映画評「男はつらいよ 望郷編」
☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1970年日本映画 監督・山田洋次
ネタバレあり
「男はつらいよ」シリーズは第1作を除いてテーマ【映画 あ行】から省きましたので、テーマ【山田洋次】にて検索をお願い致します。
シリーズ第5作(1970年の3本目)。
序盤は、瀕死の床にいる知り合いのヤクザの親分が妾に作らせた息子・松山省二に逢いたがっていると知った寅さんが、舎弟・秋野大作と機関士をする息子を探しに行く。
北海道の雄大な風景を背後に走る機関車が美しい。
少年時代の経験から「あんな親父には会いたくない」という息子を説得できない寅次郎。
彼の姿に反省して油と汗にまみれる堅気の商売をしたいと故郷で定職に就くべく、母娘で営むてんぷら屋に落ち着く。実は独身の娘・長山藍子に気があるからである。彼女には鉄道会社に勤める恋人がいるが、「家でいつまでも働いてくれる?」という言葉を勘違いする。哀れなり寅次郎。
この作品はシリーズの中でも、寅さんの定着への強い思いが一貫して流れていて、非常に完成度が高い。
1970年日本映画 監督・山田洋次
ネタバレあり
「男はつらいよ」シリーズは第1作を除いてテーマ【映画 あ行】から省きましたので、テーマ【山田洋次】にて検索をお願い致します。
シリーズ第5作(1970年の3本目)。
序盤は、瀕死の床にいる知り合いのヤクザの親分が妾に作らせた息子・松山省二に逢いたがっていると知った寅さんが、舎弟・秋野大作と機関士をする息子を探しに行く。
北海道の雄大な風景を背後に走る機関車が美しい。
少年時代の経験から「あんな親父には会いたくない」という息子を説得できない寅次郎。
彼の姿に反省して油と汗にまみれる堅気の商売をしたいと故郷で定職に就くべく、母娘で営むてんぷら屋に落ち着く。実は独身の娘・長山藍子に気があるからである。彼女には鉄道会社に勤める恋人がいるが、「家でいつまでも働いてくれる?」という言葉を勘違いする。哀れなり寅次郎。
この作品はシリーズの中でも、寅さんの定着への強い思いが一貫して流れていて、非常に完成度が高い。
この記事へのコメント
前半が北海道の蒸気機関車。後半は浦安でのロケ(一部藤沢市も)。そして、若くて綺麗な女性(長山藍子)に惚れたけど、うまく行かない。失恋。汗を流して地道に働いたのも短期間だけ。結局元のヤクザな生活に戻る。この泣き笑いのパターン。面白かったです。さすが松竹のドル箱シリーズだけあります。最後には弟分の登と再会できて良かったです。
これは初期の名作です。
>弟分の登と再会
秋の大作ならぬ秋野太作。
この後第10作までぼちぼち出た後、第33作まで長くご無沙汰しますね。
女性のファッションについて言えば、前作の栗原小巻も今作の長山藍子もミニスカート。当時の流行だったんですね。
そして後半の舞台になった浦安。あそこに東京ディズニーリゾートが出来たと言う事でしょうか。
>井川比佐志を見て「どうもこいつは俺の妹の旦那に似てるんだよな。」と言う場面がありました
山田洋次のセルフ・パロディーでしょうね。
>前作の栗原小巻も今作の長山藍子もミニスカート。当時の流行だったんですね。
これより2~3年前ですが、美空ひばりですらミニスカートで「真っ赤な太陽」を歌った時代ですからねえ。
さくらというより倍賞千恵子が第1作から数作は黒髪ではなくブルネットでした。後年この時代の作品を観た時、結構意外に思ったものです。
いわゆる楽屋落ちっていうものでしょうか?この第5作が最高傑作だと言う人が多いですね。
倍賞千恵子のブルネットの髪。当時はとてもお洒落だったと思います。
それとさくらのところに寅さんから油揚げが大量に送られた場面。「この時代はクール宅急便はなかったんだねえ。」と妻と苦笑しながら見ていました。
公開されたのが昭和45年8月26日。その2週間ぐらい後。当時小1だった僕は突然の転校。すごいショックを受けたのを思い出しました。
速い反応ですねえ(@_@)
>いわゆる楽屋落ちっていうものでしょうか?
そうですね。
>「この時代はクール宅急便はなかったんだねえ。」と妻と苦笑しながら見ていました。
コンビニもなかった。不便だったです。
>当時小1だった僕は突然の転校。すごいショックを受けたのを思い出しました。
転校と言うと、すごく遠くへ行ってしまうイメージを持っていた小学生時代の僕ですが、中学が合併されて新しい中学へ行ったら、小学校の時に転校していった何人もの友達と再会しました。“な~んだ、こんな近くだったのか”と思ったものです。
>コンビニもなかった。不便だったです。
しかし、カスハラは今ほどは無かったでしょうね。
>中学が合併されて新しい中学へ行ったら、小学校の時に転校していった何人もの友達と再会しました。
それは羨ましいです。僕は隣の小学校に転校したのですが、そう言うのは無かったです。
>床の上に色とりどりのペンキがぶちまけてある。
僕はその場面を記憶していません。
このシリーズが初めてTVに出るまでに5年くらいかかりましたから、蟷螂の斧さんの年齢を考えると、初期の数作の一本でしょうねえ。
>カスハラ
これは年々ひどくなってきましたね。
東京都がああいう動きをしましたから、これがある程度抑止力になるでしょう。
“お客様は神様です”という日本的精神が客に誤解を与えて、現在に至ります。
外国の映画を観ると、客と店は対等ですね。これが正しいと思います。