映画評「男はつらいよ 純情編」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
1971年日本映画 監督・山田洋次
ネタバレあり
「男はつらいよ」シリーズは第1作を除いてテーマ【映画 あ行】から省きましたので、テーマ【山田洋次】にて検索をお願い致します。
シリーズ第6作。
前半で長崎の五島列島に帰郷する宮本信子にお世話を焼いた寅さんが望郷の念に駆られ慌てて帰郷し、寅さんの部屋を間借りしていた若尾文子に岡惚れする。
彼女は言う、「ここの人たちが思ったことをはっきりというから良いのネェ」と。
かっては有望な新進作家だった夫に愛想を尽かして親戚のとら屋を訪ねてきたわけだが、互いに感情を隠してきた二人の関係がこの言葉に隠されているし、微妙な感情が交錯する場面が多い。
前作「望郷編」ともそれほど差はないが、汽車の魅力で差が出たといったところでしょうか。
1971年日本映画 監督・山田洋次
ネタバレあり
「男はつらいよ」シリーズは第1作を除いてテーマ【映画 あ行】から省きましたので、テーマ【山田洋次】にて検索をお願い致します。
シリーズ第6作。
前半で長崎の五島列島に帰郷する宮本信子にお世話を焼いた寅さんが望郷の念に駆られ慌てて帰郷し、寅さんの部屋を間借りしていた若尾文子に岡惚れする。
彼女は言う、「ここの人たちが思ったことをはっきりというから良いのネェ」と。
かっては有望な新進作家だった夫に愛想を尽かして親戚のとら屋を訪ねてきたわけだが、互いに感情を隠してきた二人の関係がこの言葉に隠されているし、微妙な感情が交錯する場面が多い。
前作「望郷編」ともそれほど差はないが、汽車の魅力で差が出たといったところでしょうか。
この記事へのコメント
明石夕子(若尾文子)が寅さんに相談をする場面。「ある男性が私に好意を持っている。確かに良い人なんだけど。」漫画「ど根性ガエル」でそれを意識した場面がありました。「男はつらいよ」シリーズ。他にもそういう場面を見ることがあります。「あ、この場面は寅さんの影響だな。」と。
それと僕が気になったのは喫煙の場面。 山下医師(松村達雄)が診察しながら煙草を吸っている。そういう時代だったんですね(苦笑)。
>明石夕子(若尾文子)が寅さんに相談をする場面。
「男はつらいよ」らしい心情のすれ違いですね。
このシリーズには色々なタイプの心情のすれ違いがあり、一々繊細なんですねえ。
> 山下医師(松村達雄)が診察しながら煙草を吸っている。そういう時代だったんですね(苦笑)。
まだまだ煙草の全盛期ですね。
アメリカで1980年代に大きなタバコ裁判が起き、90年代にも起きてから、アメリカに少し遅れて喫煙への啓蒙が始まりました。特に副流煙の問題はこの辺りから出てきたと思います。
>90年代にも起きてから
単語が付けていましたので、補足・修正します。正しくは、
90年代に日本でも起きてから
です。どうもすみません。
>アメリカに少し遅れて喫煙への啓蒙が始まりました。
可愛いと思った知人女性と飲みに行く。するとその女性がが何本も煙草を吸う。煙を深く吸い込んで鼻からも出す。それを見て恋心が失せた思い出があります。
>「ここの人たちが思ったことをはっきりというから良いのネェ」
普段自分がいる環境と違う。それを見ていいなあと思ったのでしょう。
昨日録画した「釣りバカ日誌2」を今夜妻と一緒に見ました。
ハマちゃんを裏切ったスーさん。その後の様子が面白かったです。
>それを見て恋心が失せた思い出があります。
自分が吸わないせいもありますが、煙草を吸う女性は僕も苦手です。
映画の世界は、実際以上に(?)女性が煙草を吸うシーンが出てきますが、女優に鼻から煙を出させることはほぼありませんね。何故か知りませんがイメージが良くない。
1960年代TVの人気の為、次第に映画業界が低迷、映画会社は大スターたちが自らのプロダクションを設立するのを止めきれず、かくして1971年に五社協定も終焉します。
五社協定時代の大スターで、大映のように倒産してしまった会社に所属し、そうしたプロダクションに関われなかった人は、TVに活路を見出したのでしょうね。極めて現実的な選択だったでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=hACGaKivRzI
さて、男はつらいよシリーズ。おいちゃんを演じた森川信。若い頃はとにかくモテたそうですね。しかしシリーズ第8作後、60歳で亡くなったとか。
>勝新太郎も大映倒産後はTVに活路を見出したんですよね?
勝新の場合は、勝プロを作っていましたから、大映倒産というより、映画界が時代劇を余り求めない時代に、映画ではぼつぼつ、TVで盛んにやったという感じではないかと思いますよ。
>森川信
僕は初めて見たおいちゃんが下條正巳だったので、余り感慨がなかったです。
中学時代は「男はつらいよ」を食わず嫌いで、半ば馬鹿にしていましたから。というより日本映画を殆ど見なかったのですよ。