映画評「キル・ビルVol.2」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2004年アメリカ映画 監督クェンティン・タランティーノ
ネタバレあり
元々一つの作だったと言われるヒット作の続編。
復讐譚の続きが語られるわけだが、前作では姿を出さなかったビルが遂に登場する。演ずるのはデーヴィッド・キャラディーン。70年代に西部劇とカンフーの合体と言って良い「燃えよカンフー」というTVシリーズに出演しているので、このシリーズに招聘ということになったのであろう。
実は彼はユーマ・サーマンの師匠であり子供の父親であるということが次第に判明するのだが、そのせいで終盤若干不具合が生じる。
彼女が彼の紹介でカンフーの達人に弟子入りする場面が最も面白い。香港のカンフー映画そのもののカメラワークを駆使しているからである。思わずにやにやしてしまう。それ以外は一部ハリウッドの古いB級モノクロ映画的な場面を除くと、全般的にマカロニ・ウェスタン・タッチだが、香港のカンフー映画はマカロニ・ウェスタンの影響が大と考える僕にはどちらでも良い。
さて、退屈せずに最終章までたどり着くが、二人がフェイス・トゥ・フェイス、つまりさしで勝負することになる終章は余り面白くない。観念的な台詞が多すぎて退屈であることと、自らの子供が寝ている傍で両親が相交えるなど、絵空事とは言え、落ち着いて観ていられないからである。ビルが彼女を襲った理由も弱い。尤もそれ自体がB級映画的な狙いと言って良いのだろうが。
前回同様最後に流れる梶芽衣子の「恨み節」が懐かしくて思わず口ずさむ。
2004年アメリカ映画 監督クェンティン・タランティーノ
ネタバレあり
元々一つの作だったと言われるヒット作の続編。
復讐譚の続きが語られるわけだが、前作では姿を出さなかったビルが遂に登場する。演ずるのはデーヴィッド・キャラディーン。70年代に西部劇とカンフーの合体と言って良い「燃えよカンフー」というTVシリーズに出演しているので、このシリーズに招聘ということになったのであろう。
実は彼はユーマ・サーマンの師匠であり子供の父親であるということが次第に判明するのだが、そのせいで終盤若干不具合が生じる。
彼女が彼の紹介でカンフーの達人に弟子入りする場面が最も面白い。香港のカンフー映画そのもののカメラワークを駆使しているからである。思わずにやにやしてしまう。それ以外は一部ハリウッドの古いB級モノクロ映画的な場面を除くと、全般的にマカロニ・ウェスタン・タッチだが、香港のカンフー映画はマカロニ・ウェスタンの影響が大と考える僕にはどちらでも良い。
さて、退屈せずに最終章までたどり着くが、二人がフェイス・トゥ・フェイス、つまりさしで勝負することになる終章は余り面白くない。観念的な台詞が多すぎて退屈であることと、自らの子供が寝ている傍で両親が相交えるなど、絵空事とは言え、落ち着いて観ていられないからである。ビルが彼女を襲った理由も弱い。尤もそれ自体がB級映画的な狙いと言って良いのだろうが。
前回同様最後に流れる梶芽衣子の「恨み節」が懐かしくて思わず口ずさむ。
この記事へのコメント
最後のザ・ブライドとビルの対決が間延びしてたように思います。
Vol.1の最後の殺陣はなかなか見事で、仰るようにこちらの対決はそれほど切れがなかったですね。私などは、タランティーノの悪い癖である、その前の哲学的な会話で退屈してしまいましたが。
その一方で、Vol.1はグロ度が強くて辟易する部分がありました。
Vol.2のほうが総じて評価が低いですが、私はトータルでほぼ同じくらいという評価にしました。映画には面白さだけでは割り切れないところもありますから。