映画評「隣の女」
☆☆☆☆☆(10点/10点満点中)
1981年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー
ネタバレあり
僕は不倫の絡む恋愛映画に好きなものが多い。「逢びき」「イノセント」「ライアンの娘」そしてこの「隣の女」。映画館で三度も観たほどのお気に入りだ。
文学でも「緋文字」や「ボヴァリー夫人」といった不倫が絡んだものに心が揺さぶられる。恐らくそこに人間の原罪があるからである。不倫が原罪なのではない、男女の愛が原罪であると感じさせるからである。原罪を感じさせる者こそ人間らしいからである。
グルノーブル郊外に会社員ジェラール・ドパルデューが妻と二人の息子と共に住んでいるが、隣に夫婦が越して来る。その妻ファニー・アルダンを観て彼は心穏やかではない。8年前に熱愛の末に別れた恋人だったからで、最初は何とか避けようとしたものの近所付き合いをするうちに焼けぼっくいに火が付いてしまう。
そして、遂には行き詰まって、セックスの最中にファニーは彼を撃ち自らの頭部にピストルを向ける。
俯瞰撮影で警察の車を追い続ける開巻と幕切れが素晴らしく、繰り返し何度でも観たい気分だ。そこに人間の苦悩が滲み出ている気がするのである。
フランソワ・トリュフォーは恋愛映画の名手と言われているが、ロマンスは一度も作ったことがない。彼の作品では恋愛そのものではなく、恋愛模様を織り成す人間の激情が主題である。彼の繊細な心理描写に僕は「クレーヴの奥方」「マノン・レスコー」「ボヴァリー夫人」と綿々と続くフランス恋愛心理小説の伝統を感じ、その流麗な話術と馥郁たるカメラワークに端倪すべからざる才能を感じたものである。
そして、テニス・クラブを経営する女性(ヴェロニク・シルヴェール)を狂言回しにしながら、実は彼女も激しい恋の末に自殺未遂した過去があり、それをファニーの心理にオーヴァーラップさせていくという辺りにトリュフォーの映画作家としての鬼気迫る境地があったように感じられるのだ。
しかし、惜しいかな、3年後にこの天才は52歳で夭逝してしまう。
主演のファニー・アルダンは本作が日本初登場であったと記憶しているが、中性的ないかつい外見の内側に情熱を秘めた演技が大変素晴らしい。トリュフォー最後の妻であった。
最後の女性経営者の放つ台詞が抜群である。「一緒だと苦しいが、一人では生きられない」 by Francois Truffaut。
1981年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー
ネタバレあり
僕は不倫の絡む恋愛映画に好きなものが多い。「逢びき」「イノセント」「ライアンの娘」そしてこの「隣の女」。映画館で三度も観たほどのお気に入りだ。
文学でも「緋文字」や「ボヴァリー夫人」といった不倫が絡んだものに心が揺さぶられる。恐らくそこに人間の原罪があるからである。不倫が原罪なのではない、男女の愛が原罪であると感じさせるからである。原罪を感じさせる者こそ人間らしいからである。
グルノーブル郊外に会社員ジェラール・ドパルデューが妻と二人の息子と共に住んでいるが、隣に夫婦が越して来る。その妻ファニー・アルダンを観て彼は心穏やかではない。8年前に熱愛の末に別れた恋人だったからで、最初は何とか避けようとしたものの近所付き合いをするうちに焼けぼっくいに火が付いてしまう。
そして、遂には行き詰まって、セックスの最中にファニーは彼を撃ち自らの頭部にピストルを向ける。
俯瞰撮影で警察の車を追い続ける開巻と幕切れが素晴らしく、繰り返し何度でも観たい気分だ。そこに人間の苦悩が滲み出ている気がするのである。
フランソワ・トリュフォーは恋愛映画の名手と言われているが、ロマンスは一度も作ったことがない。彼の作品では恋愛そのものではなく、恋愛模様を織り成す人間の激情が主題である。彼の繊細な心理描写に僕は「クレーヴの奥方」「マノン・レスコー」「ボヴァリー夫人」と綿々と続くフランス恋愛心理小説の伝統を感じ、その流麗な話術と馥郁たるカメラワークに端倪すべからざる才能を感じたものである。
そして、テニス・クラブを経営する女性(ヴェロニク・シルヴェール)を狂言回しにしながら、実は彼女も激しい恋の末に自殺未遂した過去があり、それをファニーの心理にオーヴァーラップさせていくという辺りにトリュフォーの映画作家としての鬼気迫る境地があったように感じられるのだ。
しかし、惜しいかな、3年後にこの天才は52歳で夭逝してしまう。
主演のファニー・アルダンは本作が日本初登場であったと記憶しているが、中性的ないかつい外見の内側に情熱を秘めた演技が大変素晴らしい。トリュフォー最後の妻であった。
最後の女性経営者の放つ台詞が抜群である。「一緒だと苦しいが、一人では生きられない」 by Francois Truffaut。
この記事へのコメント
あまりにも上手くて、憎たらしいくらい完璧な不倫映画、残酷な愛の映画、激烈な情念の映画で、まだ私には「書けない」映画です。
トリュフォーの凄いところは「突然炎の~」にも観られるように当事者をいきなり(観客の心の準備が出来ていないうちに)世間からその生もろとも抹殺してしまうところ。そしてどちらも主導権は「女」。色あいは違いますが不倫ものの私のベストに入るルイ・マルは女に振り回されるタイプの恋が特徴。でも主導権は「男」。そして「ダメージ」ではアイアンズを人生から生きながら抹殺させ、わかりやすい“後始末”をつけさせている。一生かかっても払い切れないツケを。「突然炎の~」での残された男の心に吹く風の冷たさを我々に想像させる余韻を残したトリュフォーはほんと憎たらしい!アルダンは本作の後「日曜日が待ち遠しい」でなんとなく今までに知らなかった魅力の女優さんだなあ~と感じましたが。最近は完全に「貫禄」になっていますね。今のビア樽ポルカのようなドパルデューもこういう時代があったのね~。(笑)
>主導権
その通りですね。感じてはいても改めて指摘されると納得です。
基本的にトリュフォーは女性に軸を置いていますよね。「隣の女」の原型のような「柔らかい肌」もそう。長らく観ていない「恋のエチュード」はどうだったのかな。女性二人(姉妹)に男性の三角関係を男性側から観ててはいますが、精神的にどうだったか。
「突然炎のごとく」のラストは見事に心の中に風が吹いていましたね。劇中歌の「つむじ風」は結構好きで、口ずさみますよ。
>「ダメージ」
すっかり忘れておりました。「恋人たち」にはメロメロ、ルイ・マルでは一番好きです。
>ファニー・アルダン
「日曜日が待ち遠しい」は、ヒッチコックのグレース・ケリーへの視線を思わせる視線を、彼女に注いでいるように思いましたよ。
>ドパルデュー
最近一時に比べれば少し痩せたみたい。この作品を観た時はでかい男だなあと思いましたが、最近に比べれば細い細い。
<ファニー・アルダンは本作が日本初登場
そうだったんですか…。トリュフォー&アルダンでは「日曜日が待ち遠しい!」も大好きです。そうか…これってヒッチコックを意識していたのですか?!アルダンってかっこいい男顔だけど大好きな女優さんです^^)。
満点が出る確率は限りなく0に近い、ここ10年に作られた作品では1本もありません。
しかし、以前にも申しましたが、私の8点はぶーすかさんの★5つくらいの感じです。
<「日曜日が待ち遠しい!」
勿論です。トリュフォーの映画の師はヒッチコックですからね。
因みに、現在日曜日をトリュフォー作品の発表の日にしておりますが、名づけて「日曜日が待ち遠しい」なのですよ。その前がヒッチコック特集で、名づけて「ヒッチ曜日」でした。
ファニー・アルダンは、いいですね。内面の情熱が激しさそうなところがヒッチコック的でトリュフォーも気に入ったのでしょう。奥さんにしてしまいました。
わたしもトリュフォーの作品では上位に位置づけたい作品です。
>一緒だと苦しいが、一人では生きられない
女性の心情を最も良く現した言葉だと思います。トリュフォーは弱い女性を描くのがたいへん上手だと思います。女性に限らず男性も弱い人間ばかりが出てきます。
世の中にはもっと強い人も多いんですが、トリュフォーの主張の根幹を感じます。
古典に回帰していったトリュフォー、何故あれほどピエール・ボストとジャン・オーランシュ、そしてシャルル・スパークを憎んだのでしょう。映画史上、最も惜しいと感じるか、新しい時代にそれは必然だったと考えるか。わたしはどちらの気持ちも持っています。
では、また。
私は原罪という言葉を用いましたが、弱さとほぼ同義語として使っています。そこにこそ人間があるという気がします。弱いからこそ人間らしいという意味における人間を描き続けて来た作家だと思いますが、その集大成がこの秀作でしたね。
>古典に回帰していったトリュフォー
ドワネルものは彼の成長記とも言うべきもので、最終的には「大人は判ってくれない」を自己批判して過去を軽く扱うようになりますが、その辺りに古典に回帰していった理由はあると思います。
しかし、その前、何故彼ほどの洞察力のある人物が尊敬を注いでしかるべき作家群、作品群を憎んだのかは謎ですね。私としてはこれらの作品が映画的にマイナス的なものとは思ったことは一度もないですからね。
トリュフォー独自の作風を生んだことを考えれば「良かった」と言うべきでしょうが、そう簡単に評価は定められませんね。
シュエットさんのところでお名前を拝見したような気がしますが、宜しくお願い致します。
シュエットさんはお孫さんが出来て現在多忙なので、新しい記事が読めなくてさびしいですね。
>ファニー・アルダン
素晴らしい女優さんですよね。人生の模範ですか。
僕は敬愛するトリュフォーの最後の奥さんというか恋人でしたので(というわけでもないですが)、ご贔屓にしております。
フランソワ・トリュフォー、モーリス・ピアラ、クロード・シャブロル、エリック・ロメールなどの監督はフランスの映画に多大な貢献をした監督なので、すごく感心します。
>サンドリーヌ・ボネールとイザベル・ユペール、ナタリー・バイ
ナタリー・バイは「緑色の部屋」に主演しましたが、トリュフォーにはもっと長生きしてサンドリーヌ・ボネールやイザベル・ユペールといった実力派を主演にした作品を作って貰いたかったですね。
>フランスの映画に多大な貢献をした監督
そうですね。
トリュフォーは勿論大好きなのですが、他の三人も重要な監督。
ヌーヴェルヴァーグの監督として早くから活躍していたロメールが日本に紹介されたのは監督デビューから25年くらいたった頃ですから不運と言うしかありません。その代わり80年代からものすごい勢いで公開された為に、一時僕は大変混乱しましたよ。
この島の人たちは教育水準が低く、道徳教育やモラルに対する感覚が非常にアバウトでいい加減なので、私はこんな台湾が大嫌いでした。暴力的な体罰や受験戦争は韓国よりもひどいし、大昔からハリウッドの映画ばっかり輸入する上英米のアングロサクソン人や英語に対する崇拝と追従は私から見て非常にたわけているので本当に言葉さえ失います。
1983年生まれの私はこの醜い島国と国民には27年間失望させられてきました。フランス映画やイタリア映画を見ていると、傷ついた心が何となく癒されます。ファニー・アルダン、ステファニア・ロッカやモニカ・ベルッチなどの伊仏バイリンガルにとても憧れで、私もフランス語やイタリア語をある程度習得して海外で勉強して生活したいという願いがあります。
アニエス・ヴァルダの「冬の旅」、モーリス・ピアラの「愛の記念に」などの数多くの名作は台湾では完全に見られないので、日本に行って見てみたくて仕方ありません。
日本語が大変お上手なので、日本に住まれている方かと思いましたが、日本にはいらっしゃたことがないのですか。
日本は戦前封建主義で不自由もなくはなかったですが、開戦直前を別にすると、欧米の映画や文化などがかなり自由に入ってきて、恵まれた国でした。
だから、アメリカ映画の良い部分と欧州映画の良い部分を理解している映画ファンが多いと思います。ただ、一般の日本人は英米人やその文化にかなり傾倒しているような気がします。
>伊仏バイリンガルにとても憧れ
背景がよく解りました。台湾人さんは日本語をマスターされているので、フランス語やイタリア語が少しでも出来たら凄いですね。
>日本
僕が若者だった1970年代はもっと素敵な国でしたが、最近の日本や日本人には多少失望しています。世界各国の映画が大体観られるのは良いです^^
ピアラなど観るのが難しい作品はどのようにしてご覧になっているのですか?
日本語の検索エンジンで出来るだけの資料を探して記事を書くことに熱中している私で、私の知識には限界があるので、スタブにして他のユーザーの執筆にお願いすることも少なくありません。
ファニー・アルダンが大好きで彼女の出身地であるソミュールの記事を作ったのが全ての始まりだったという覚えがあります。最近書いたのはナタリー・バイとお付き合いしたことのあるフランスのベテラン男優フィリップ・レオタール氏の記事です。
麻生太郎と同じ1940年生まれの彼は若くして帰らぬ人となったので、何だか知らぬ間にちょっと悲しくなってきました。
>中国の動画サイト
なるほど。
しかし、一般的にパソコンの画質は上質とは言えないので、不満が残るのではないですか? 観られないよりは良いかもしれませんが。
>日本語版
ウィキペディアに書かれているということでしょうか?
興味深いなあ。
>フィリップ・レオタール
トリュフォーの「恋のエチュード」と「私のように美しい娘」に出ていた彼ですね。なかなか印象的なバイプレーヤーという印象がありますが、調べてみたら、10年ほど前にお亡くなりになっているんですね。
勿論不満が残りますね。画質はそれほどよくないし、内容もごく一部で途切れているので、見た後却って腹が立つことも少なくありません。
私もドラエモンや奇天烈大百科みたいにもしタイムマシーンさえあれば、1950、1960、1970、1980年代の日本、フランスやイタリアに戻って暮らしてみたいと思います。
私は結構変った子でレトロな物事が好きで、勿論ある程度ネット、デジカメやブログには感謝していますが、昔の年代の文化と暮らしの方がよかったと思います。ただし、1950、1960、1970、1980年代の台湾は危ないので、タイムマシーンがあっても特に帰りたいとは思いません。
>ウィキペディア
えっ、スウェーデン語もできるのですか?(@_@)
>タイムマシーン
僕の一番のオススメは、僕が青春時代を過ごした1970年代の日本ですね。それ以前の日本はまだ貧しくて余裕がなかったのに比べ、70年代は素朴の中に金銭的に余裕ができて人の心も今ほどは荒れていなかったと記憶しています。60年代も悪くはないと思います。
勿論、他の国のことは解りません^^
>ある程度ネット、デジカメやブログには感謝していますが・・・
同感ですね。
僕もそれらに恩恵を受けていますが、逆に物品がありすぎてその存在に有難味を感じている人が少ない気がします。
古い映画を観るためにそこらじゅうを歩き回り、或いはリバイバルに期待し、廃盤となったレコードを買う為に中古店を回りました。そうして目的を達した時の嬉しさは表現できないほどでした。
ある意味台湾人さんはそれに近い状況かもしれません。全く可能性がないのはダメですけどね。
この前緒形拳の訃報を知った時は大変ショックで驚きました。実は私、息子さんの緒形直人のことはずっと前から存じていましたが、緒形拳のことはこの前彼の訃報を通じて初めて知りました。最近今村昌平監督の「復讐するは我にあり」で緒形拳と三國連太郎の素晴らしい競演を拝見しました。こんなに優秀な男優のことを今になって知って、彼と彼の作品と共に人生を歩んでこられなかった自分を思うと物凄く悔しくて悲しく思います。
緒形拳も三國連太郎も第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、高度経済成長や東西の冷戦という激動の時代を歩んで来られたので、本当に凄いなと思います。私なんか中国国民党が台湾で行った独裁政治と専制主義しか見て来なかったので、本当に哀れで月とすっぽんだなと赤面します。私もアメリカのコンドリーザ・ライス前国務長官みたいに成績優秀であれば、何らかの力を発揮できるのかもしれませんが、あいにく私はちびまる子ちゃんみたいに勉強に向いていないし、台湾の司法、警察や軍事には国民党の手先が殆どなので、私も自分がどうやってやられたのかも分からないうちに命を奪われるのが怖いです。
>ウィキペディア
なるほど、状況が解りました。
>緒形拳
僕も大好きな男優でした。^^
1970年代~80年代変幻自在の演技で僕たちを魅了しました。
特に「復讐するは我にあり」は映画も上出来、彼の演技も素晴らしく、先年再鑑賞して、記事も書きましたので、URLを下に記しておきますね。
http://okapi.at.webry.info/200810/article_20.html
>国民党
僕はそれほど悪いイメージを持っていなかったです。
台湾のイメージは「台湾では車の運転は(怖くて)できないな」です。
冗談はさておき、台湾はそんなに怖いところでしたか。中国に行った時は少々びくびくしましたが。
でも子供の頃から私は人間の温かみや優しさという真価はその人の学歴や成績そして富の有無や社会的地位とは全く関係ないということに気付いていました。自分は大きくなって大人になっても絶対にそんな独善的で他人事には無関心な冷たい人間になってはいけないとこの27年間それを信条として生きて来ました。(最近ある事件が更にこの信条を固くしてくれたので後程またこの件について詳しく述べますね)
今日から台湾は旧正月に入るので日本には関係のないことかもしれませんが、とりあえず新年明けましておめでとうございます。前述の最近起きたある事件で今後私は自分の微力を何らかの形で貢献したいと思います。台湾は嫌いですがやはりこの土地で自分たちと共に暮らしている同胞がアンフェアなことに人権を侵害されたり迫害を受けて苦しんでいるのを見ているとやはり他人事として看過するのはいけないと思います。悪事と悪人に対してただ傍で見ていて黙っているのはその悪事と悪人に加担するのと同じことなので、絶対にそんな大人になってはならないと自分を戒めました。
貴方にはいつも大変お世話になっているので本当にありがとうございます。他に別の言葉がもう思い浮かばないので本当に感謝につきません。
最近日本人の精神も大分荒廃したのではないかと思うのですが、まだまだ捨てがたいところもあって、他人はどうでも良いという考えは日本では主流の考えではないと信じます。
日本の社会にも理不尽なところがあるものの、最低限の民主主義は機能しているだろうと思います。
>人権
大変尊重すべき考えと思いますが、余り無理はなさらないでください。折角知り合いになれたのですから。
僕はお話をさせて戴いているだけです。色々と勉強させて貰っています。今後とも宜しくお願い致します。
テレビで見ていると心が痛み本当に残念に思えます。
こちらは群馬県(ぐんまけん)といって、震源地に近いところですが、停電があっただけで無事です。電気は今朝復旧しました。
生まれて初めて見る惨状です。
僕や家族は無事で喜ばしいのですが、多くの方が亡くなったり行方不明になっている為素直には喜べません。
私は何だかんだ昼間は兵役の仕事で夜は外交試験の塾に通っています。月曜日から日曜日まで殆ど毎日授業があり、毎回3~4時間の授業になるので、家に帰ってお風呂から上ってすぐ夜の11時半になるので、殆ど自分の時間がなくなりました。
先日は家族にプライバシーを侵害されて、ひどい罵詈雑言を浴びせられ、悔しくて一人でこっそり涙を流しました。家の両親はバチカンのカトリックのように保守的で、私は自分のその秘密を死ぬまで隠し通すつもりだったのですが、ある予期せぬ出来事でばれてしまいました。今回のようなことももう初めてではないので、できるだけ口答えせず逆らわないようにしていましたが、何だか角の隅っこまで追い詰められたので、私は脱力してなす術もなくなりました。
最初の予期せぬ出来事でばれて以来、私は軽蔑と差別の視線を受け、実はこれも私がフランスやイタリアで生活したい主な理由なんです。ある意味私も飯島愛みたいに波乱万丈な人生を歩んできたので、大人の無責任やいい加減で醜い姿も27年間この目で見てきたつもりです。
私のような者とお友達になってくださって本当に感謝していて、ありがとうございます以外の言葉が思いつかないので、本当に面目ありません。
直接被害に遭わなかった方たちにも問題が続出していて、本当に気の毒ですが、金持ちでもない僕たちには、電気事情が悪い現在、節電することくらいしかできません。
台湾人さんの事情は正確には解りませんし、うかつなことは申せませんが、早く現在の状況から抜け出せると良いと思います。
頑張って下さい!
9月17日土曜日から連続三日間の外交官の国家試験を受けていました。国際法と国際経済の二科目は数文字しか書けず殆ど白紙状態に近かったので、その翌日月曜日の口答試験は受けても何の意味もないと思いつつ、有終の美を飾ろうという気持ちで最後まで受けました。
今は就職に備えて色々と準備中で正直言うと不安と緊張に見舞われております。
>兵役
それは良かったですね。
>外交官
おおっ、凄いです。僕はただのサラリーマンを目指していましたからねえ。
>不安と緊張
僕は現在何もしていませんが、ある事情により不安と緊張に見舞われているんですよ。精神安定剤に依存している日々なんです。
前回台湾人へレスした時(4月7日)僕の母は入院中でしたが大変元気でした。しかし、翌日脳梗塞を発症し、二日後に帰らぬ人となりました。その前1年間毎日そばに居ながら結局何にも出来なかった僕が情けなく涙が止まりませんでした。
今はまた別の事情で大変なこと(精神的な病気)になっています。何とかこの苦境を乗り越えないといけないと思っていますが、なかなか症状が良くなりません。
お母様にお悔やみ申し上げたいと思います。こういう永遠の別れと苦痛そして私達がこの世に生まれてそして後に消え去って行くのは一体何のためなんだろうと今でも時々一人で考え込んでしまいます。
貴方の話を聞くどころか私はいつも貴方に愚痴を連発するだけなので本当に改めてお詫び申し上げたいと思います。
生きることが怖く死ぬのも怖い、自分の力で現状を変える度胸はないし実力もないので結局私は困ったちゃんとかまってちゃんだなと最近気づきました。
貴方の気持ちに応えて貴方に心配をかけないように頑張ります。南野陽子も「継続は力なり」と言っていたので、夢が叶わなくても生涯一人ぼっちでも最後まで頑張って生きてやります。
お体の方はくれぐれもどうかお大事になさってください。貴方に見習いたいと思います。
お悔やみ有難うございます。
僕が間抜けだったために本当なら今頃元気で畑仕事でもしていたにちがいない母親は、恐らく天国で過ごしているでしょう。
いやいや、僕も他人(ひと)に頼って色々な人に迷惑をかけており、情けなく思っていますよ。強い人間なんてそんなにいるものではありません。
お互い頑張りましょう。
仕事がなかなか見つからないのでご挨拶するのを躊躇っていたので大変失礼いたしました。
最近はある友情についてすごく傷つきました。私は相手のことをとても大切な親友だと思っているのに対し、相手はその後電話に出なくなり音信不通で何の音沙汰もなくなってしまいました。
考えてみれば私はその人にとって鶏肋みたいにあってもなくてもどうでもいい存在なのかもしれません。私もこれ以上こんな対等に欠けた不平等な友情を続けて自分を苦しめるつもりはないので、こんなアンフェアで畸形のゲームはこっちからやめてやることに決めました。
あれは一体お芝居の演技なのかおざなりだったのか正直私にはさっぱり分かりません。真実はその人にしか分からないので、今さら知りたくもありません。私は自分に対して厳しく要求したり反省したりするのはできますが、他人に私のことを好きになってくれるなど他人の心をコントロールしたりするのはできないので、本当に遺憾であるとしか言いようがありません。
他人に対しては礼儀正しく誠実でそして何よりも真心で接するのは私の価値観なので、これからもこの信念を変えるつもりはありません。たとえそれで自分が傷つくとしても。
2012年は貴方みたいに立派で自立した芯の強い人間になりたいです。
明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。
いや、昨年僕も母親の死に自責の念を感じて相当苦しみましたし、必要もないことをやって自分を追い込んで反省の日々を過ごしました。決して芯の強い人間ではありません。ちょっと頑固なだけですよ(笑)
友情や友人に関しては、映画のように行かないのは僕も色々と経験しています。最終的に頼りになるのは家族だというのが僕の結論ですが、その家族でも様々な問題を抱えることも多いのが事実であると思います。たまたま我が家においては家族同士の相性が良く、無難に過ごせてきただけでしょう。
あなたの信念や価値観は大変立派であると思います。そのまま続けていけば、真の友人に巡り合えるかもしれません。
今、日本でも、正社員になったりオフィスワークに就くのはなかなか難しいです。あなたくらいきちんとした日本語を使いこなせれば、語学を生かせる仕事はないのでしょうか。
応援していますよ。
また、遊びに来てください。
世の中で恐ろしいのはお化けでも幽霊でも宇宙人でもなく人間なんだと私はいつもそう思います。
何だか狐や狸の妖術に騙されて蜃気楼やまぼろしを見たような感じなので、怒った方がいいのか泣いた方がいいのかよく分かりません。
群馬県のクリスマスと年越しの夜は如何でしたか?
草津温泉には行ってみたいし、何時か日本やトリノでクリスマスを過ごしたいです。
数え切れないほどたくさんの映画を観てきましたが、おっしゃる通り、一番恐ろしいのは人間ですね。
自然体で進むのが一番でしょう。僕も昨年自分のミスで母親の死を早めてしまったと思い、悔しくて涙が出て仕方がなかったですが、そのままにまかせました。泣くことでストレスが消えるような気もしました。
台湾もそうだと思いますが、喪中なので、年末年始は静かにしておりました。ここは山と言っても麓なのでまだ雪は積もっておりません。
いつか夢が達成できると良いですね。
フランス、ケベック州、グアドループ、マルティニーク、ベルギーやスイスに行く夢、やっぱり諦めてくありません。
ある程度フランス語を習得したい夢も諦めてくないので頑張ります。
返事が遅くなり本当に大変すみませんでした。
返事をしてもらう程のことは書いておりませんので、気にしないでください。
正社員になれて良かったですね。グッド・ニュースです。
日本は相変わらず不況で、僕に近い親族で正社員は一人もいません。
我が一族で唯一の希望の星たる秀才の甥を日本の財政をコントロールする財務省に入れさせて、現在まともな収入のない僕が経済的に困らないように財務省の考えていることをリークしてもらうことを考えております(笑)が、本人は高級官僚は余り望んでいないみたいです。
また、暇な時にもで、遊びに来てください。
そもそも私が海外へ移住したい一つの原因は破廉恥な国民党が大嫌いなので、彼らの勢力や手先のいないフランス語圏の国で生活したいからなんです。
いつも親切にしてくださっているのに本当に申し訳ございません。
確かに台湾は尖閣諸島を領有していると宣言していますが、現時点でニュースを見聞きする限りにおいて、暴れているのは(その台湾が中国だから尖閣も中国であるとする)中国本土の人々ですし、そう恐縮されることもないと思いますよ。
ただ、現在の日本国民は大分進歩して、終戦以降、短絡的に他の国若しくは国民に対して集団的に暴力的な行為に走ったのは見たことも聞いたこともありません。
それに反し、日本企業が襲われたことは、中国若しくは中国人の為に一生懸命働いている人々(中国人を含む)に失礼ではないかと思います。残念ですね。ああいうことをしているといずれ巡り巡って因果応報の憂き目に遭うのではないでしょうか。
去年の夏には嚥下障害と消化不良の症状で体調を崩して再度病院で胃の内視鏡検査を受けました。
大学院の時もこの症状で内視鏡検査を受けたのですが今回と同じ特に異常は見られなかったということでした。
今回のお医者さんは器官(胃)には特に異常が見られないので多少功能的な障害があると思えるという結論を言いました。
175センチ58キロの私は一気に50キロへと体重が軽減したので親も相当のショックを受けたみたいです。
本当に長い間ご無沙汰してすみませんでした。
1983年10月1日生まれの私はとうとう30歳になりました。無事に35歳まで生きられるのかな?と時々心配します。
悲観的で自分から精神的に追い込むタイプの僕がこんなことを申すのも変ですが、人間の体は案外しっかりできているもので、無事に長生きできますよ。
こちらは心療内科に二年近く通ってやっと治った数か月後昨年末にお金でひどい目に遭い、そこから始まってまた軽く病気が再発しています。現在のところは町医者から軽い精神安定剤を出してもらってやりすごしております。これ以上ひどくならないことを祈るばかりです。楽観的な人なら病気になりようもない、くだらない理由なんですけどね。
当方、現在50代半ば。日本で年金がもらえることになっている65歳までは最低でも生きたいとは思っています。頑張らねば(笑)
「隣の女」について書くまえに、コメントの台湾人さんとのやりとりを興味深く読ませてもらいました。
皆コロナで忘れたような顔をしてますが、この間に2011年の震災があり、オカピーさんもお母様を亡くされて大変だったのですね。
私も2013年に母が大きな手術をしたり(今は回復しています)激動の数年間でした。
震災の時多くの国が寄付をしてくれましたが、台湾は人口が少ないため総額は低いですが、一人当たりの額は世界で一番多いのです。
日本はもっと台湾の方に感謝しなければならないのに、この事実すら知らない人が多い。(情報網はこれだけ発達しているのに)
でもこの時、日本人の若者が、このことをもっと知ってもらおうと自転車で台湾を一周しながら「台湾のみなさん、ありがとう」という動画をユーチューブであげていて、ほっこりした気持ちになったのも思い出します。
日本もまだまだ捨てたもんじゃないと。
オカピーさんに記憶違いのことを言ったのではと夜も眠れず(ウソデス)
確認も含めて見直しました。
ファニー・アルダンの夫のセリフでした(ホッ)
トリュフォーの不倫を描いた映画では、張りつめた絹のような「柔らかい肌」もすばらしく、大好きですが、どちらを取るかとなると「隣の女」に軍配をあげます。
スポーツとは無縁におもえるトリュフォーなのにテニスクラブが出てきたり、
アルダンのドレスが引っかかって脱げてしまうギャグのような描写があったりと、
演出にゆとりというか、ふくらみがあって、でも物語の軸はぶれない(このあと動揺したドパルデューが激情にかられる演出の呼吸もすばらしい)
やっぱり好きだな、トリュフォー
>台湾人さんとのやりとり
最後の方は闘病中でしたが、その後コメントがなく、どうなったか心配しております。
彼が元気の時に、国民党を批判されていましたが、国民党と言うと孫文のイメージがあって割合好感を覚えていた僕は、テキトーなことを言ってしまったと反省しているのです。その後勉強すると、国民党は内省人や先住民にとって実に憎らしい存在であることを知り、下手なことは言えないものだと思っております。彼らの悪行のおかげで、統治時代の日本の評価が相対的に高くなっているわけですね。
>震災の時・・・台湾は人口が少ないため総額は低いですが、
>一人当たりの額は世界で一番多いのです。
何事かあるかすぐに行動してくれますね。現在の立場では、日本は台湾を国家とは言えないのですが。
そう言えば、取引先の台湾の会社から阪神淡路大震災のお見舞いのFAX(当時はまだEメールではなかったと思います)を貰った記憶があります。
>張りつめた絹のような「柔らかい肌」もすばらしく、大好きですが、
>どちらを取るかとなると「隣の女」に軍配をあげます。
僕も全く同じですね。「柔らかい肌」は一回目はさほど解らず、二回目の鑑賞が一番夢中になったように思います。三回目は二回目に及ばなかった感じ。
その点「隣の女」は最初から気に入り、何度見ても良い。初めて観た時、広い意味で同種の「ダメージ」がピンと来なかったのに、この差は何なんでしょうかねえ。
>やっぱり好きだな、トリュフォー
全く同感です。
>彼ら(国民党)の悪行のおかげで、統治時代の日本の評価が相対的に高くなっているわけですね。
統治時代に覚えた日本語を今も話せる方が台湾にはおられますね。
統治終了後の悲劇は、ホウ・シャオシェン監督の「悲情城市」にも描かれていて、まだでしたら、ぜひアップしていただきたいです。
>広い意味で同種の「ダメージ」がピンと来なかったのに、この差は何なんでしょう
やはりマルの衰えだと思います。長いことアメリカにいて、様々な制約でおもうように撮れず、苦労が多かったんじゃないかと。(アラモベイなんかは正直つまらなかった)
>統治時代に覚えた日本語を今も話せる方が台湾にはおられますね。
そうですね。
もう20年以上前になりますが、台湾のビジネス・パートナーの父親を空港に迎えに行ったことがあります。当時70代でしたしょうか、相当きちんとした日本語をしゃべりましたね。
余談ですが、その時に、同じ飛行機に乗って来た王貞治氏が見られたのがラッキーでした。
>統治終了後の悲劇は、ホウ・シャオシェン監督の「悲情城市」にも
>描かれていて、まだでしたら、ぜひアップしていただきたいです。
ブログ開始前に一度だけ観てはいますが、従って、アップしていないです。
僕のライブラリーにもないですし、DVDでも新規に買わないと観られないかもしれません。Amazonでチェックしたら高いです。
>やはりマルの衰えだと思います。長いことアメリカにいて、
大体祖国で成功してから渡米した監督は、良い作品を取れていませんね。特にフランス人はダメ。アメリカ式と相性が悪いのかもしれませんね。ジャン・ルノワールもジュリアン・デュヴィヴィエも。