映画評「真田風雲録」

☆☆★(5点/10点満点中)
1961年日本映画 監督・加藤泰
ネタバレあり

「狸御殿」「鴛鴦歌合戦」など、戦前から日本には時代劇ミュージカルがあってそれなりの面白さがあったのだが、これはそうした伝統の復活というよりは、福田善之の舞台劇の映画化である。

1610年代の徳川初期の物語で、猿飛佐助や霧隠才蔵など真田十勇士がカラフルの映像の中に縦横無尽に活躍する。中村錦之助演ずる佐助が他人の心が読める超能力の持ち主でSF的な要素も幾分かあり、ギャグの要素は40年前の作品としては現在に通ずるセンスの良さを感じさせる。才蔵が女性(渡辺美佐子)なのも面白い。
 が、物語そのものが大して面白くないのが致命的。加藤泰の演出も内容に比して重い。

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