映画評「タッチ」
☆☆★(5点/10点満点中)
2005年日本映画 監督・犬童一心
ネタバレあり
この作品はTVアニメにもなったあだち充の有名なコミックの実写映画化で、監督は「ジョゼと虎と魚たち」が印象深い犬童一心。
明青学園野球部のエースの上杉和也(斉藤慶太)、出来の悪い双子の兄・達也(斉藤祥太)、二人に挟まれ思い悩む幼馴染・浅倉南(長澤まさみ)。半共同生活を送っている三人の青春模様を、野球映画という形で描いている。
甲子園への切符がかかった西東京大会決勝の日、和也が交通事故で死に、達也が急遽野球部に入部するが、最初は四面楚歌でままならない。その状態を野球部マネジャーの南が自ら体を張って変えた結果、翌年達也はチームを決勝戦にまで導き、遂にライバルとの大勝負を迎えるのである。
僕は小学生の時にコミック、アニメを卒業したので、コミックやアニメは無知に近いが、昭和の終り頃TVアニメ版「タッチ」を2、3回見せられた(!)記憶がある。映画版はそれより屈託のある感じだが、オリジナルとの比較はどうでも宜しい。
犬童一心監督は前述「ジョゼ」の瑞々しさと呼吸の良さに感心したが、それに比べれば与えれた仕事を無難にこなしたといった印象に留まり、現在の邦画のレベルとしては水準的な青春映画という程度。舞台が昭和から現在に変っている関係で、映画の出来栄えとは関係ないが、平成的な達也の言葉遣いや態度は余り快からず、映画全体から受ける爽快感もマイナス気味。
双子に扮した斉藤兄弟は、高校野球の選手としても小柄すぎてフォームに迫力がなく、野球ファンとしては不満が残る。
長澤まさみはなかなか良いと思うが、彼女の出演した青春映画では「ロボコン」が断然の秀作なので、未見の人にはこちらをお奨めしたい。
2005年日本映画 監督・犬童一心
ネタバレあり
この作品はTVアニメにもなったあだち充の有名なコミックの実写映画化で、監督は「ジョゼと虎と魚たち」が印象深い犬童一心。
明青学園野球部のエースの上杉和也(斉藤慶太)、出来の悪い双子の兄・達也(斉藤祥太)、二人に挟まれ思い悩む幼馴染・浅倉南(長澤まさみ)。半共同生活を送っている三人の青春模様を、野球映画という形で描いている。
甲子園への切符がかかった西東京大会決勝の日、和也が交通事故で死に、達也が急遽野球部に入部するが、最初は四面楚歌でままならない。その状態を野球部マネジャーの南が自ら体を張って変えた結果、翌年達也はチームを決勝戦にまで導き、遂にライバルとの大勝負を迎えるのである。
僕は小学生の時にコミック、アニメを卒業したので、コミックやアニメは無知に近いが、昭和の終り頃TVアニメ版「タッチ」を2、3回見せられた(!)記憶がある。映画版はそれより屈託のある感じだが、オリジナルとの比較はどうでも宜しい。
犬童一心監督は前述「ジョゼ」の瑞々しさと呼吸の良さに感心したが、それに比べれば与えれた仕事を無難にこなしたといった印象に留まり、現在の邦画のレベルとしては水準的な青春映画という程度。舞台が昭和から現在に変っている関係で、映画の出来栄えとは関係ないが、平成的な達也の言葉遣いや態度は余り快からず、映画全体から受ける爽快感もマイナス気味。
双子に扮した斉藤兄弟は、高校野球の選手としても小柄すぎてフォームに迫力がなく、野球ファンとしては不満が残る。
長澤まさみはなかなか良いと思うが、彼女の出演した青春映画では「ロボコン」が断然の秀作なので、未見の人にはこちらをお奨めしたい。
この記事へのコメント
原作と映画が一緒でなければならない!!なんてことは言いませんが、爽やかな印象だった「タッチ」が「シリアスなタッチ」になっていて、その暗さにちょっと面食らってしまいました。平成の若者は、こんなに屈託があるんでしょうか??^_^;
そこらへんが気になったくらいで、あとは、うまくまとめてありましたね。
「シリアスなタッチ」とは文字通りシリアスなタッチ(touch)の「タッチ」ですね。平成版のタッチ君はちょっと品がないですねえ。あれが平成の青春像なんですかねえ。
比較ではなくて、純粋にもう少し屈託のないほうが良かったですね。基本は野球映画なのですから。
犬童さんにとっては押し付けられた仕事でしょうし、一生懸命作った印象もありませんが、原作やアニメが作られた昭和とは明らかに違うムードで映画は進みますね。昭和も中間的な時代に生まれた人間にとってはそれが今一つの感じを与えるんですよ。僕らの世代は佐々部清監督の「チルソクの夏」のような青春模様にぐっと来るのです。