映画評「リベリオン」
☆☆★(5点/10点満点中)
2002年アメリカ映画 監督カート・ウィマー
ネタバレあり
2004年の映画鑑賞メモから。ブログ仲間の要請により、急遽UP致します。要点だけですが、悪しからず。
第三次世界後の世界を舞台にした近未来SFだが、興味深いのは<幸いにも第三次大戦でも世界は滅びなかった>といった雰囲気の設定だけである。
物語はフランソワ・トリュフォー「華氏451」のヴァリエーション(そっくりと言っても良い)。
第4次大戦を起してはならないと謎の権力者が人々の感情を抑圧する。
憎しみは勿論、あらゆる感情が麻薬患者のように自らに注射を施すことで抑圧されるのだが、取締り役人でもトップに位置するクリスチャン・ベールが感情を持ったという理由で妻を処刑されたり、処刑直前の女性エミリー・ワトスンと遭遇するうちに感情に目覚めてしまう。
その後は抵抗組織と接近して、虚々実々の駆け引きの後権力者の前に立つ。
お話は異なるが、ガン・カタという銃を使った格闘技をフィーチャーした演出スタイルが「マトリックス」を明らかに意識している。「マトリックス」のような哲学的な背景がなく単純明快なのは誠に結構なのだが、内容がはったりだけで薄く、観終わった後に観たこと自体に空しさを覚えてしまう。
このガン、カタ(型)が悪いね。
2002年アメリカ映画 監督カート・ウィマー
ネタバレあり
2004年の映画鑑賞メモから。ブログ仲間の要請により、急遽UP致します。要点だけですが、悪しからず。
第三次世界後の世界を舞台にした近未来SFだが、興味深いのは<幸いにも第三次大戦でも世界は滅びなかった>といった雰囲気の設定だけである。
物語はフランソワ・トリュフォー「華氏451」のヴァリエーション(そっくりと言っても良い)。
第4次大戦を起してはならないと謎の権力者が人々の感情を抑圧する。
憎しみは勿論、あらゆる感情が麻薬患者のように自らに注射を施すことで抑圧されるのだが、取締り役人でもトップに位置するクリスチャン・ベールが感情を持ったという理由で妻を処刑されたり、処刑直前の女性エミリー・ワトスンと遭遇するうちに感情に目覚めてしまう。
その後は抵抗組織と接近して、虚々実々の駆け引きの後権力者の前に立つ。
お話は異なるが、ガン・カタという銃を使った格闘技をフィーチャーした演出スタイルが「マトリックス」を明らかに意識している。「マトリックス」のような哲学的な背景がなく単純明快なのは誠に結構なのだが、内容がはったりだけで薄く、観終わった後に観たこと自体に空しさを覚えてしまう。
このガン、カタ(型)が悪いね。
この記事へのコメント
>観終わった後に観たこと自体に空しさを覚えてしまう。
いい、悪い全く別にして映画好きは鑑賞後“これにてチャン・チャン!さあ、また明日からがんばろう!”となりたいわけですよ。
M・マンの最新作「マイアミ・バイス」を評して冨田さんが“監督のマスターベーション映画を2時間、観せられたような気持ち”とおっしゃっていましたが本作には私もその言葉を2重3重にコピーしたいくらい。
仏映画「ドーベルマン」のほうがハチャメチャ人間臭くて面白かったわ。
TBさせていただきました。
あっ、言い添えます。
私、「マトリックス」は劇場で観るべきものの最たるものですしキライではありません。押井守の「イノセンス」と同じく哲学的言語操作で観る者を撹乱しゲーム的な魑魅魍魎&妖美な世界に我々をいざなう・・・視覚と音感と言語中枢を強烈に刺激するのもまた映画の魅力ですもの。
「マトリックス」の面白いところは現実と思っていたことがそうではなかった、といったところでしょうが、世間で評判になったのは妙な特撮クンフーとあのグルリですよね。
特撮クンフーに至っては噴飯もの。若きジャッキー・チェンなら特撮なしで出来た二段蹴りを特撮でやっているだけですもん。つまらん。(そう言ったら若い人から怒られましたね。そんな古いこと知るかいって。しかし、温故知新という言葉も彼は知らないのか。)
グルリはアニメを撮るように一コマ一コマ撮ったもので、CGではないですし、ハイスピード撮影によるスローでもない。しかし、そうした技術面の製作時の苦労は鑑賞者には関係ないことで、評価に反映してはいけない。この類のスタイルは時間によって風化しやすい。
輪廻観は西洋人にとっては新鮮でも東洋人の我々にとってはどうか。そう感心するほどのものとは思いませんが。
しかし、続編(共に5点)に比べればずっと面白いので、(鑑賞時の)5点から6点にUP。