映画評「アラビアのロレンス(完全版)」
☆☆☆☆☆(10点/10点満点中)
1962年イギリス映画 監督デーヴィッド・リーン
ネタバレあり
1920年代にダマスカスをトルコから奪い返し、アラブ人の英雄にもなった英国人ローレンスは果たして本当に英雄だったのか、という命題を掲げて作られていたお馴染みの大作のデーヴィッド・リーン自身の手による完全版。
そうした面はさらに強調され見応え十分だが、個人的には砂漠を横断する場面のスペクタクルな美しさに見とれた。物語としてはアラブ人とのカルチャー・ギャップが次々と出てくる辺りが頗る興味深く、荒くれ部族の長アンソニー・クィンが絡んでくる辺りまでが好みと言って良い。
作品の評価に影響を与えるほどではないが、アラブ人を野蛮人と言っていた英国人(ローレンス)が残虐ぶりを発揮する終盤の皮肉な場面などは好きになることはできないのである。
何度観てもローレンスに扮したピーター・オトゥールは絶品。
1962年イギリス映画 監督デーヴィッド・リーン
ネタバレあり
1920年代にダマスカスをトルコから奪い返し、アラブ人の英雄にもなった英国人ローレンスは果たして本当に英雄だったのか、という命題を掲げて作られていたお馴染みの大作のデーヴィッド・リーン自身の手による完全版。
そうした面はさらに強調され見応え十分だが、個人的には砂漠を横断する場面のスペクタクルな美しさに見とれた。物語としてはアラブ人とのカルチャー・ギャップが次々と出てくる辺りが頗る興味深く、荒くれ部族の長アンソニー・クィンが絡んでくる辺りまでが好みと言って良い。
作品の評価に影響を与えるほどではないが、アラブ人を野蛮人と言っていた英国人(ローレンス)が残虐ぶりを発揮する終盤の皮肉な場面などは好きになることはできないのである。
何度観てもローレンスに扮したピーター・オトゥールは絶品。
この記事へのコメント
前半は明るく人を引き付ける魅力的な英雄、後半は自虐的で屈折し苦悩する男、そして中性的にも思えるこの難しいキャラをピーター・オトゥールが演じきっていて見事です。数々の名シーンの中でもオマー・シャリフが砂漠の地平線から現れるシーンは特に印象に残ってます。
上に厳しくて下に甘いです。点差を敢えて付けないのが私流。その辺りはいつかコラムか何かで説明しないといかんと思っております。
リーンは私が尊敬している監督の一人ですが、繊細な心情からスケールの大きなスペクタクルまで巧みに描ける世界でも数少ない監督です。実力ほどは評価されていない一人ではないかと思います。
シャリフが登場する場面は幽玄でしたね。
全ての面で完成された作品です。
中でも砂漠の美しさに圧倒されますが、オトゥールの演技は凄いですね。彼が本当の名演技者であることは「チップス先生さようなら」を見ると、確認できますよ。これだけはロレンスには見えない(笑)。
今度「チップス先生」見てみたいと思います。
>チップス先生さようなら
作品も大変素晴らしいです。
ミュージカル映画史上最低の楽曲などと評価するムキもありますが、そもそもミュージカルらしいミュージカルとは言いにくい作品ですから。
>アカデミー賞
これも候補どまりだったです。
その時の受賞者はジョン・ウェイン。<長い間ご苦労だったで賞>じゃないでしょうか。
しかし、この年は「真夜中のカーボーイ」のダスティン・ホフマンとジョン・ヴォイト、「1000日のアン」のリチャード・バートンがノミネートでしたから物凄い充実ぶり!
こういう年に取るのは難しいですね。
やはり、いいですねー。
スケールの大きさに加えて、ロレンスの人間も描かれる…。
おっしゃるとおり、リーン監督は「逢びき」など繊細なドラマから、スペクタクルまで見事に作る名監督でした。
あのだだっぴろい砂漠はどでかいスクリーンで観ないとねえ。
ロマンスの「ライアンの娘」もあの砂浜や断崖に打ち寄せる波を観るだけで感激してしまいましたものね。
リーンの映画を見ると、やはり人間描写が映画の基本ということがよ~く解ります。「逢ひき」が作れるから「アラビアのロレンス」も「戦場にかける橋」も作れる。
「ライアンの娘」を馬鹿な評論家が叩いたものだから、「インドへの道」まで十年以上のブランクが出来てしまった。日本での評価は高かっただけに残念でしたね。
子供の頃テレビで観たときは、アレック・ギネスが扮したファイサル王子がものすごくきれいな男に見えたんですよ。今回見ると、やっぱりきれいなんですけれど、見た目がどうというよりも、したたかで食えない王子様だなあという印象になりましたが、アレック・ギネス、他の映画ではうまいとは思っても特にきれいとは思ったことないですから、この映画ではアラブ人風のメイクと衣装がよかったんだろうな、と。
>中東情勢
結局現在中東の混乱は、イギリス、ソ連、アメリカが引き起こしたものですよね。
日本は、本当に中東の戦いには巻き込まれてほしくないです。
>アレック・ギネス
そう言われれば、きれいだったような気がします。
今度観る時はその辺りにも注目してみましょう。
>死者1100人超、戦闘続く 「最悪の虐殺」、音楽祭襲撃―ハマス拠点空爆800カ所・イスラエル
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023100900076&g=int
罪のない人まで殺さないで欲しいです。
>僕の父親は、どうも、軽いアスペルガーだった模様。
でも頭が良い人だったのでしょうね。
>砂漠を横断する場面のスペクタクルな美しさに見とれた。
美しい映像でした。
>荒くれ部族の長アンソニー・クィン
荒馬に乗っても落とされる事はない。さすがです!
>祭りで飲み食いして福引に参加する若い人達
こちらは、昨日体育祭があり、我が班は僕がグラウンド・ゴルフで最終ホールでホール・イン・ワンを出してた結果、優勝できました(ビギナーズ・ラックでしたね)。
14日は祭。
夏のお精進は出費がないので参加する人が少ないですが、秋の祭は全軒が出費するので、元を取ろうと参加する人が倍増します。
祭以外は福引と慰労会の食事だけですけどね。
>>僕の父親は、どうも、軽いアスペルガーだった模様。
>でも頭が良い人だったのでしょうね。
頭はともかく、モノの大きさの把握は凄かった。
仏壇の大きさなど目視だけで1cm単位でぴったし当てましたよ。まあ、家具作りが仕事だったということもありますが。
>>砂漠を横断する場面のスペクタクルな美しさに見とれた。
>美しい映像でした。
僕はこれを映画館で観たことがないんですよ。
大きな映像で観ないといけないですね。
>我が班は僕がグラウンド・ゴルフで最終ホールでホール・イン・ワンを出してた結果、優勝できました
おめでとうございます!いざと言う時に強いオカピー教授ですね。
>秋の祭は全軒が出費するので、元を取ろうと参加する人が倍増します。
元を取るだけでなく協力して欲しいです。
>仏壇の大きさなど目視だけで1cm単位でぴったし当てましたよ。
素晴らしいです。その才能がお仕事に生かされたのでしょう。
>僕はこれを映画館で観たことがないんですよ。
もちろん僕も見ていません。
>死者1600人、戦闘激化の懸念 イスラエル、予備役30万人招集 ハマスは「人質処刑」を警告
やめてくれ・・・。
>音楽の方。コメントを書いたけど駄目でした。HNをひらがなにしたら大丈夫でした。
名前に何か問題があるんですかねえ?
>>仏壇の大きさなど目視だけで1cm単位でぴったし当てましたよ。
>素晴らしいです。その才能がお仕事に生かされたのでしょう。
ダルデンヌ兄弟の「息子のまなざし」に我が父のような人が出てきました。サイズをぴったし当てる。
*イスラエルとパレスチナ
イスラエルにも問題がありますが、アメリカが混乱させていますねえ。
トランプがイラン合意が脱退したので、イランが核兵器を作る可能性がぐっと増えました。
イランはイランで宗教絡みの女性問題にこじれていますし。碌なもんじゃないです。宗教が憲法より上ではダメです。
一番保守的と思っていたサウジの方が先に民主化するかもしれません。