映画評「けんかえれじい」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
1966年日本映画 監督・鈴木清順
ネタバレあり
鈴木清順としては実に解りやすい作品で、高く評価する人が多い。公開当時はそういう空気がなかったが、80年代以降ならベスト10に入っていても不思議ではないと思える面白さがある。再鑑賞作品。
昭和10年、岡山の中学(現在の高校)で暴れん坊グループの一員として活躍していた高橋英樹がグループのリーダーになった途端に退学となり、会津の中学へ転校してそこでも大暴れするが、5・15事件に触発された彼はその足で東京を目指す。
硬派を気取り軟派とは付き合わずと宣言しながら、その実、間借りしている家のお嬢さん・浅野順子にメロメロになっている矛盾ぶりが楽しい。ロマンティストなのである。
二人が桜の下を歩く場面は移動撮影が美しい。喧嘩の場面の横移動や俯瞰撮影にも感嘆すべきものがままあり、撮影に関しては、こんな感性の人は世界広しと言えどそうそう見当たらない。
他方、突然の上京など余りに唐突の印象があったり、物語の展開に疑問がないわけでもないのがこの監督らしくもある。
1966年日本映画 監督・鈴木清順
ネタバレあり
鈴木清順としては実に解りやすい作品で、高く評価する人が多い。公開当時はそういう空気がなかったが、80年代以降ならベスト10に入っていても不思議ではないと思える面白さがある。再鑑賞作品。
昭和10年、岡山の中学(現在の高校)で暴れん坊グループの一員として活躍していた高橋英樹がグループのリーダーになった途端に退学となり、会津の中学へ転校してそこでも大暴れするが、5・15事件に触発された彼はその足で東京を目指す。
硬派を気取り軟派とは付き合わずと宣言しながら、その実、間借りしている家のお嬢さん・浅野順子にメロメロになっている矛盾ぶりが楽しい。ロマンティストなのである。
二人が桜の下を歩く場面は移動撮影が美しい。喧嘩の場面の横移動や俯瞰撮影にも感嘆すべきものがままあり、撮影に関しては、こんな感性の人は世界広しと言えどそうそう見当たらない。
他方、突然の上京など余りに唐突の印象があったり、物語の展開に疑問がないわけでもないのがこの監督らしくもある。
この記事へのコメント
「殺しの烙印」はリメイクの「ピストルオペラ」よりは行けましたが、やはり訳が解らん映画でした。
好き勝手をやり始めたのは本作くらいかもしれませんね。脚本が新藤兼人で話が解り易いのはともかく。
「ツィゴイネルワイゼン」や「陽炎座」はストーリーを追う必要がないので、難解というよりは気分に身を浸しているうちに終ってしまう、そんな印象がありました。あの二作が私は好きですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6CJsls3cGUE
このテーマ曲は今でも脳裏に残っています。
>間借りしている家のお嬢さん・浅野順子にメロメロになっている矛盾ぶり
旧制中学時代のバンカラ。そして青春って感じでした。
>喧嘩の場面の横移動や俯瞰撮影
持って生まれたセンスでしょうか?
>>「おっぱいとお月さま」
>双葉式採点方に翻訳すると、☆☆☆★ですね。
双葉師匠は少年のナレーションがマイナスになると書いていました。
>「ラバー・ソウル」のジャケットは、サイケの先取りのような印象がありますね。
「ビートルズ・フォーセール」と同じ順番で四人が並んでいる。だけどイメージが随分違います。
>まとめあげたジョージ・マーティンの力も凄い。
デッカもオーディションに合格しなくて良かったです。
>ビリー・ジョエルと言えば、桑田佳祐に対する彼の影響は相当大きい
桑田氏は洋楽に関してすごく研究しています。
>北朝鮮が崩壊し
難民は日本に来ますか?
>安倍に縛られる可能性が高いのは残念ですが。
甘利&麻生も・・・。
>NHK少年ドラマシリーズの「けんかえれじい」
存在すら知らず^^;
>双葉師匠は少年のナレーションがマイナスになると書いていました。
今読みましたら、そう書かれていました。
採点は同じでした^^v
この頃の僕は娯楽映画であればあるほど師匠と同じ採点をする自信がありました。
最近の僕は相当甘く、師匠が存命していたら付けるであろう採点より★一つ分くらい余分にしていると自覚しています。水準が下がるとどうしてもそういうことになる。師匠も昔より甘くなったと晩年に仰っていましたよ。
>桑田氏は洋楽に関してすごく研究しています。
実は邦楽(歌謡曲の類)にも詳しく、突き詰めるとそこに帰っていくとも言っています。ちょっと意外な感じもしました。
>難民は日本に来ますか?
朝鮮族にのいる北東中国に逃げるでしょうねえ。海を渡って来るのは難しい。
その前に中国とロシアが邪魔をするので、簡単に崩壊しないでしょうが。ロシアの専制傾向は体制が変わっても何も変わらない。プーチンは、スターリンほどではないにしても、昔のツァーリ(皇帝)と同じじゃん、と苦々しく思いますねえ。
ついでに大震災や疫病も予知して欲しいです(苦笑)。
>5・15事件に触発された彼はその足で東京を目指す。
まさに大事件!そこからまた日本が変わっていきました。
>師匠も昔より甘くなったと晩年に仰っていましたよ。
それを寂しく思った映画ファンもいたかも知れません。
>実は邦楽(歌謡曲の類)にも詳しく
例えば「チャコの海岸物語」。あれは昭和の歌謡曲の影響でしょう。
>昔のツァーリ(皇帝)と同じじゃん
それぞれの国。どの場所にあるか?資源は豊富か?歴史だけでなく地理的な事がもろに関係します。
>「マイノリティ・リポート」を見ました。
>ついでに大震災や疫病も予知して欲しいです(苦笑)
もう大分前に観ましたが、楽しめる映画でしたね。スピルバーグはカット割りが素晴らしいのでサスペンスも強烈になる。
予知・・・正にSFですよねえ。地震は予測が難しいと言われますが、疫病よりは欲の可能性が高いかもしれませんね。後100年くらい経てば、我々の想像できない世界がやって来る。昔読みかけたSF小説に天候をコントロールするというものもありました。現在問題となっている地球の温暖化も解決してしまうかも。
>まさに大事件!そこからまた日本が変わっていきました。
当時夢中で書いていましたが、2・26事件でしたね。雪が降っていたような気もしますし。
この事件がなければ、戦争がなかったか、あっても違う形になったかもしれませんねえ。天皇のそばにいた木戸幸一は、この時代、右翼を非常に恐れていました。
>例えば「チャコの海岸物語」。あれは昭和の歌謡曲の影響でしょう。
「そんなヒロシに騙されて」では、GSとサーフィン・サウンドを取り込みましたね。
>資源は豊富か?歴史だけでなく地理的な事がもろに関係します。
地政学。
中国がウイグルに拘るのも、単に中華思想だけでなく、鉱物資源も理由ですね。
>岡山の中学(現在の高校)
今で言えば進学校ですね。それなりに裕福な家庭で勉強もスポーツも得意な人たちの中でバンカラと言われる猛者たちが喧嘩をする。70年代の「愛と誠」みたいな世界とは違います。あるいは80年代の「スクール・ウォーズ」。
オカピー教授は原作を読まれましたか?
>シカがそんなにいるとは!
餌その他を求めて人間が住む場所に出てくる。
>もう50年も付き合って考え方まで身についてしまった!
双葉師匠の偉大なる影響です。
>アフガニスタン
テロは減ったけど、国全体が沈んでいますね・・・。
>進学校
>バンカラ
昔の進学校は結構バンカラだったのではないかと思います。
わが校などもその伝統があって、僕らが在学中の頃、高崎の山猿などと自称していました。
>原作を読まれましたか?
いやあ、新しすぎて(1966年刊)・・・(笑)・・・読んでいません。
自分で言うのもなんですが、僕の読書量はかなりのもの。しかし、これまで古いものばかり読んて来てやっと昭和40年代が視野に入って来たところです。
>双葉師匠の偉大なる影響です。
一番偉大だと思うのは、メッセージ(の高尚さ)で評価しないところです。ヒッチコックや「ダーティハリー」などを褒めているのを見て指標にするに値すると思いましたね。それでいてベルイマンやヴィスコンティなど難しい作品もきちんと扱う。プロに限らず、大概どちらかに偏ってしまう。
>>アフガニスタン
>テロは減ったけど、国全体が沈んでいますね・・・。
タリバンも、きちんと政治をしようという意識が出て、前よりは良くなりましたが、依然原理主義的で失望感が強い。
イスラム教は全体的にもっと現代的にならないとダメと思う。さもなければ永遠に彼らの求める発展などないでしょう。大統領制のチュニジアでは、イスラム圏でありながら、形式的なところがあるとは言え、女性が首相に選ばれましたよ。タリバンは見習うべし。
現在の大宗教は死後のことを語りますが、特にイスラム教(原理主義)は死後の幸福の為に現在を犠牲にする傾向があって良くないですね。
いずれ人は死ななくなり、そうすれば現在の死に立脚した宗教はなくなる。死ななくなるのが良いかどうかは別問題にして、早くその日が来てほしいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=-Ny42Mdg5qo
>僕らが在学中の頃、高崎の山猿などと自称していました。
社会人になってからリーダーになっていく人達。バンカラな面も必要でしょう。
>いやあ、新しすぎて(1966年刊)・・・(笑)
戦後20年以上たっていますから。
>プロに限らず、大概どちらかに偏ってしまう。
そのように偏らないところが双葉師匠の良いところです。
>女性が首相に選ばれましたよ。
日本もそのうちそうなりますか?
>死後の幸福の為に現在を犠牲にする傾向
仏教も似た面がありますか?またいろいろ教えて下さい。
>今日はジョン・レノンの誕生日です。
生まれた年は全員憶えていますけれど、誕生日は相変わらず憶えない(笑)。
毎年蟷螂の斧さんに教えて貰っています。どうも有難うございます。
>>女性が首相に選ばれましたよ。
>日本もそのうちそうなりますか?
今回自民党総裁選に二人の女性候補者が出ました。女性を軽視している自民党にしてこういう状態ですから、それほど遠くはないですね。
しかし、女性蔑視の激しい(彼らは女性を守っていると言いますが)イスラム圏でも、多くの国で女性議員の比率が日本より高いのですよ。これ、どう思います?
>>死後の幸福の為に現在を犠牲にする傾向
>仏教も似た面がありますか?
仏教は、死後の話もしますが、生前を大事にしていますね。一部のイスラム教徒のように、聖戦で死んだなら死後は天国に行くと本当に信じて自爆テロをするような人は金輪際出て来ない。
特に日本の仏教は、中国で現実路線の儒教の精神が入って変容してから日本に入り、日本でさらに神道の影響を受けたところがあって、かなり独自だと思います。おかげで日本人には不信心の人が多い。現在の日本が宗教的に平和である所以でしょう。
>イスラム圏でも、多くの国で女性議員の比率が日本より高い
女性蔑視をはねのけるだけの強さが彼女たちにあるとか?
>仏教は、死後の話もしますが、生前を大事にしていますね。
あの世だけでなく、この世も大事ってことですね。今をいかに生きるか?そしてそれを未来に繋げる。
>日本でさらに神道の影響を受けたところ
仏教と神道をミックスしたんですか?そう言えば中国から伝わった感じも日本流になりました。平仮名やカタカナも出来ました。
>ノーベル平和賞
ドミトリー・ムラトフ氏は仲間6人が犠牲になった。
マリア・レッサ氏は二度逮捕された。
強権的な政権への批判も命懸けです。
>女性蔑視をはねのけるだけの強さが彼女たちにあるとか?
イスラム教の女性への圧力は、意識だけではどうにもならないものがあるので、タリバンなどと違ってそうした国家では男性の意識が大分変ってきたということではないでしょうか?
独裁国が多いアフリカでも、女性議員は多い。
日本の男性優位社会は、僕らが思っているより根深いということのようです。
>仏教と神道をミックスしたんですか?
本来神ではない仏や菩薩を神のように扱いするところなどは典型でしょう。寧ろ中世には、神が仏や菩薩の変身と考えられるようになったようです。
寺なのに鳥居があるところもありますよね。古来よりの仏教は他の宗教や宗派を余り排除しようとしませんし、平和で良いと思います。
>強権的な政権への批判も命懸けです。
ノーベル賞委員会も、政権から不当な圧力を加えられるのを妨害する為に、受賞させたという感じもします。
一時は一桁まで下がった独裁国家がここ十数年で数倍に増えたと、池上氏の番組が言っていました。トランプの影響は大きいと思います。ブラジルもフィリピンもミャンマーもトランプを見倣ったところがあると思います(ミャンマーは選挙不正をでっちあげ)。民主主義を標榜する国家の元首が民主主義を否定するような言動を弄して来たのですからね。ポーランド、ハンガリー、トルコも独裁的になりつつありますね。
温暖化などない、コロナはただの風邪だ、などと科学を否定するトランプの復活は地球を壊すと思うので、阻止しないといけないでしょう。バイデンも今一つ人気がないし不安ですね。彼を見るだけで頭が痛くなってきますよ。安倍元首相を支持してきた人々はトランプ贔屓ですが、トランプは日本にとって相当マイナスですよ。少なくとも色々と悩まされるのは確か。
>国家では男性の意識が大分変ってきた
数の論理という言葉をなぜか思い出しました。
>平和で良いと思います。
日本は宗教に関しては平和な国です。
>政権から不当な圧力を加えられるのを妨害する為に
政治とノーベル賞は別物です。
>トランプの影響は大きいと思います。
自由ではない国を作ってしまったトランプ?
>バイデンも今一つ人気がないし不安ですね。
代わりになる人材もいません。
なぜかジョン・レノンのこの曲を思い出しました。
https://www.youtube.com/watch?v=nH25aRMqOwY
>日本は宗教に関しては平和な国です。
これに関して異論のある方は少ないでしょうねえ。
20年近く前のNHK番組の受け売りですが、弥生人(の原型)が大陸からやって来た時、先住民の縄文人は当初抵抗しましたが、比較的早く水田稲作などその文化を取り込んで仲良くやるようになったようです。弥生人も縄文人の道具も魅力的だったようでwin-winの関係が成立、かくしてこの二つが混血してできた平和的な人種が日本人でしょう。それが宗教観にも表れているのかもしれませんね。
>政治とノーベル賞は別物です。
しかし、ノーベル平和賞の権威が、弱い個人を政権から守るには必要であることも結構あります。ロシアもフィリピンも一応賞賛を送りましたからね。これで暗殺をしたり、露骨に有罪になどはできなくなりました。尤も、中国のように、ノーベル賞の権威を無視する太い国家もありますが。
>自由ではない国を作ってしまったトランプ?
言葉は悪いですが、元々バカだった(笑)アメリカ人を益々バカにしましたね。
しかし、安倍元首相も彼に影響されて、民主党政権を露骨にこき下ろすようになりましたね。昔はこういうことはなかった。ネガティブ・キャンペーンが当たり前になってきました。今日の東京新聞には、反野党の言論でやってきたあるサイトが自民党と繋がっていると書いてありました。僕が知っている有名政治サイトでも、明らかに自民党が操作していると思われているものがありますよ。
政権批判は堂々と受けるべきであるし、肥やしにすべきです。ましてトランプのように都合の悪いニュースをフェイクと言い出したら、それは本当だと思うべきと僕は思います。
>なぜかジョン・レノンのこの曲を思い出しました。
オンリー・ピープルOnly People
主題は、庶民の力を結集して独裁者(one head=big brother)に対抗しよう、ということでしょうが。
バイデンも損をしましたねえ。共和党支持者が大好きなトランプが明確に道筋をつけたアフガン撤退(その前からオバマが言っていましたが)の計画を実行しただけなのに、そのやり方が悪かったという理由で能無し扱い。共和党支持者の支持を取ろうとして、逆目に出た?
>この二つが混血してできた平和的な人種が日本人でしょう。
なるほど!良い結果を生みました。
>弱い個人を政権から守る
それこそが民主主義?
>元々バカだった(笑)アメリカ人を益々バカにしましたね。
ヤンキーは単純なんですか?
>政権批判は堂々と受けるべきであるし、肥やしにすべきです。
政治家には度量の広さも必要です。
>主題は、庶民の力を結集して独裁者(one head=big brother)に対抗しよう、ということでしょうが。
当時のジョン・レノンらしいです。
>共和党支持者の支持を取ろうとして、逆目に出た?
バイデン政権。これからどうなるやら・・・。
>「万引き家族」
日本社会における諸問題が複合的に出てきましたね。児童虐待もありました。
>ヤンキーは単純なんですか?
それは良い表現ですね^^
未だにトランプの言うことを信じて、昨年の選挙には不正があったと思っている人が20%くらいいるんですよ。共和党支持者に限れば確か50%を超えているのではなかったかな。
日本のトランプ支持者も同調していますが、彼らは左翼的な考えを批判する人が好きなんでしょうね。日本が困るのも無視して。彼らが信じていた、バイデンが大統領になると中国に甘くなるという説は、実際にはより厳しくなったことで覆され、彼らの言っていることに何の根拠がないことが解ります。
>政治家には度量の広さも必要です。
官僚もそうですが、青雲の志はあっても、いざそこに入ると保身に走って、社会のことなど真面目に考えなくなってしまう。
国民の6割以上が森友問題は再調査しろ(説明不足と言う人はもっと多い)と言っているのに、何もしない。それなら選挙で自民党に入れなければ良いのに・・・でも入れる。国民も現実主義的すぎるなあ。
小選挙区を廃止して、全部比例代表にするとすっきりするでしょう。
>バイデン政権。これからどうなるやら・・・。
バイデンがこけても良いけど、トランプがまた登場するのは困る。アメリカがどうなっても知った事ではないけど、世界が迷惑し大混乱する。