映画評「あゝ結婚」
☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1964年イタリア映画 監督ヴィットリオ・デ・シーカ
ネタバレあり
役者としてもなかなか優秀だったヴィットリオ・デ・シーカは同時に世界的な監督でもあった。悲劇から喜劇へと表現方法が変わっても根底に流れるリアリズムと庶民への共感は変わらない。
ナポリの色男マルチェロ・マストロヤンニが戦時中娼館で知り合った当時芳紀17歳の娘ソフィア・ローレンとの二十余年の腐れ縁を描く、味わいとしては日本の「夫婦善哉」に近いものがあるかもしれない。
面白いのはソフィアが重病で倒れマルチェロが結婚を決意するのだが、そこまでのマルチェロの回想が終わるや否や実は彼女のソフィアの狂言と分るという流れである。
原作の戯曲のおかげでもあるが、デ・シーカの演出は誠に快調。実に楽しめる。
ソフィアには3人の息子がいてそのうちの一人がマルチェロの息子と告白する。それを知った彼は息子達とソフィアを追い掛け回し、結局愛情も生まれて本当に結婚することになる。
誰が本当の息子なのか分らないのだが、分ったら未来のことを考えて暗雲垂れ込めよう。コメディーだから分らぬままで良い。
ソフィア=マルチェロのコンビネーションも抜群。森繁=淡島コンビとどっちが良いかなぁ。
1964年イタリア映画 監督ヴィットリオ・デ・シーカ
ネタバレあり
役者としてもなかなか優秀だったヴィットリオ・デ・シーカは同時に世界的な監督でもあった。悲劇から喜劇へと表現方法が変わっても根底に流れるリアリズムと庶民への共感は変わらない。
ナポリの色男マルチェロ・マストロヤンニが戦時中娼館で知り合った当時芳紀17歳の娘ソフィア・ローレンとの二十余年の腐れ縁を描く、味わいとしては日本の「夫婦善哉」に近いものがあるかもしれない。
面白いのはソフィアが重病で倒れマルチェロが結婚を決意するのだが、そこまでのマルチェロの回想が終わるや否や実は彼女のソフィアの狂言と分るという流れである。
原作の戯曲のおかげでもあるが、デ・シーカの演出は誠に快調。実に楽しめる。
ソフィアには3人の息子がいてそのうちの一人がマルチェロの息子と告白する。それを知った彼は息子達とソフィアを追い掛け回し、結局愛情も生まれて本当に結婚することになる。
誰が本当の息子なのか分らないのだが、分ったら未来のことを考えて暗雲垂れ込めよう。コメディーだから分らぬままで良い。
ソフィア=マルチェロのコンビネーションも抜群。森繁=淡島コンビとどっちが良いかなぁ。
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