映画評「サハラ -死の砂漠を脱出せよ-」
☆☆★(5点/10点満点中)
2005年アメリカ映画 監督ブレック・アイズナー
ネタバレあり
冒険映画は幾つかのジャンルに小分類できるが、現在最も人気があるのは「インディ・ジョーンズ」シリーズを頂点とする<宝探し>もの、流行の言葉で言うと<トレジャー・ハンター>ものであろう。
これはクライヴ・カッスラーの冒険小説「ダーク・ピット」シリーズをTV出身のブレック・アイズナーが映画化したもの。
主人公ダーク・ピット(マシュー・マコナヘー)は、南北戦争中に南軍が作った金貨を何故かナイジェリアで発見、140年前その金貨を積載したまま姿を消した甲鉄艦を探しに、相棒スティーヴ・ザーンと共にニジェール川上流のマリに向う。
彼らに謎の疫病を調査の為にマリに向いたい世界保健機構の医師ぺネロぺ・クルスが同行するが、途中で降りてしまうとは、四人がかりの脚本としては誠に智恵がない。再会することが目に見えているのだから話を直線的にすることに徹したほうが分かり易く、かつ、時間が短縮出来るので相対的に中味が濃くなったはずである。
さて、マリは軍事政権の独裁者と対抗勢力が攻めぎあう内戦状態で、非常に危険なわけだが、そこを突破するのが冒険家たる所以。疫病の原因らしい地下水を辿っていき、地上の太陽発電所に偽装した核廃棄物処理場を、ついでに甲鉄艦の残骸を発見するのである。
逮捕された二人が手錠を繋いだまま車から逃げたのが見通しの利くだだっ広い砂漠なのに誰も追ってこないなど、ご都合主義的な展開はこの手の作品では常なので多少大目に見るとして、アクションの見せ場は多い割りに、面白いかどうかと言えば余り面白くない。先に述べたように中盤まで話を直線的に展開できなかったこと、それにより些か上映時間が長くなったことが要因だが、場面の繋ぎにもTV的な雑な部分が見受けられる。
こういう同系列の作品を観ると、「インディ・ジョーンズ」シリーズにおけるスティーヴン・スピルバーグの話術の上手さがよく解る。
2005年アメリカ映画 監督ブレック・アイズナー
ネタバレあり
冒険映画は幾つかのジャンルに小分類できるが、現在最も人気があるのは「インディ・ジョーンズ」シリーズを頂点とする<宝探し>もの、流行の言葉で言うと<トレジャー・ハンター>ものであろう。
これはクライヴ・カッスラーの冒険小説「ダーク・ピット」シリーズをTV出身のブレック・アイズナーが映画化したもの。
主人公ダーク・ピット(マシュー・マコナヘー)は、南北戦争中に南軍が作った金貨を何故かナイジェリアで発見、140年前その金貨を積載したまま姿を消した甲鉄艦を探しに、相棒スティーヴ・ザーンと共にニジェール川上流のマリに向う。
彼らに謎の疫病を調査の為にマリに向いたい世界保健機構の医師ぺネロぺ・クルスが同行するが、途中で降りてしまうとは、四人がかりの脚本としては誠に智恵がない。再会することが目に見えているのだから話を直線的にすることに徹したほうが分かり易く、かつ、時間が短縮出来るので相対的に中味が濃くなったはずである。
さて、マリは軍事政権の独裁者と対抗勢力が攻めぎあう内戦状態で、非常に危険なわけだが、そこを突破するのが冒険家たる所以。疫病の原因らしい地下水を辿っていき、地上の太陽発電所に偽装した核廃棄物処理場を、ついでに甲鉄艦の残骸を発見するのである。
逮捕された二人が手錠を繋いだまま車から逃げたのが見通しの利くだだっ広い砂漠なのに誰も追ってこないなど、ご都合主義的な展開はこの手の作品では常なので多少大目に見るとして、アクションの見せ場は多い割りに、面白いかどうかと言えば余り面白くない。先に述べたように中盤まで話を直線的に展開できなかったこと、それにより些か上映時間が長くなったことが要因だが、場面の繋ぎにもTV的な雑な部分が見受けられる。
こういう同系列の作品を観ると、「インディ・ジョーンズ」シリーズにおけるスティーヴン・スピルバーグの話術の上手さがよく解る。
この記事へのコメント
この後観た「ナショナル・トレジャー」のほうが脚本の練り度が数段上で、密度が濃く感じました。マコナヘーの役柄も最近変わってきたなあ、という印象。シリーズ化は出来そうだけど、このスタッフじゃダメです。
見ている最中は、ワハハハハっと笑えるのに見終わったあとで、あれ?どんな話だったっけ??と印象が薄い感じがしました。
正直一週間後にレビューを書こうとしたら、どんな話なのかすっかり忘れてしまってました(^o^;
こちらからもTB返させていただきますね♪
原作レベルの問題ですが、南北戦争とアフリカを結びつけるのは些か強引。欧州とアフリカならわかるのですが。