映画評「荒野の貴婦人」

☆☆☆(6点/10点満点中)
1955年アメリカ映画 監督マーヴィン・ルロイ
ネタバレあり

「心の旅路」などメロドラマがお得意のマーヴィン・ルロイが同作に主演したグリア・ガースンと再び組んだメロドラマ仕立ての西部劇。

弟が軍人として過している西部に当時珍しい女医グリアが開業しに訪れる。開業といっても基本的に無償なのでどうやって生計していくのか謎で、とにかく先に開業していたデーナ・アンドリューズにとっては邪魔な存在であるが、男やもめ故に美しい彼女に傾いていく。
 これに不良軍人の弟キャメロン・ミッチェルと彼の娘ロイス・スミスの恋模様などが加わり、最後は彼が暴走して大騒ぎになる。

ルロイとしては極めて凡庸だが、19世紀後半ではまだ女医という存在が相当煙たがられていた事情が強調されて描かれているのが僅かに興味をそそる。「ベン・ハー」を書いたルー・ウォーレス将軍が舞踏会に顔を見せるのも珍しい。

TVの小さな画面で幸いだが、グリアの容色の衰えが目立つ。

この記事へのコメント

ぶーすか
2006年06月01日 16:07
TB&コメント有難うございます。こちらにもTBさせて下さい。そこそこのB級作品という感じでしたが、男勝りの女医を演じるグリアが艶やかで、ロマンス系娯楽として楽しめましたが…
<グリアの容色の衰えが目立つ
そうだったんだ…。若い頃はもっとすごい美人ってことでしょうねー。「ミニヴァー夫人」や「キュリー夫人」など彼女の他の作品を観てないので観てみたいです。
オカピー
2006年06月01日 17:40
ぶーすかさん、こんばんは。
いやいやB級なんてことはありません。監督が一流のマーヴィン・ルロイ、些かトウがたったとは言え、グリア・ガースンとデーナ・アンドリューズの主演、助演のキャメロン・ミッチェルも主役級。映像も金のかかるシネマスコープで、内容も大会社が好きなメロドラマ。
が、脚本と撮影は余り宜しくありませんね。役者も全盛期を過ぎた印象で、うすぼけた感じがしました。
グリアに関しては、カメラマンの問題もあるかもしれません。

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