映画評「マトリックス・リローデッド」
☆☆★(5点/10点満点中)
2003年アメリカ映画 監督アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー
ネタバレあり
「マトリックス」は妙なワイアー・アクションが印象に残るだけの平凡な作品だったが、それでも2回見たら多少の面白さが発見できたような気がする。東洋的な輪廻観を反映させている一種のバーチャル・リアリティー映画で、未完成の魅力というものがどこか漂っていたのである。しかし、この続編はその魅力すらなくなった。理由は後述する。
現実が仮想現実であったことが判明する意外性の後は、それを知る限られた人間で作られた2199年のザイオンというコミュニティーが、コンピューターの中に存在するあらゆるドアにアクセスできる鍵を持つキーメイカーと呼ばれる老人を巡って、前作で消えたはずのエージェント・スミス(ヒューゴー・ウィーヴィング)らコンピューターが派遣する戦士たちと激しい戦闘を繰り広げる。
勿論その中核を担うのはネオ(キアヌー・リーヴズ)だが、後半のハイライトとも言うべき現在のハイウェイでの猛烈なカーアクションには絡んでこない。ここでの主役はトリニティ(キャリー=アン・モス)で、彼女がキーメイカーを後ろに乗せてバイクで激走するのだが、延々と続き次第にもたれてくる。かなりVFX処理はされていると見たが、自然な感触は残るのは一定の評価をしていい。
しかし、それ以外の格闘場面は余りにも散文的で、前作の神秘的な展開はどこへやら、【幽霊の正体見たり枯尾花】といった気分になる。間もなく第3部の「レボリューションズ」が見られるはずだが、どうなることやら(初鑑賞時のコメントで変な具合になっていますが、悪しからず)。
2003年アメリカ映画 監督アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー
ネタバレあり
「マトリックス」は妙なワイアー・アクションが印象に残るだけの平凡な作品だったが、それでも2回見たら多少の面白さが発見できたような気がする。東洋的な輪廻観を反映させている一種のバーチャル・リアリティー映画で、未完成の魅力というものがどこか漂っていたのである。しかし、この続編はその魅力すらなくなった。理由は後述する。
現実が仮想現実であったことが判明する意外性の後は、それを知る限られた人間で作られた2199年のザイオンというコミュニティーが、コンピューターの中に存在するあらゆるドアにアクセスできる鍵を持つキーメイカーと呼ばれる老人を巡って、前作で消えたはずのエージェント・スミス(ヒューゴー・ウィーヴィング)らコンピューターが派遣する戦士たちと激しい戦闘を繰り広げる。
勿論その中核を担うのはネオ(キアヌー・リーヴズ)だが、後半のハイライトとも言うべき現在のハイウェイでの猛烈なカーアクションには絡んでこない。ここでの主役はトリニティ(キャリー=アン・モス)で、彼女がキーメイカーを後ろに乗せてバイクで激走するのだが、延々と続き次第にもたれてくる。かなりVFX処理はされていると見たが、自然な感触は残るのは一定の評価をしていい。
しかし、それ以外の格闘場面は余りにも散文的で、前作の神秘的な展開はどこへやら、【幽霊の正体見たり枯尾花】といった気分になる。間もなく第3部の「レボリューションズ」が見られるはずだが、どうなることやら(初鑑賞時のコメントで変な具合になっていますが、悪しからず)。
この記事へのコメント
さて、本題ですが、正直な話、マトリックスでの驚愕はリローデッドでは得られることがなく、とても残念でした。
ハイウェイでのバイク逆走シーンは本当に逆走させているので迫力満点!バイク乗りなので心が躍ってしまいました(笑)
キーメイカーのキャラが個人的には味があって好きですが、増殖していくスミスに「分身の術だぁ!」と大笑いもしてしまいました^_^;
「風に吹かれて」の管理人さんですね。
そうですね、逆説的な言い方になってしまいますが、「リローデッド」を観ると、さほど感心しなかった第1作が傑作に思えてきました。
また、おいでください。
うっかりしておりました。
確かに、リローデッドを見た後では、マトリックスが素晴しいものに見えてきます(笑)
風に吹かれて-Blowin' in the Wind-
http://www.doblog.com/weblog/myblog/6480
現実と思っていたことが現実ではなかった、という仮想現実ものの中では変わった発想が面白いわけですが、ワイヤー・アクションはこの作品より10年以上も前に香港映画で大々的に取り込まれていましたし、あの銃弾の場面だけでは今はともかく後世見た場合に弱いな、と思ったのですが、続編二つを観ると第一作が随分面白いように感じられます。