映画評「あこがれ」
☆☆☆(6点/10点満点中)
1957年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー
ネタバレあり
フランソワ・トリュフォーの長編デビュー前に発表した17分の短編。
物語は2000年にジュゼッペ・トルナトーレが発表した佳作「マレーナ」の前半に似たローティーン少年たちの思春期らしい可愛い煩悩である。
憧れのベルナデット・ラフォンが体育教師ジェラール・ブランと仲良くなったので少年たちは愉快ならず、あらゆるところに出没して邪魔して楽しんでいるが、ジェラールが登山で死亡、黒衣を着て歩く彼女を見て自分たちの感情が恋であったことに気付く。
といったお話で、スカートを翻して自転車をこぐ彼女を捉えたショットが素晴らしい。少年たちならずともわくわくする楽しさ・軽やかさ・なまめかしさに、トリュフォーの後年の成功を予感させる感覚の良さが遺憾なく発揮されていると言って良い。
全体として習作的な趣きで、リュミエールの「水をかけられた庭師」を思わせる場面がオマージュ的に挿入されているが、こうした場面にはジャック・タティのパントマイム風の面白さもある。
トリュフォーが批判したジャン・ドラノワ監督「首輪のない犬」のポスターが登場するのはご愛嬌。
1957年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー
ネタバレあり
フランソワ・トリュフォーの長編デビュー前に発表した17分の短編。
物語は2000年にジュゼッペ・トルナトーレが発表した佳作「マレーナ」の前半に似たローティーン少年たちの思春期らしい可愛い煩悩である。
憧れのベルナデット・ラフォンが体育教師ジェラール・ブランと仲良くなったので少年たちは愉快ならず、あらゆるところに出没して邪魔して楽しんでいるが、ジェラールが登山で死亡、黒衣を着て歩く彼女を見て自分たちの感情が恋であったことに気付く。
といったお話で、スカートを翻して自転車をこぐ彼女を捉えたショットが素晴らしい。少年たちならずともわくわくする楽しさ・軽やかさ・なまめかしさに、トリュフォーの後年の成功を予感させる感覚の良さが遺憾なく発揮されていると言って良い。
全体として習作的な趣きで、リュミエールの「水をかけられた庭師」を思わせる場面がオマージュ的に挿入されているが、こうした場面にはジャック・タティのパントマイム風の面白さもある。
トリュフォーが批判したジャン・ドラノワ監督「首輪のない犬」のポスターが登場するのはご愛嬌。
この記事へのコメント
<リュミエール
あれは非常に有名なフィルムですね。「庭師」でも通じるようです。
動きまでぎくしゃくさせて、トリュフォーは若い頃から洒落っ気の人でした。
翻るスカートが実に良かったなあ。
「庭師」については知りませんでしたが、何処かで観たなというのはありましたね。架空の銃で撃たれて倒れるシーンでは逆回しも使っていたように思いますが。
>御記事を紹介しましたので、TBいたしました。
わっ、えらいこっちゃ。他のブログに名前が載るのは3人目で、都合5,6回目かな。段々手抜きが出来なくなります(笑)。
逆廻しを使っていましたね。その後銃を返すのは、レギュラーのようですが、どこでフィルムをつなぎ合わせたのかな。