映画評「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1981年日本映画 監督・山田洋次
ネタバレあり

「男はつらいよ」シリーズは第1作を除いてテーマ【映画 あ行】から省きましたので、テーマ【山田洋次】にて検索をお願い致します。

下記は2002年11月に記したものです。

シリーズ第27作。

大坂で芸者をしている松坂慶子がマドンナだが、彼女には少女時代に別離となった弟がいる。音信不通だが寅さんが奔走して行方を掴み、その足で彼の勤める運送会社へ向う。が、難病を患って半年前に姉を思いながら死去したことを知らされる。

辛い内容である。
 終盤はともかく、中盤にこうした展開になるのは48作作られたシリーズでも余り例がない。彼女が見合い結婚をして対馬で夫を手伝って暮らしている様子が描かれて幕切れというのも珍しい。結末のつけ方にさすがの山田洋次も苦労したのかもしれない。

この作品から満男役が、中村はやと君から吉岡秀隆に代わった。

この記事へのコメント

蟷螂の斧
2025年04月25日 04:44
おはようございます。昨夜見ました。あまり評価が高くない作品のようですが、僕は意外なことに最初から最後まで楽しんで見ました。
マドンナ(松坂慶子)と旅先で知り合うけど、寅さんがとらやに戻り、そしてマドンナがそこに来るまで時間が随分かかる。また、マドンナがとらやの2階に泊まる事はない。斬新でした。芦屋雁之助、庄司照枝、庄司花江、大村崑と言ったメンバーが出たのも良かったです。
オカピー
2025年04月25日 21:42
蟷螂の斧さん、こんにちは。

>あまり評価が高くない作品のようです

世評より自分の目を信じます。但し、これは他人の意見を尊重しないという意味にあらず。個々には非常に優れた分析もあり、大いに参考になったりもします。

>マドンナ(松坂慶子)と旅先で知り合うけど、寅さんがとらやに戻り、そしてマドンナがそこに来るまで時間が随分かかる

23年も前に観たきりなので記憶がはっきりしませんが、そうだったかもしれません。
お話の構成故に幕切れに苦労したのではないか、というのがその時の印象だったようです。
蟷螂の斧
2025年04月26日 05:41
おはようございます。他のブログの管理人さんが教えて下さったのですが、いろいろな事情があって松坂慶子がマドンナに選ばれたんですね。彼女が喋る関西弁にはどうも違和感がありました(苦笑)。結婚相手役は斎藤洋介。彼の名前が売れた頃ですね。二人で小さな寿司屋を営む。そう言えば浅丘ルリ子の時もそう言う設定でしたね。
僕は新婚時代に妻と1泊2日で大阪に行きました。通天閣にも行きました。あのあたりはちょっと怖かったです。
オカピー
2025年04月26日 21:19
蟷螂の斧さん、こんにちは。

>いろいろな事情があって松坂慶子がマドンナに選ばれたんですね。

非相思相愛だったのが、やがて歩み寄ったようです。
末期の第46作で再登場もしました。

>彼女が喋る関西弁にはどうも違和感がありました(苦笑)

大半の映画において方言は記号にすぎないので、実際と違っても問題はないというのが僕の立場ですが、寅さんは各地を行脚する為、正確であったほうが良いでしょうね。
彼女の話し方は個性が強いので、標準語以外は厳しいかもです。

>結婚相手役は斎藤洋介。彼の名前が売れた頃ですね。

TVに多く出ていたようですね。
多分当時僕は認識してなかったと思います。僕が名前と顔が一致したのは90年代だったでしょう。

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