映画評「11人のカウボーイ」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1971年アメリカ映画 監督マーク・ライデル
ネタバレあり

「黄昏」「シンデレラ・リバティー」といった人情味のあるドラマで我々を感激させてくれたマーク・ライデル監督の珍しい西部劇で、内容的にも珍しい部分が多く色々と楽しめる。

ゴールドラッシュで手頃な労働者を失った牧場主ジョン・ウェインが近くの学校に通うローティーンの少年11人を雇ってキャトルドライヴを始める。

最初の見所は少年たちが暴れ馬を乗りこなす場面で、少年たちのキャトルドライヴとは大変珍しい。やがて黒人の料理人ロスコー・リー・ブラウンを加えた一行は辛い中にも楽しい旅を続けるが、少年一人が牛に踏まれて死んだ後、序盤で絡んできたブルース・ダーンを筆頭とする牛泥棒一味に襲われ、牧場主が死んでしまう。

牧場主が途中で死んでも驚きはしないが、「駅馬車」で有名になった後ジョン・ウェインが途中で殺されるのはこの作品だけではないか。大変驚いた。

少年たちは復讐を誓って綿密な計画を立てて一味に向って行くのだが、アイデアの元となったのはケストナーの児童小説「エミールと探偵たち」ではないかという気もしてくる。暫くはライデルらしい人情味があるが、後半はがらりと変わって少年たちが人を殺す物語となるのだからこれまたびっくり。後味としては必ずしも良いものではないが、余り五月蝿いことを言ってもつまらないし、暴力的という以上に知的な感じがするのは宜しい。
 少年たちが主人公なので馬力が少し足りないのは致し方ないでしょうな。

もう一つ驚いたのは「リトル・ロマンス」でも使われたヴィヴァルディの「ギター協奏曲」が使われていたこと。とにかく珍しいこと尽くしだった。

この記事へのコメント

ぶーすか
2006年12月13日 15:37
<ジョン・ウェインが途中で殺される
ジョン・ウェインの作品を全部観ている訳ではないので、知らなかったのですが、そうか…撃たれて死ぬなんてシーンはこれまで観た作品にはなかったですね…。孫ぐらいの子供達とジョン・ウェインの交流が心暖まる作品で好きです。男としての強さは何かというのを教えてくれる先生として最上の教師かも。
オカピー
2006年12月14日 02:02
ぶーすかさん、こんばんは。
戦争映画では確かな記憶はないですが、殆ど観ている西部劇では全く記憶にありません。最後の最後はともかく、途中でというのは。

一見厳しいことを言っても実は・・・という辺りですね。寅さんもそうですが、余り常識にばかり拘っている先生に良い先生はいないですよ(多分)。

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  • 「11人のカウボーイ」「ラスト・シューティスト」

    Excerpt: ●11人のカウボーイ★★★★ 【NHKBS】マーク・ライデル監督、ジョン・ウェイン主演。人手不足から牧場主(ジョン・ウェイン)15歳以下の少年達11人を雇う。そこへならず者が牛を盗みに襲ってくるが…。.. Weblog: ぶーすかヘッドルーム・ブログ版 racked: 2006-12-13 15:33
  • 映画(11人のカウボーイ)

    Excerpt: 深夜、録画しておいた映画を見る。 11人のカウボーイというジョン・ウエイン主演の西部劇。 Weblog: 断腸亭日常のシニアライフ racked: 2007-02-20 19:17