映画評「シマロン」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1960年アメリカ映画 監督アンソニー・マン
ネタバレあり

エドナ・ファーバー原作の二度目の映画化。

東部良家の娘マリア・シェルが弁護士グレン・フォードと結婚、オクラホマで1889年に行われたランド・ラッシュに参加して土地を獲得すると、夫婦で新聞社を始め、男児を一人儲けるが、シマロンと呼ばれた夫は理想家で家のことを考えず、知事に推薦されても賄賂が嫌いで断ってしまう。
 事実上の三行半を突きつけられた彼は旅の人となり、残された彼女は新聞社を拡大し、名誉を受けることになる。シマロンは第1次大戦で死んでしまうのだが、彼女は夫こそ西部魂の象徴と言い、讃えるのである。

理想主義者シマロンが主役の西部劇のつもりで見ていると、途中から女性映画に変わってしまう。ファーバーだから仕方がないが、それであればもう少し前半の視点を現実的な生き方をするヒロイン側に置くべきだったろう。シマロンの生き方自体も奇麗事すぎるような印象があり、ヒロインのほうに共感が持てる。と、悪口が先に出たが、140分の長尺を殆ど退屈感を覚えさせずに見せきってしまうのだから決して侮れない出来栄えと言って良い。

実は再鑑賞だったのに、ランド・ラッシュの場面以外に殆ど記憶がないとはお粗末の限りでございました。

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  • シマロン

    Excerpt: 1889年のオクラホマでは、土地獲得競争が行なわれた。家族の期待を背負って参加し Weblog: 映画シネマ racked: 2005-12-26 15:29