映画評「間諜最後の日」

☆☆☆(6点/10点満点中)
1936年イギリス映画 監督アルフレッド・ヒッチコック
ネタバレあり

アルフレッド・ヒッチコック長編第19作。
 「三十九夜」直後「バルカン超特急」の三作前の作品としては凡庸に写る作品だが、たまには息が抜ける作品も良い。原作は英国の文豪サマセット・モームの小説「アシェンデ」で、その舞台劇化の直接の映画化が本作である。勿論再鑑賞。

死んだことにされてスパイ活動をする羽目になった軍人ジョン・ギールグッドが、マデリーン・キャロルを妻とする家庭人を装ってドイツ軍の野望を打ち砕く為にオーストリアに向かうのだが、最後の列車脱線などの場面を別にすると、ロマンスに力を注いだ感が強い。後年の「スミス夫妻」みたいなものである。

情報を得る為に教会に入るとパイプ・オルガンが響き続けていて近づくと人がオルガンに倒れかかっている、といった場面や、工場を逃げ回る場面などにヒッチらしい切れ味と面白味が見出せるが、全体としてはゆっくりと楽しみましょうといった印象に留まる。仮にこれで初めてヒッチコックを経験したらちょっとがっかりするかもしれない。

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  • 「間諜最後の日」

    Excerpt: 「間諜最後の日」(Secret Agent) 1936年イギリス 監督 アルフレッド・ヒッチコック 出演 ジョン・ギールグッド    マデリン・キャロル     あらすじ  第一次世界大戦の最中、敵ス.. Weblog: 私が観た映画 racked: 2006-04-13 16:39