映画評「花咲ける騎士道」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2003年フランス映画 監督ジェラール・クラヴジック
ネタバレあり

ご存知ジェラール・フィリップ主演の同名映画のリメイクであるが、人気のヴァンサン・ペレーズもフィリップには品格で遠く及ばず、あのゆったりした中にかもし出されたクリスチャン=ジャックの演出の楽しさもない。が、基本的にこの手の冒険映画は好きなので★一つ余分に進呈する次第。

ルイ15世の統治する18世紀半ばのフランス、結婚相手から逃げ込んだ教会で出会った美女アドリーヌ(ペネロペ・クルス)の、「皇女と結ばれる運命」という嘘の手相を信じたプレイボーイ、ファンファン(ペレーズ)が実現の道第一弾として入隊。その道で賊に会った貴婦人を助けると何と王の愛人ポンパドゥール夫人と王女。占いは本当と思った彼は邁進するものの、城の中で会った王女に幻滅し、しかもスパイとして死刑を言い渡されてしまう。

さあこの危難をどう切り抜けるか、という冒険談で、出来栄えは前述した通り。アドリーヌのペネロペも旧作のジーナ・ロロブリジダの濃厚さに負ける。

因みに、改めて小説などの原作はないようだが、戦前にも映画化されていてことを考えると、フランスではよく知られた昔話の類があるのかもしれない。

この記事へのコメント

ぶーすか
2007年06月06日 09:27
TB&コメント有難うございます。ヴァンサン・ペレーズ、ハンサムなんですが、イマイチ品と知性に劣る感じがするのが残念ですねー。所詮ジェラール・フィリップには適わないでしょう。でもオリジナルよりもスピード感やスリル感があるし、笑えて楽しかったです。
オカピー
2007年06月06日 23:55
ぶーすかさん、TB&コメント有難うございます。

ぶーすかさんはフィリップがお嫌いでしたっけ? 私はドロンの次にご贔屓なのか彼でしてね、台詞回しは超一流ですし、演技は繊細かつしなやかです。

私はオリジナルのクリスチャン=ジャックの悠々とした演出が好きです。
やはり最近のフランス映画はクラシックなムード醸成、洒落っ気が足りないかな、と思わせる一編でした。

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