映画評「Shall we Dance?」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2004年アメリカ映画 監督ピーター・チェルソム
ネタバレあり
日本映画の傑作「Shall we ダンス?」のリメイクで、人物構成など基幹部分は殆どオリジナルと同じ。
家庭と事務所を往復する日常に嫌気が差している遺言作成専門の弁護士リチャード・ギアが、電車から見えたダンス教室の窓に佇む美人教師ジェニファー・ロペスに惹かれ、不純な動機で入門するが、やがてダンスそのものに夢中になっていく。
その合間に妻スーザン・サランドンが夫の浮気を疑ったり、ジェニファーが1年前の挫折に苛まれるといったドラマを描きながら、いよいよダンス・コンテストの日が訪れる。
人生賛歌を歌い上げたオリジナルは元々アメリカ映画的なテイストがある傑作中の傑作なので、アメリカで公開されることが決まった時にリメイクされる運命だったと思う。
既に述べたようにお話の骨格はオリジナルと同じ、細部にも共通性が高いので、オリジナルを観た人には新味が感じられないわけだが、物語の完成度が高いのでそれなりに楽しめる。
ダンス教室の人々はオリジナルのイメージを踏襲していて、特にリサ・アン・ウォルターは渡辺えり子と声質まで近く、思わずニヤリ。先生のアニタ・ジレットと草村礼子も相似性が高く、長髪のかつらを被る竹中直人にはスタンリー・トゥッチという配役も面白い。
但し、主人公からは庶民の哀感はなくなり、ヒロインの線も太くなり、オリジナルの叙情性に比べ、(家族の絆が復活するといった部分で)理詰めになっている感じがするのは極めてアメリカ映画らしいと言うべきである。
2004年アメリカ映画 監督ピーター・チェルソム
ネタバレあり
日本映画の傑作「Shall we ダンス?」のリメイクで、人物構成など基幹部分は殆どオリジナルと同じ。
家庭と事務所を往復する日常に嫌気が差している遺言作成専門の弁護士リチャード・ギアが、電車から見えたダンス教室の窓に佇む美人教師ジェニファー・ロペスに惹かれ、不純な動機で入門するが、やがてダンスそのものに夢中になっていく。
その合間に妻スーザン・サランドンが夫の浮気を疑ったり、ジェニファーが1年前の挫折に苛まれるといったドラマを描きながら、いよいよダンス・コンテストの日が訪れる。
人生賛歌を歌い上げたオリジナルは元々アメリカ映画的なテイストがある傑作中の傑作なので、アメリカで公開されることが決まった時にリメイクされる運命だったと思う。
既に述べたようにお話の骨格はオリジナルと同じ、細部にも共通性が高いので、オリジナルを観た人には新味が感じられないわけだが、物語の完成度が高いのでそれなりに楽しめる。
ダンス教室の人々はオリジナルのイメージを踏襲していて、特にリサ・アン・ウォルターは渡辺えり子と声質まで近く、思わずニヤリ。先生のアニタ・ジレットと草村礼子も相似性が高く、長髪のかつらを被る竹中直人にはスタンリー・トゥッチという配役も面白い。
但し、主人公からは庶民の哀感はなくなり、ヒロインの線も太くなり、オリジナルの叙情性に比べ、(家族の絆が復活するといった部分で)理詰めになっている感じがするのは極めてアメリカ映画らしいと言うべきである。
この記事へのコメント
だってダンスってもともとアメリカからきたものでしょ?日本人の中年男性が「ダンスを習う気はずかしさ」とは違ってどうも背景に説得力がないような感じ。でもこういったテーマはリメイクできるけど、国民性で絶対西洋人にリメイクできないのは「忠臣蔵」よね・・・なんて^^;
>男性が「ダンスを習う気はずかしさ」
ミュージカル(映画)が戦前から全く人気のない日本ですから、その指摘は素晴らしいですね。
あの映画でも脇役の男性陣には多少のちぐはぐさがあったのような気がしますが、リチャード・ギアは決まりすぎで興醒めでもないですね。
>「忠臣蔵」
西洋に滅私奉公はありません! それに近い"All for one"という考えも、前提が"One for all"ですからね。
「三銃士」ですね!何回も映画化されていますね。クリス・オドンネルのダルタニアンも記憶に新しいです。それから「アーサー王と円卓の騎士物」も似ているといえますね。忠誠を誓っていると言う点で。
デュマが「三銃士」を書いた時、「アーサー王伝説」が頭にあった可能性がありますね。
最新版の「三銃士」は確か最後の音楽がロッド・スチュワートで、気分ぶち壊しでした。邦題はカタカナでしたっけ? 何だか味気ない。
どっちもいいけど、カラっとしすぎているよりもオリジナルの方が私は好きです(笑)
リチャード・ギアは踊りなれすぎててかっこよすぎちゃった(^o^;
この映画の中で、ダンス教室のみんながショウウインドウのテレビに映っている映画?を観てる場面がありましたが、その映像はなんのものかご存知ですか?
赤いドレスの女性と白いスーツの男性が踊っている映像です。
もし知っていたら教えてください<(_ _)>
その場面自体を憶えていないので、確認してみます。日曜日にWOWOWで再放映されるようですので。
お待ちください。
昔カタカナで覚えたのでチャリシで良いのかどうか・・・
先走ってすみません!^^;
うとうとした時間帯があったので、その時にあったのかもしれませんが、「バンドワゴン」の可能性が高いですね。
明日確認しますねえ。
Lisaさんもレスしていただいてありがとうございます!
面倒だと思いますが、よろしくお願いします<(_ _)>
始まって50分くらいのところで、意外なほど長く流れていましたね。うー、不覚でした。
Lisaさん、ご名答です。間違いなくミュージカルの名作「バンドワゴン」ですね。傑作中の傑作ですが、上級ミュージカル・ファン向けといった印象。
男性はタップの名人フレッド・アステア、女性はシド・チャリシですが、シド・チャリシー、シド・チャリッシ、シド・チャリースなどの表記があります。シド・チャリシー辺りで問題ないでしょう。
あの映像がとても気になって、最初から全部観たいと思って調べたのですがどうしてもわからず、「オカピーさんならご存知かも」と思ってつい甘えてしまいました(^▽^;)
「バンドワゴン」早速探してみます!
どうもありがとうございました。
この作品は、オリジナルとくらべ似て非なるものと感じました。
リメイクは家族再生がテーマになっちゃいましたね。9・11以降の定番テーマで、オリジナルのわび・さびとは程遠いです。