映画評「トンケの蒼い空」

☆☆★(5点/10点満点中)
2003年韓国映画 監督クァク・キョンテク
ネタバレあり

評価するメディアによって評価がばらばらだが、実際にはごく平均的なレベルと言うべきである。

子供時代から野良犬(トンケ)と呼ばれ、高校時代に不良の先輩キム・テウクに愛犬を食われ喧嘩になり、父親キム・ガプスも勤める警察の厄介になって中退、現在はぶらぶらしている青年チョン・ウソンが主人公である。
 MIKなる自動車修理工のグループと親しくなってそこに勤め始めた頃、父親が監視役としてスリ常習犯の少女オム・ジウォンを住まわせる。

一方で、地方ゆえ高速道路絡みで汚いビジネスが展開していて例の先輩率いる不良グループが手下として暗躍、友人が襲われたのを 契機に二つのグループの間に激しい抗争が勃発する。

という物語だが、監督が「友へ/チング」を作ったクァク・キョンテクなので、暴力を絡めた友情といったところがテーマなのであろう。母親を殺して生まれてきた彼が父親に言われた「何故生まれ来たのか」という趣旨の言葉に対する反骨や最終的には父への理解などの要素もあるにはあるが、何を重点的に掘り下げているのか見当がつかない。当方の鈍い頭のせいばかりではなく、余りに場面の繋ぎがぎくしゃくしていて展開がぎこちないので主題が見えにくいのである。

喜劇的な要素はなくもがな。韓国俳優の喜劇演技は余りに大袈裟で興醒める。

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