映画評「25時」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2002年アメリカ映画 監督スパイク・リー
ネタバレあり

スパイク・リーは昔から苦手な監督で、それは今も変わらないが、テーマが黒人から離れより普遍的に人間を見つめる姿勢に変わりつつあるようで幾分親しめるようになった。

麻薬の密売屋エドワード・ノートンは、誰かの密告で自宅に踏み込まれて逮捕され、収監の一日前幼馴染の親友で高校教師フィリップ・シーモア・ホフマンと株ブローカーのバリー・ペッパーと3人で最後の夜を過ごすことにする。そこへホフマンの教え子アナ・パキンも飛び入り参加するが、彼はその間にロシア系マフィアとの清算をせねばならない。ここで密告者が恋人ロザリオ・ドースンではなく相棒だったことを知る。服役に備えハンサムな顔を親友に殴らせ、恋人に謝罪した後、父親が彼を刑務所に届ける・・・と思っていると、遥か遠くの西部へ送っていくのである。

現実的な登場人物が写実的に描かれ、犬の扱いなどもうまいが、やはり親しみにくいところはある。しかし、この作品を作る時に監督がノートンに見せたという「波止場」の味がどこかに漂い、そう思って思い起こすとしっかり胸に刻み込まれる作品であることに気づく。

この記事へのコメント

ぶーすか
2006年04月04日 23:43
公開当時、劇場でも観ましたが、テレビ放送で観ましたのでTBさせて下さい。
<この作品を作る時に監督がノートンに見せたという「波止場」
そうだったんですか。でも「波止場」、アカデミー作品賞、マーロン・ブランドも主演男優賞を取った作品なのに未見なんです(>.<)!
でもあのラストは2通りの解釈ができますよね?私は夢は夢で、現実はやっぱり刑務所…と思ったんですが…。
オカピー
2006年04月05日 13:37
ぶーすかさん
最後は両義的で、二つの解釈ができますね。夢と見なしたほうが道徳的に後味は良くなりますから、もしかしたらそうかもしれません。どこかにヒントがあるかも。

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