映画評「ララミーから来た男」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1955年アメリカ映画 監督アンソニー・マン
ネタバレあり

アンソニー・マンは西部劇の佳作を幾つも作っているが、この作品など抜群と言えないながらも人情味たっぷりで楽しめる。再鑑賞作品。

騎兵隊の弟を新式ライフルを持ったアパッチ族に殺されたジェームズ・スチュワートが、アパッチではなくライフルを売った売人に復讐すべく、とある町にやってくる。町は牧場主ドナルド・クリスプに仕切られていて、そのどら息子にジミーも酷い目にあうのだが、どら息子が何者かに殺され犯人に仕立てられかけた後、実は善人ぶっていた牧童頭アーサー・ケネディーがライフルを売っていたことが判明。善人ジミーは結局牧童頭を釈放してしまうのだが、アパッチが代わりに殺して帳尻を合わす。

ジミーと牧童頭が牛の群れの中で決闘、どら息子が手出ししようとすると、一家と対立する女牧場主がライフルを一発放つ、という一連の場面が良く、この太った女性が対立していても個人的にはクリスプを憎からず思っていたりするのも面白い。

映画の出来栄えには関係ないが、「ベン・ハー」の妹役で一時ご贔屓だったキャシー・オドネルの出演も嬉しかった。

この記事へのコメント

オンリー・ザ・ロンリー
2008年07月20日 23:34
はじめまして。小学校低学年で観た驚異の「これがシネラマだ!」他シネラマ・シリーズ、E・フリンやR・テイラーの活劇モノ、フェザー河だかホンドーか失念の3D、ハイエナ・スマイル・ウイドマークにゾッコンの「ゴースト・タウンの決斗」、そしてシネラマ大作「西部開拓史」、70ミリ史劇やドロンさまで通り過ぎた青春・・。ですから新作は殆ど知らず、懐かしい作品が観たく昨年ホーム・シアターにしたくらいです。先程まさに「ララミーから」を久々に鑑賞。「アメリカの良心」のジミーがしかめっ面したり巻き舌で怒鳴ったりで堪能しました。昨夜は「わが谷は緑なりき」を観ましたが偶然にも両作品ともボスはドナルド親父とは。又寄らせて下さい。
オカピー
2008年07月21日 02:06
オンリー・ザ・ロンリーさん、はじめまして!

おおっ、大ベテランさんですね。
「フェザー河の襲撃」とは今となってはシブいです。

>リチャード・ウィドマーク
握手しましょう。僕のアイドルでした。

>ホーム・シアター
古い映画もかなり多くの作品が良い画質で見られる良い時代になりましたね。僕も新しい映画は止めて、古い映画に特化しようかなあ。

またお越しください。大変嬉しかったです。
オンリー・ザ・ロンリー
2008年07月21日 02:47
ウエルカムですか!、こちらこそ嬉しいです。映画ブログはどれもが「金太郎飴」で嫌気が。かと言ってこちらさんは高尚で。悩みましたね。私が新作を余り観ないのは大物スター不在、CG多用、安易なリメイク、そして通りすがりの姉ちゃんか南国風のムード漂う、のばかりで「クール・ビューティー」不在(なげーな)、などが観なくなった理由です。だから新作は殆ど解りませんからお手柔らかに願います。
オカピー
2008年07月21日 20:32
オンリー・ザ・ロンリーさん、こんばんは!

>高尚
全然そんなことはないんですけどね、先日も別の方から敷居が高いようなニュアンスのコメントを戴いて、考え込んでいます(笑)。

>新作
僕の考えも基本的に同じです。つまらん時代ですね。

この記事へのトラックバック

  • 或る歴史的大スターの、西部劇における正義感の行方?

    Excerpt: ジェイムズ・スチュアートには、まず西部劇から入って、なぜ背ばかりヒョロッと高いだけでちっとも屈強の男には見えず、ヤワで弱々しい感じしか与えないこの役者が西部劇に出ているのか不思議だったが、フランク・キ.. Weblog: この広い空のどこかで今日もいい日旅立ち racked: 2005-12-07 07:35