいました。
日本人は一時期の誤ちを別にすると平和的な民族だと思いますが、最近の人心の荒みはひどいものですね。
大道芸観覧レポートという写真ブログをつくっています。
岡田茉莉子さんが出ている昔の広告についても
とりあげています。
よかったら、寄ってみてください。
http://blogs.yahoo.co.jp/kemukemu23611
伺ってきました。
>岡田茉莉子
若い! いつ見てもかなりバタ臭いお顔ですよね。