映画評「マイ・ボディガード」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2004年アメリカ映画 監督トニー・スコット
ネタバレあり
A・J・クィネルの小説「燃える男」をトニー・スコットが映画化したサスペンス・アクション。
米軍の対テロ部隊の精鋭だったデンゼル・ワシントンがメキシコの若い実業家マーク・アンソニーの9歳になる娘ダコタ・ファニングを同国で頻発している誘拐から守る役目を負う。過去を贖罪できぬまま自殺にも失敗した彼は少女に水泳を指導するなどして交流を深めていくが、ピアノ教室に出かけた時に事件勃発、4人を射殺しながらも重傷を負い、ダコタを奪われてしまう。 彼が生死を彷徨っている間弁護士ミッキー・ロークを介した身代金受渡しは妨害者の出現で失敗に終り、犯人は少女を殺害したと報告、生還した直後それを聞いたワシントンは復讐の鬼と化し、誘拐に関係した人々を次々と抹殺していく。
先日の「セルラー」同様こちらも警官が誘拐事件に絡んでいて、欧米の警官は汚職漬けの印象が免れず困ったものだが、トニー・スコットは(余り感心しない演出だが)多重露出にスローモーションなどを駆使してハッタリを相当効かせ、先日の復讐アクション「パニッシャー」に比べると遥かに重量級である。
しかし、明朗快活なダコタ嬢が開巻後50分で姿を消すと展開が意外と鈍重になってしまう。ワシントン演ずる元殺し屋が信心深くてその人物像を描くのに手間取っているのである。作品の性格を考えるとこれでは困る。終盤ももうひとひねり欲しいところで、結局最大の収穫はダッコちゃんならぬダコタちゃんということになりますかな。
2004年アメリカ映画 監督トニー・スコット
ネタバレあり
A・J・クィネルの小説「燃える男」をトニー・スコットが映画化したサスペンス・アクション。
米軍の対テロ部隊の精鋭だったデンゼル・ワシントンがメキシコの若い実業家マーク・アンソニーの9歳になる娘ダコタ・ファニングを同国で頻発している誘拐から守る役目を負う。過去を贖罪できぬまま自殺にも失敗した彼は少女に水泳を指導するなどして交流を深めていくが、ピアノ教室に出かけた時に事件勃発、4人を射殺しながらも重傷を負い、ダコタを奪われてしまう。 彼が生死を彷徨っている間弁護士ミッキー・ロークを介した身代金受渡しは妨害者の出現で失敗に終り、犯人は少女を殺害したと報告、生還した直後それを聞いたワシントンは復讐の鬼と化し、誘拐に関係した人々を次々と抹殺していく。
先日の「セルラー」同様こちらも警官が誘拐事件に絡んでいて、欧米の警官は汚職漬けの印象が免れず困ったものだが、トニー・スコットは(余り感心しない演出だが)多重露出にスローモーションなどを駆使してハッタリを相当効かせ、先日の復讐アクション「パニッシャー」に比べると遥かに重量級である。
しかし、明朗快活なダコタ嬢が開巻後50分で姿を消すと展開が意外と鈍重になってしまう。ワシントン演ずる元殺し屋が信心深くてその人物像を描くのに手間取っているのである。作品の性格を考えるとこれでは困る。終盤ももうひとひねり欲しいところで、結局最大の収穫はダッコちゃんならぬダコタちゃんということになりますかな。
この記事へのコメント
この作品、前半と後半の印象があまりにも違ってびっくりしちゃいました。
ハードボイルドだったんだぁ・・・って(^o^;
人物像を頑張って描いていた割には、「ふーん、こんな話なんだ」で終わってしまった(笑)
ダコちゃんは、だんだん大人っぽい演技になりすぎて少しその辺が鼻につくのが気になってしまいました。まぁ、最近のお子チャマたちもこまっしゃくれているから当たり前なのかもしれないんですけどネ。
外装ががっちりしている割には、インテリアが貧しい、そんな感じの作品でしたね。
>ダコちゃん
日本にはえなりかずきというとっつぁん小僧がいますけど、ダコちゃんは、細菌恐怖症の少女を演じたり、年齢にふさわしからぬ役柄を得意とするようです。
デンゼルとは、息が合うみたいですね。
>撮影手法
サブリミナル的な短いショットの積み重ねはちょっと目に悪い気がするんですよねえ。^^;
「デジャヴ」は割合落ち着いて観られましたが、時間SF的に疑問が多かったので、評価できませんでした。残念。
>インディ
そうなのかもしれませんね。
若い時のマーティン・スコセッシみたいな感じ?
スコセッシは今や完全にメジャー映画のMORですけどね。
>デンゼル
特に若い時は格好良いと思いました。ホモじゃないけど(笑)。