映画評「ふしだらな女」

☆☆★(5点/10点満点中)
1927年イギリス映画 監督アルフレッド・ヒッチコック
ネタバレあり

アルフレッド・ヒッチコック第5作。
 デビュー作「快楽の園」以来ヒッチコックは、祖国イギリスの小説家・劇作家の作品を積極的に取り上げてきたわけだが、この作品は当時新進気鋭だったノエル・カワードの戯曲を映画化したドラマである。カワードはご存知のように20世紀を代表する劇作家になった。

夫の暴力に耐え切れず画家と不倫関係に陥ったイザベル・ジーンズは、夫が画家に射殺された後の遺産問題で生き恥を晒した後、気分転換に地中海へ出かける。ここで祖国の富豪令息ロビン・アーヴァインと恋に落ちて結婚するが、尊大は彼の家族は正体不明の彼女を嫁として迎えようとしない。やがて記者により彼女の過去が暴露されるが自分を護ろうともしない夫に愛想を付かして去っていく。

がっちりした物語でヒッチコックもきちんと作っているが、完全な引き受け仕事らしく、やる気を出して作っているようには見えず、ヒッチコック研究にも参考になりそうなところは殆どない。時間のある方だけどうぞ、といったところ。

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