映画評「甘い人生」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2005年韓国 監督キム・ジウン
ネタバレあり
キム・ジウンの前作「箪笥」は映像上のインチキがありホラーとしても映画としても感心出来なかったが、こちらはフィルム・ノワールとして実にパンチがある。
ホテルのマネージャーに登りつめたイ・ビョンホンが、ホテルを経営する暗黒街のボスであるキム・ヨンチョルから若い恋人シン・ミナの動向を監視し、「もし男がいれば二人とも始末しろ」と厳命されるが、彼女に近づくうちに惹かれるものを感じ、そうした状況になった時彼は命令を実行出来ない自分に気付く。その結果強烈な拷問を受けるが、しぶとく生き残り復讐に立ち上がる。
極めてシンプルな物語であるが、単純な物語は映像のバックアップさえあれば力強く語ることができるという持論を半ば証明してくれたような印象をある。
初老の社長が恋人と称する彼女はまだ少女と言っても良いほど若く、彼女がチェロを演奏する場面の爽やかさは、血みどろになっていく後半へと強烈なコントラストを成し、なかなか効果的に扱われている。
丁度半分くらい進行した頃から映画はバイオレンス・オンリーになっていき、土中に埋められた彼が這い上がって復讐に立ち上がる様は同じような場面のある「キル・ビル」を思い起こさせるが、挌闘シーンは誤魔化しがなく迫力がある。ほぼ1時間バイオレンスばかりながら、おんぼろアパートでのガンプレイ、スケートリンクでの挌闘、ホテルでのハイド・アンド・シーク的なアクションと変化に富み、意外なほど退屈しない。
ミドルからロングショットではスタンドインも使っているのだろうが、イのアクションも見事。
世間もようやく「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」で火が付き「マトリックス」で(人気の)頂点に達した感のあるワイアー・アクションの欺瞞に気付いてきたようだ。
2005年韓国 監督キム・ジウン
ネタバレあり
キム・ジウンの前作「箪笥」は映像上のインチキがありホラーとしても映画としても感心出来なかったが、こちらはフィルム・ノワールとして実にパンチがある。
ホテルのマネージャーに登りつめたイ・ビョンホンが、ホテルを経営する暗黒街のボスであるキム・ヨンチョルから若い恋人シン・ミナの動向を監視し、「もし男がいれば二人とも始末しろ」と厳命されるが、彼女に近づくうちに惹かれるものを感じ、そうした状況になった時彼は命令を実行出来ない自分に気付く。その結果強烈な拷問を受けるが、しぶとく生き残り復讐に立ち上がる。
極めてシンプルな物語であるが、単純な物語は映像のバックアップさえあれば力強く語ることができるという持論を半ば証明してくれたような印象をある。
初老の社長が恋人と称する彼女はまだ少女と言っても良いほど若く、彼女がチェロを演奏する場面の爽やかさは、血みどろになっていく後半へと強烈なコントラストを成し、なかなか効果的に扱われている。
丁度半分くらい進行した頃から映画はバイオレンス・オンリーになっていき、土中に埋められた彼が這い上がって復讐に立ち上がる様は同じような場面のある「キル・ビル」を思い起こさせるが、挌闘シーンは誤魔化しがなく迫力がある。ほぼ1時間バイオレンスばかりながら、おんぼろアパートでのガンプレイ、スケートリンクでの挌闘、ホテルでのハイド・アンド・シーク的なアクションと変化に富み、意外なほど退屈しない。
ミドルからロングショットではスタンドインも使っているのだろうが、イのアクションも見事。
世間もようやく「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」で火が付き「マトリックス」で(人気の)頂点に達した感のあるワイアー・アクションの欺瞞に気付いてきたようだ。
この記事へのコメント
そうきましたか~。 私の感想とはかなり違いますが、そのうち感想文を書きたいと思っていますのでその時は読んでくださいね。 叱られそうで心配ですけど…。
楽しみじゃ、楽しみじゃ(笑)。
冗談はともかく、最近ですね、長い間暗闇に覆われていた娯楽映画にやっと曙光が射してきたな、という印象があるのです。
シンプルな設定と展開、CGやワイヤーアクションを使わない作品が出てきたことです。「コラテラル」や「セルラー」はそうした映画の原点に立ち戻った佳作で、この作品はそこまでは行かないまでも、素のアクションが良い。それをいつまでも引っ張らずに別の場面へと転換するのも好感が持てましたよ。
見慣れた香港風カンフーアクションではなく、ギャング風あるいはヤクザ映画風の、痛さが伝わってくるような、殴り合いのシーンは迫力がありましたね。
深作欣二の簡潔性を見習えというkimionさんの一言には全く納得です。
ただ、トリックを使わないアクション、しかもこれだけパンチのあるアクションは90年代以降殆ど見られなくなっただけに「いかすな」と思いました。