映画評「隊長ブーリバ」

☆☆☆(6点/10点満点中)
1962年アメリカ映画 監督J・リー・トンプスン
ネタバレあり

ロシアの文豪ニコライ・ゴーゴリの代表作「タラス・ブーリバ」は何度も映画化されているが、日本で公開されたのは恐らく二本。その二本目に当たる本作は大昔に観たことがある。

16世紀、オスマン・トルコの攻撃からポーランドを守ったコサック人の一隊長ブーリバ(ユル・ブリンナー)が民族意識に目覚めポーランドに反旗に翻し、都市ドゥブノ(現ウクライナ)を攻め落とすが、留学時代に知り合ったポーランド貴族の娘(クリスティーネ・カウフマン)に会いに行って捕えられ味方を裏切った長男アンドレイ(トニー・カーティス)を自ら射殺する。

原作は中世版「イーリアス」とも言われてブーリバが中心となっているが、映画版は長男の悲恋風に仕立てられていて(原作では裏切るのは次男で、長男は捕虜になって殺される。映画のアンドレイは二人を合体させたような人物像)、淡いながらもロマンティックな気分を出している。

とは言え、中盤から後半にかけて大々的に展開する戦闘場面はアルゼンチン騎兵隊を使った本物の迫力、近年のCGの味気なさとは一味違う。特に、大平原の中でポーランド支持派の老将を倒して進む場面が圧巻。

監督はスペクタクルが得意なJ・リー・トンプスン。豪快な見せ場はさすがだが、人物描写が些か平板で大味なので得点伸び切らず。

この記事へのコメント

オンリー・ザ・ロンリー
2008年07月21日 10:53
確か高校2年のs38年、学校今日は何故か行きたくねぇーなーと、カウフマン見たさで渋谷パンテオンで70ミリにて鑑賞。トンプソンはアクションが得意と思いきやそこそこセットなどは良く出来ていたような記憶。中でクラスメイトとばったり、あ~、青春。
(ところで隣に豪右衛門がありますが敢えてですか?)
オカピー
2008年07月21日 21:36
オンリー・ザ・ロンリーさん、こんばんは!

>セット
今はセットを使う映画が少なくてつまらないですね。背景はともかく、そんなものまでCGで作り上げる始末。

>豪右衛門
敢えてです。一応「ブーリバ」が原作と言われていますので。^^

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