映画評「ロード・トゥ・パーディション」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2002年アメリカ映画 監督サム・メンデス
ネタバレあり
2003年鑑賞メモより。
「アメリカン・ビューティー」で一躍注目監督になったサム・メンデスの新作。発想の面白さで勝負した前作とは違い、正統派の暗黒街ドラマである。
時は禁酒法真っ盛りの1931年、アイルランド系ギャングの幹部で殺し屋として活躍するトム・ハンクスがボス、ポール・ニューマンの息子ダニエル・クレイグと殺しを実行する現場を長男に見られてしまう。クレイグは口封じの為にハンクスの家に出かけ妻と長男を殺してしまう。
実の親子以上の愛情に結ばれていたボスの息子とは言え復讐を誓いながらも、苦しみながらも次男タイラー・ホークリンを守る為にボスが派遣した殺し屋ジュード・ローから逃げなければならない。その間も大物アル・カポネの預金をクレイグの名前で強奪、圧力が彼に向うように仕向ける。
<逃亡しながらの犯人探し>ならぬ<逃亡しながらの殺人劇>で、結局全ての元凶であるクレイグを殺し、父と慕うボスまで殺す。最後に死んだと思っていたローが再び現れ、悲劇が訪れるのだが、徹底的にきちんと作られた映画である。どのカットも詩情に溢れ、うっとりするような映像美を誇る(撮影コンラッド・L・ホール)。
その一方で、二人の父が子を守り合うという二重奏が必ずしもうまく奏でられていないような印象を受ける。淡白すぎるのである。淡白というのは淡々とは違う。淡々と(つまり客観的に)作っているが故に行間から感動が湧き出る作品は数多くあり、先日の「たそがれ清兵衛」はその典型である。同じキネ旬1位でも厚みが違うように思う。
2002年アメリカ映画 監督サム・メンデス
ネタバレあり
2003年鑑賞メモより。
「アメリカン・ビューティー」で一躍注目監督になったサム・メンデスの新作。発想の面白さで勝負した前作とは違い、正統派の暗黒街ドラマである。
時は禁酒法真っ盛りの1931年、アイルランド系ギャングの幹部で殺し屋として活躍するトム・ハンクスがボス、ポール・ニューマンの息子ダニエル・クレイグと殺しを実行する現場を長男に見られてしまう。クレイグは口封じの為にハンクスの家に出かけ妻と長男を殺してしまう。
実の親子以上の愛情に結ばれていたボスの息子とは言え復讐を誓いながらも、苦しみながらも次男タイラー・ホークリンを守る為にボスが派遣した殺し屋ジュード・ローから逃げなければならない。その間も大物アル・カポネの預金をクレイグの名前で強奪、圧力が彼に向うように仕向ける。
<逃亡しながらの犯人探し>ならぬ<逃亡しながらの殺人劇>で、結局全ての元凶であるクレイグを殺し、父と慕うボスまで殺す。最後に死んだと思っていたローが再び現れ、悲劇が訪れるのだが、徹底的にきちんと作られた映画である。どのカットも詩情に溢れ、うっとりするような映像美を誇る(撮影コンラッド・L・ホール)。
その一方で、二人の父が子を守り合うという二重奏が必ずしもうまく奏でられていないような印象を受ける。淡白すぎるのである。淡白というのは淡々とは違う。淡々と(つまり客観的に)作っているが故に行間から感動が湧き出る作品は数多くあり、先日の「たそがれ清兵衛」はその典型である。同じキネ旬1位でも厚みが違うように思う。
この記事へのコメント
もう1回、女の子ずわりして・・泣・・・あれっ?
わっ、誉めてくれてる。7~~~点!!
ホッ。
安心してTB忘れた。
いまこれから急いで走って、持ってきま~~~す。
二組の親子の交錯にもう少し重層的な重みがあれば、もっと星を増やしたのですが。
ニューマンとハンクスの演技合戦は、もっと観たかったなあ。
なるほど、二重奏としては弱いですね。
私は完全にサリヴァン親子中心でみてしまいました。
映像も美しく、私好みで非常に雰囲気のいい画面です。父と子の非常にいい映画だと思いました。
浅かったかな・・・
いやあ、viva jiji姐さんに贅沢だと言われてしまいました(笑)。分って言っているのですけれど、映画ファンの望みは高い。
たまたま私の心を完璧に打たなかったから、そういう理由付けを探しただけであって、イエローストーンさんの心を打ったのも当然の出来栄えでした。