映画評「アナコンダ2」

☆★(3点/10点満点中)
2004年アメリカ映画 監督ドワイト・H・リトル
ネタバレあり

続編なので「アナコンダ2」というタイトルはやむを得ないが、anacondaという英単語の持つ二つの意味はきちんと区別せねばならない。一つはアマゾン流域に住む大蛇アナコンダであり、もう一つは大蛇という一般名詞。
 インドネシアのボルネオを舞台にしているにも拘わらず、この作品の字幕は平気で<アナコンダ>で通されている。子供の時代から動物に親しんでいる僕にはこれは許せない。ボルネオに棲息している大蛇はニシキヘビでしょうに。正確にはアミメニシキヘビ。

不老の新薬製作の為に1年に1度咲くという幻の蘭を求めてボルネオの密林に入った科学者チームが現地に詳しい白人ジョニー・メスナーの船で出発、途中で大蛇(うわばみ)に一人飲み込まれた後、ついに蘭の咲く秘境に辿り着くが、そこは大蛇の住処だった、というお話。

もたもたしたプロローグが終ってやっとジャングル行きになっても、なかなかピンチらしいピンチに遭遇しない。50年前の冒険活劇「キング・ソロモン」だってもっと盛大に次々と危難を設定していますぜ。
 一番最初のサスペンスも脚本レベルで笑止。チームの女性がワニのいる川に落ちても現地に詳しいはずのメスナーが何にもしない。いざワニが出始めてから水先案内人が動き出すようでは、この旅(映画)先行き不安でございました。

CGの大蛇も何だか味気ない。蛇が主役だけに邪劇ならぬ蛇劇と言うべし。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック