映画評「コーヒー&シガレッツ」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2003年アメリカ映画 監督ジム・ジャームッシュ
ネタバレあり
有名になっても決してメジャー流の作品を撮ることがないジム・ジャームッシュが、コーヒーと煙草にまつわる11編を集めたモノクロのオムニバス映画。平均上映時間8分、小説で言えばショートショートですね。
歯医者に行きたくないスティーヴン・ライトの悩みを解消すべく、偶然知り合ったロベルト・ベニーニが代りに歯医者に行く第一話「奇妙な出会い」、男女の双子を前にスティーヴ・ブシェミーがプレスリー双子説を展開する第二話「双子」などユーモラスな話が多い。
有名な役者(歌手)が本人もしくは本人を思わせる人物として登場するのは、トム・ウェイツとイギー・ポップが禁煙成功を祝って煙草を吸う第三話「カリフォルニアのどこかで」、女優ケイト・ブランシェットとアングラ歌手の従姉(ケイト二役)とが味わう違和感を描く第七話「いとこ同士」、男優アルフレッド・モリーナが男優スティーヴ・クーガンに実はいとこ同士なんだと知らせるがクーガンが相手を信用せず電話番号を教えなかった事を後悔する事になる第九話「いとこ同士?」、従兄弟同士でラッパーのGZAとRZAがカフェイン狂の男優ビル・マーリーと出会ってご機嫌という第十話「幻想」である。
1986年から撮り溜めたものと言うが、演出スタイルが変わらず、また、モノクロ故に時代の差を感じさせない。恐らく第三話辺りは古い作品ではないかな。
学生時代にコーヒーを飲みすぎて胃を壊してしまって以来余り飲まないし、煙草は吸ったことがないので登場人物の味わう気分は殆ど解らないが、そんなことはモノクロの煙の美しさの前にはどうでも良い。ユーモアとかすかなペーソスで彩られる人生の断片を楽しむのも良いが、一番楽しめるのは光と影のコントラストだ。
禁煙者 成功祝いに タバコ吸い
2003年アメリカ映画 監督ジム・ジャームッシュ
ネタバレあり
有名になっても決してメジャー流の作品を撮ることがないジム・ジャームッシュが、コーヒーと煙草にまつわる11編を集めたモノクロのオムニバス映画。平均上映時間8分、小説で言えばショートショートですね。
歯医者に行きたくないスティーヴン・ライトの悩みを解消すべく、偶然知り合ったロベルト・ベニーニが代りに歯医者に行く第一話「奇妙な出会い」、男女の双子を前にスティーヴ・ブシェミーがプレスリー双子説を展開する第二話「双子」などユーモラスな話が多い。
有名な役者(歌手)が本人もしくは本人を思わせる人物として登場するのは、トム・ウェイツとイギー・ポップが禁煙成功を祝って煙草を吸う第三話「カリフォルニアのどこかで」、女優ケイト・ブランシェットとアングラ歌手の従姉(ケイト二役)とが味わう違和感を描く第七話「いとこ同士」、男優アルフレッド・モリーナが男優スティーヴ・クーガンに実はいとこ同士なんだと知らせるがクーガンが相手を信用せず電話番号を教えなかった事を後悔する事になる第九話「いとこ同士?」、従兄弟同士でラッパーのGZAとRZAがカフェイン狂の男優ビル・マーリーと出会ってご機嫌という第十話「幻想」である。
1986年から撮り溜めたものと言うが、演出スタイルが変わらず、また、モノクロ故に時代の差を感じさせない。恐らく第三話辺りは古い作品ではないかな。
学生時代にコーヒーを飲みすぎて胃を壊してしまって以来余り飲まないし、煙草は吸ったことがないので登場人物の味わう気分は殆ど解らないが、そんなことはモノクロの煙の美しさの前にはどうでも良い。ユーモアとかすかなペーソスで彩られる人生の断片を楽しむのも良いが、一番楽しめるのは光と影のコントラストだ。
禁煙者 成功祝いに タバコ吸い
この記事へのコメント
たぶんあれじゃ売れないでしょうが・・。
健康志向のラッパーがいると思えば、禁煙成功を祝ってタバコを吸う禁煙者。いかにもジャームッシュらしいおとぼけぶりが楽しいですね。「ストレンジャー・ザン・パラダイス」はこの感覚を延長させた感じかな。
>カオリさん
モノクロは形が良く出るので私は好きです。退色がないというメリットもあって愛好する監督も少なくないですね。
あのでかいので飲むなんて、いかにもビル・マーレーらしいクレイジーぶりでしたね。
ジム・ジャームッシュのおとぼけスタイルは恐らくは考えられている以上に今の映画界に定着している、と思います。
ガイ・リッチーの作品はタランティーノだけでなく、ジャームッシュの香りが漂います。ジャームッシュはタランティーノにすら或いは影響を与えているかもしれません。
もっと評価されるべき才能ですよね。
>コーヒー
私は大学時代の一夜漬けでやられました。最近再び少し飲むようになりましたが、速く飲むと気持ち悪くなってしまうので、ちびりちびりと。
なるほど。
そういう見方もできますね。