映画評「マッハ!」

☆☆★(5点/10点満点中)
2003年タイ映画 監督プラチャヤー・ピンケーオ
ネタバレあり

CGは勿論スタントマンも使っていないという宣伝で評判になった話題のタイ映画だが、お話のほうはブルース・リー時代の香港映画なみ、即ち、1920年代の日本映画なみと言うしかない。単純な話は好きだが、単細胞ではいけない。

田舎の村から霊験あらたかな仏像の首が盗まれ、村の有志である若者トニー・ジャーが密輸団の巣食っている首都バンコクへ赴き、村の出身者である男と協力して奪還する。
 というお話は単純というより他愛なく、大した工夫もない。

町の中での一連のアクションはジャッキー・チェン映画の影響が大きい。
 金を稼ぐ為に若者がムエタイで次々と敵を倒し、そこで賭け金をたんまりと取られるのがそこを仕切っている密輸団のボスという構図で、連戦が暫く続く。アクション・ファンにはたまらないだろうが、当方はそれほど我慢強くなく眠気に襲われてくる。
 最後の場面は山に彫られた仏像を盗もうとしている現場で展開、なかなか派手である。

総括すればブルース・リー映画のアウトラインでジャッキー・チェンがアクションを繰り広げた印象。彼らもアクションには基本的には(若い時には)特撮もスタントも使っていない。少なくとも32年前「燃えよドラゴン」を初めて観てカンフー映画なるものに触れた時は思わず笑ってしまうほど驚いたものである。

この記事へのコメント

ronin
2005年11月21日 16:35
おっしゃる、とおり燃えよドラゴンと比較するとスケールも小さくて・・・と思いますが、私はこの映画がタイ映画であることが大切だと思っています。私にとって、いや殆どの日本人にはタイはそれほど馴染みのある国ではないですから、どのような生活スタイルなのかなんかの雰囲気をつかむにかよかったと思います。最近なら冬ソナ以来、韓国文化に触れることが多くなってきていますが、タイも同じなんだぁって思ったシーンもありました。

この映画と関係ないですが、今週か来週ぐらいに
イン・トゥ・ザ・サン
ミスター・アンド・ミセス・スミス
のレビューができればと思っています。
イン・トゥ・ザ・サンには私の好きな栗山千明(キル・ビル)が出てますからルンルンです。
2005年11月21日 18:17
roninさん、こんにちは!
私が「燃えよドラゴン」と比較したのは、CGやスタントを使っていないことが映画の価値を高めているようなコメントがプロを含めて多かったことに対する反発です。その一方で、同じ人がCGやワイヤーアクションに感嘆している。一体どちらが本当なのでしょうか。とにかく、ブルース・リーもジャッキー・チェン(近作を別にして)もそれなら同じでしょ、ということが言いたかったわけです。ブルース・リー時代の香港映画やジャッキー・チェンの初期作品の評価がこの映画より必ずしも高いわけではありません。「燃えよドラゴン」は日本で公開されたカンフー映画第1段で、映画の良し悪しを超えてびっくりした映画だったわけです。

一方で、20年以上前に「田舎の教師」というタイ映画に触れた時に比べるとタイ映画も随分洗練されてきたと思わせる作品がある一方、「アタックナンバーハーフ」やこの作品はその時代とさして変わらない。私の映画体験が一般の人に比べるとかなり違うことも評価に現れていると思います。

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  • マッハ!

    Excerpt: 「マッハ!」★★★★(Gyao) 2003年タイ 監督:プラ Weblog: いつか深夜特急に乗って racked: 2005-11-23 19:38
  • マッハ!!!!!!!!

    Excerpt: 強いぞ!ムエタイ。主役はあんたしかいないよ、トニー・ジャー。ブルース・リー、ジャッキー・チェンとアクションスターを生んだアジアからニュー・ヒーローが登場!なのである。  ストーリーも単純、仏像を取り戻.. Weblog: ネタバレ映画館 racked: 2005-11-24 08:11
  • マッハ!!!!!!!!

    Excerpt: 人権無視の危険なアクションシーン満載。 Weblog: 気まぐれ映画の旅 racked: 2005-11-27 18:03
  • マッハ!!!!!!!! (Ong-Bak)

    Excerpt: 監督 プラッチャヤー・ピンゲーオ 主演 トニー・ジャー 2003年 タイ映画 108分 アクション 採点★★★★ 前回の訂正です。 タイといえば、『ランボー3』とハヌマーンとトニー・ジャー。 言語っ.. Weblog: Subterranean サブタレイニアン racked: 2006-05-12 01:54
  • 『マッハ!』を観たぞ~!

    Excerpt: 『マッハ!』を観ましたスタントマンの起用、ワイヤー・ワーク、CG、早回しによる編集を一切排除し、迫力満点の本物のファイトで見せる、ムエタイ・アクション・ムービーです>>『マッハ!』関連原題: ONG-.. Weblog: おきらく楽天 映画生活 racked: 2009-03-09 23:06