映画評「二人の武蔵」

☆☆(4点/10点満点中)
1960年日本映画 監督・渡辺邦男
ネタバレあり

宮本武蔵が二人いたという発想の下で展開する時代劇で、一乗寺の決闘から巌流島の決闘までを描く。長谷川一夫扮する武蔵が本来の武蔵像で、市川雷蔵の武蔵は人間的には未熟ながらも腕は立つ、という設定である。

一乗寺の決闘では二人が分担するような形で大勢の敵に勝つといった具合に二人という設定が生きているのだが、この設定が従来知られたストーリーに面白く機能する場面は他に見られないのが残念。

雷蔵の武蔵が師匠である唐人を佐々木小次郎(勝新太郎)に殺されるがもう一人の武蔵に殺されたと思い込んで危うく決闘になるといった【なくもがな】の挿話をでっち上げるしかなかったらしい。一種のパロディーなのだから従来知られた物語を巧みに編みこんで戴きたかったものである。

原作は五味康祐。

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