映画評「ポーラー・エクスプレス」
☆☆★(5点/10点満点中)
2004年アメリカ映画 監督ロバート・ゼメキス
ネタバレあり
最近の映画、特にハリウッド映画は実写と称しながら大半をCGが占める<なんちゃって実写映画>が多くなっていて、考え方によってはハリウッド映画はアニメ映画に占拠されている状態である。
それならいっそ全面CGのアニメ映画の方が余程宜しいが、ロバート・ゼメキスが共同製作・共同脚本を兼ねて映画化した本作にはかなりの疑問を持つ。何故ならこの作品のキャラクターは実際の人間に演技してもらったものを投影して作られている(パフォーマンス・キャプチャーという)からである。それなら最初から人間が演じても良いではないか。そういう意味ではこれは<なんちゃってCGアニメ>である。
クリス・ヴァン・オールズバーグの絵本を原作とする物語は、「ピーター・パン」の主題と一部重なる部分があるもので、サンタクロースに疑問を感じている少年が、北極圏へ向う特急列車に乗り、サンタクロースに逢い、素直な少年的な心を取り戻す。
要は<信じることの素晴らしさ>をテーマにしているわけだが、大人が観るには些か見え透いた内容であり作り方である。ハリウッド・アニメの限界を見る思いがする。
しかし、こういう冒険談は完全実写ならかなり盛り上がる。何故なら美術・装置や撮影に相当の工夫が必要だからで、多少稚拙でもそれが却って楽しめるのが数十年前の特撮映画であった。観客はCGになって多くを与えられるようになったと思いがちだが、実は多くを失ったのではないかと思う。
アメリカ製アニメの例に洩れず、本作もディズニーが70年前に作り出したセミ・ミュージカル・スタイルに固執していて、これもどうにかならないものか。
一人で六役の声を演じ分けたトム・ハンクスは誉めるに値するだろう。子供の声まで出せるとは驚いた。
2004年アメリカ映画 監督ロバート・ゼメキス
ネタバレあり
最近の映画、特にハリウッド映画は実写と称しながら大半をCGが占める<なんちゃって実写映画>が多くなっていて、考え方によってはハリウッド映画はアニメ映画に占拠されている状態である。
それならいっそ全面CGのアニメ映画の方が余程宜しいが、ロバート・ゼメキスが共同製作・共同脚本を兼ねて映画化した本作にはかなりの疑問を持つ。何故ならこの作品のキャラクターは実際の人間に演技してもらったものを投影して作られている(パフォーマンス・キャプチャーという)からである。それなら最初から人間が演じても良いではないか。そういう意味ではこれは<なんちゃってCGアニメ>である。
クリス・ヴァン・オールズバーグの絵本を原作とする物語は、「ピーター・パン」の主題と一部重なる部分があるもので、サンタクロースに疑問を感じている少年が、北極圏へ向う特急列車に乗り、サンタクロースに逢い、素直な少年的な心を取り戻す。
要は<信じることの素晴らしさ>をテーマにしているわけだが、大人が観るには些か見え透いた内容であり作り方である。ハリウッド・アニメの限界を見る思いがする。
しかし、こういう冒険談は完全実写ならかなり盛り上がる。何故なら美術・装置や撮影に相当の工夫が必要だからで、多少稚拙でもそれが却って楽しめるのが数十年前の特撮映画であった。観客はCGになって多くを与えられるようになったと思いがちだが、実は多くを失ったのではないかと思う。
アメリカ製アニメの例に洩れず、本作もディズニーが70年前に作り出したセミ・ミュージカル・スタイルに固執していて、これもどうにかならないものか。
一人で六役の声を演じ分けたトム・ハンクスは誉めるに値するだろう。子供の声まで出せるとは驚いた。
この記事へのコメント
CGに関しては一切コメントしなかった私ですが・・・、実は初めの4分の1くらいは、かなり違和感を感じていました(^^;
でも、その後はストーリーにのめりこんでいきさほど気にならなくなっちゃった(笑)
そのおかげなのか、感想はストーリーのみで書くことができました(笑)
原作の絵本も未見なので、余計にかもしれません。
ただ、どうしてあんな手の込んだアニメ合体作品にしたのかは、私にも理解が出来ませんけど・・・(^^;
ひょっとすると人と違うことがやってみたかったんでしょうかね?ゼメキス監督は??(笑)
最近かなり辛口になっております。
物語は、そうですね、「ピーター・パン」なわけですが、中途半端に凝ってしまっているかなあという感じです。私などのように物語では動かされなくなっているベテランになりますと、子供向けはもっと純粋に、大人向けはもっと難しく、といった思いが強くなるのです。