映画評「80日間世界一周」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
1956年アメリカ映画 監督マイケル・アンダースン
ネタバレあり
ジュール・ヴェルヌの代表作たる冒険小説の最初の本格映画化。大変な豪華版である。
1872年、英国紳士デーヴィッド・ニーヴンがクラブのメンバーと80日間で世界一周できるか賭けをし、雇ったばかりのメキシコ人カンティンフラスを従者に気球で出発。
フランスは眼下に眺めるだけで最初降りる国はスペイン。フラメンコと闘牛を堪能する。カンティンフラスはメキシコ人だから闘牛に駆り出されてしまうが、芸風から判断して彼はメキシコのチャップリンと言うべき存在であろう。
褒美として船を貸してもらった彼らはエジプトを経てインドへ。インドでは列車で立ち往生して為に象に乗ってジャングルを横断、殉死しそうになったお姫様シャーリー・マクレーンを救出するが、結局最後までお付き合いすることになる。ついでにニーヴンを付け回す英国の官憲ロバート・ニュートンもお供に。
香港の後鎌倉の場面があるが、明治5年に人々はまだちょん髷をまだ結っていたかしら。細かいことはともかく、サンフランシスコからは再び列車の旅になるが、ここでジョン・キャラディーンが数多いゲスト出演者の一人として登場、彼が出演した「駅馬車」のパロディー場面を展開してくれるのが嬉しい。
その他ここではマレーネ・ディートリッヒやジョージ・ラフトやフランク・シナトラがお得意の役柄で賑やかしております。
米国横断中に襲撃されたカンティンフラスがインディアンに縛られて危機に陥る場面は、リメイクの「80デイズ」ではジャッキー・チェンの故郷の村で再現されている。そんなこんなで果たして賭けはいずれの勝利となるか・・・は観てのお楽しみとして、「80デイズ」とは趣きが大分違っていることに気付く。
主役を演ずる俳優の性格もあるが、やはり50年近い時間の流れが大きい。一般市民の海外旅行が当たり前でなかった時代だけに明らかに観光映画として作られているのである。特にスペイン、インド、香港、日本では景観や風俗が十分に取込まれている。
お話は相当大さっぱだが、やはり世界一周は皆さんの夢、楽しい映画であることは間違いない。
最後にゲスト出演した豪華メンバーを記しておきたい。上記の他に、ロナルド・コールマン、バスター・キートン、シャルル・ボワイエ、ピーター・ローレ、ジョン・ミルズ、ジョン・ギールグッド、ノエル・カワード、トレヴァー・ハワード、マルティーヌ・キャロル、レッド・スケルトン、フェルナンデル、ロバート・モーリー、シーザー・ロメロ、チャールズ・コバーン、セドリック・ハードウィック、イヴリン・キーズ、ギルバート・ローランド、ヴィクター・マクラグレン、グリニス・ジョンズ。
1956年アメリカ映画 監督マイケル・アンダースン
ネタバレあり
ジュール・ヴェルヌの代表作たる冒険小説の最初の本格映画化。大変な豪華版である。
1872年、英国紳士デーヴィッド・ニーヴンがクラブのメンバーと80日間で世界一周できるか賭けをし、雇ったばかりのメキシコ人カンティンフラスを従者に気球で出発。
フランスは眼下に眺めるだけで最初降りる国はスペイン。フラメンコと闘牛を堪能する。カンティンフラスはメキシコ人だから闘牛に駆り出されてしまうが、芸風から判断して彼はメキシコのチャップリンと言うべき存在であろう。
褒美として船を貸してもらった彼らはエジプトを経てインドへ。インドでは列車で立ち往生して為に象に乗ってジャングルを横断、殉死しそうになったお姫様シャーリー・マクレーンを救出するが、結局最後までお付き合いすることになる。ついでにニーヴンを付け回す英国の官憲ロバート・ニュートンもお供に。
香港の後鎌倉の場面があるが、明治5年に人々はまだちょん髷をまだ結っていたかしら。細かいことはともかく、サンフランシスコからは再び列車の旅になるが、ここでジョン・キャラディーンが数多いゲスト出演者の一人として登場、彼が出演した「駅馬車」のパロディー場面を展開してくれるのが嬉しい。
その他ここではマレーネ・ディートリッヒやジョージ・ラフトやフランク・シナトラがお得意の役柄で賑やかしております。
米国横断中に襲撃されたカンティンフラスがインディアンに縛られて危機に陥る場面は、リメイクの「80デイズ」ではジャッキー・チェンの故郷の村で再現されている。そんなこんなで果たして賭けはいずれの勝利となるか・・・は観てのお楽しみとして、「80デイズ」とは趣きが大分違っていることに気付く。
主役を演ずる俳優の性格もあるが、やはり50年近い時間の流れが大きい。一般市民の海外旅行が当たり前でなかった時代だけに明らかに観光映画として作られているのである。特にスペイン、インド、香港、日本では景観や風俗が十分に取込まれている。
お話は相当大さっぱだが、やはり世界一周は皆さんの夢、楽しい映画であることは間違いない。
最後にゲスト出演した豪華メンバーを記しておきたい。上記の他に、ロナルド・コールマン、バスター・キートン、シャルル・ボワイエ、ピーター・ローレ、ジョン・ミルズ、ジョン・ギールグッド、ノエル・カワード、トレヴァー・ハワード、マルティーヌ・キャロル、レッド・スケルトン、フェルナンデル、ロバート・モーリー、シーザー・ロメロ、チャールズ・コバーン、セドリック・ハードウィック、イヴリン・キーズ、ギルバート・ローランド、ヴィクター・マクラグレン、グリニス・ジョンズ。
この記事へのコメント
「80デイズ」は最近地上波でやっていませんでしたか。
原作が有名なので、既に知られた邦題を使って欲しいと思うんですがね。安易なカタカナ使用は大嫌いです。
日本では無名ですが、パスパルトゥーに扮したカンティンフラスはメキシコの大スターでした。ゲスト出演の顔ぶれが凄いので、名前の知っている人は殆ど書いてしまいました。
カンティフラスはこの後にシャーリー・ジョーンズが共演した「ペペ」が最初で最後の主演ではなかったかしら。ゲスト・スターも多く楽しい映画だったと忘却の彼方になりつつあります。カメオとかゲスト出演の作品って最近なくてつまんないですね。
>マイケル・トッド
3人目かな。
この後がデビー・レーノルズの夫君だったエディ・フィッシャーで、その後がリチャード・バートンだったはず。
オスカーをたくさん獲ったのもTODD-AOのおかげでしょうね。
そうか、今はパナビジョン・オンリーですから再映できないかあ。
>カンティンフラス
「ぺぺ」は懐かしいな。内容は全く憶えていないです(笑)。
一人二人のカメオは結構ありますけど、出し方が下手ですね。