映画評「大いなる休暇」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2003年カナダ映画 監督ジャン=フランソワ・プリオ
ネタバレあり

村を挙げて嫁さんを募集する「クローサー・ユー・ゲット」やさびれた鉄鋼の街を活性化する男たちを描いた「フル・モンティ」など村や街の再生という現実的なテーマをユーモアにくるんで描いた佳作・秀作も少なくないが、このカナダ映画もそうした数に加えたい。

ケベック州のサントマリ・ラモデルヌは人口125人の小さな島、産業もなく失業保険で島民が食いつないでいる非常事態に新町長(レーモン・ブシャール)がプラスティック工場誘致を推進するが、医者がいることが最低条件。島民たちは、何とか一月限定で来島した一人の青年医師(ダヴィッド・ブータン)を島に定住させようと、彼の好みを調べ上げ本土の恋人との通信も盗聴する珍作戦を敢行する。

という物語で、監督はカナダの新人ジャン=フランソワ・プリオ。CM出身と聞くが、CM出身らしからずきっちりとショットを組み立てて本格的な場面を構成しているのが宜しい。

後半<嘘と真実>というサブテーマを深く掘り下げていく脚本も意外と上出来。
 恋人に3年間だまされ続けていた彼が島民に真実を見出して幸福感を味わったのも束の間、その島民も彼を騙していたことを知り失意に沈むが、町長の真実の声にまた心を動かすのだ。
 うーむ、この主題の展開の仕方はまるで山田洋次でありますなあ。そう言えば山田監督も「同胞(はらから)」という過疎を扱った佳作を作っている。

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  • <大いなる休暇> 

    Excerpt: 2003年 カナダ 110分 原題 La Grande Seduction 監督 ジャン=フランソワ・プリオ 脚本 ケン・スコット 撮影 アレン・スミス 音楽 ジャン=マリー・ブノワ 出演 ジェル.. Weblog: 楽蜻庵別館 racked: 2006-11-22 23:30