映画評「テッセラクト」

☆☆★(5点/10点満点中)
2003年タイ=日本=イギリス映画 監督オキサイド・パン
ネタバレあり

一部で好評だった「レイン」のオキサイド・パン監督がアレックス・ガーランド(「ザ・ビーチ」)の小説「四次元立方体」を映画化した異色サスペンス。

バンコクのホテルに英国人の若者ジョナサン・リース=マイヤーズが宿泊している。マフィアとの麻薬取引の為で、麻薬を精製の為に預かる。
 同じホテルに麻薬奪還を企む女殺し屋レナ・クリステンセンも潜んでいる。
 ここに女性心理学者サスキア・リーヴズが投宿、盗み癖のある現地の少年と繋がりが出来た瞬間から、残酷な運命の糸が動き出す。

心理学者自身も述べている<人間は運命から逃れられない>という言説を地で行く物語で、中盤までの勿体ぶった展開は、起承転結の【結】の部分と言ってよい最後の10分間に展開する<宿命の前の人間の無力さ>を強調する役には立っているが、かと言って【起承転】の部分において手を抜いて良いということにはならない。
 また、この程度の宿命的物語には様々な複雑怪奇な作品を見てきた観客は心を動かされまい。

パン監督はカットの切換は速いが、速ければ良いというものではない。編集上意味を成さない<出たとこ勝負>的なカットの積み重ねでは結局時間の無駄というものである。

この記事へのコメント

lin
2006年03月27日 19:36
こんにちは、TB&コメントありがとうございます。
この作品は肩透かしだったですね、凝ったタイトルに期待したのが悪かったかもしれませんw。
パン監督の映像自体は嫌いじゃないんですが。
また宜しくお願いします。
オカピー
2006年03月28日 15:00
linさん、こんにちは。
NUMBというのはブログ名ですね。ハンドル名と勘違いしてすみません。
カメラワークや色彩感覚などは悪くないですが、眼がちらちらするような短いカットの寄せ集めには受け入れがたい部分もあります。
宿命論的な物語も意外と底が浅いですね。
また、お越しください。

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